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2021.02.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<212号>

 

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM
通信担当の橋本奈央子です。

土曜日に大きな地震がありましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回のメールマガジンも、FDA(米国食品医薬品局)からアメリカ国内の製造所向けに出された
ウォーニングレター2件を取り上げます。
アメリカと日本の製薬会社で、大きな違いがあるのかチェックしながら読んでいただくと興味深いと
思います。
最後までお読みいただければ幸いです。

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最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名です。
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CMS#587521
テキサス州の製造所の査察(2019/6/32019/6/6)でみつかった医薬品製造の重大なCGMP違反について
出された2020/7/29付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

●指摘1
貴社は、製品の各ロットについて、出荷前に、各有効成分の同一性や濃度を含む、製品の最終規格への
一致に関する試験室の判断を行うことを怠った。
<指摘1詳細>
貴社は、これに限らないが、各有効成分の同一性、濃度を含む適切な品質管理試験をせず、OTC局所薬を
出荷した。試験は、貴社が製造した医薬品が使用目的にあった化学及び微生物学的規格を含む予め定めら
れた全ての品質特性に一致することを保証するために不可欠である。医薬品の各ロットの試験が不足して
いたので、貴社はそれらが最終製品の規格に一致し消費者への出荷に適しているかどうか知らない。
貴社は回答の中で、貴社の医薬品に含まれる各有効成分の同一性と濃度に関する最終製品試験を開始中で
あると述べた。さらに貴社は、貴社が製造した各医薬品の最終製品の規格を制定したと述べた。貴社の
回答は不適切である。貴社は貴社が提案した限定的な試験に関する正当な理由を提出しなかった。例えば、
貴社は貴社の医薬品の不純物の分析結果に関する科学的な分析データを何も提出しなかった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・試験の業務、手順、方法、装置、文書、分析者の能力の包括的で独立したアセスメント
 このレビュに基づき、詳細な是正措置・予防措置(CAPA)と、その効果の評価を提供せよ。
・ロットの処遇の判断前に、貴社の医薬品の各ロットの分析に用いられる試験方法を含む化学及び微生物
 の規格の最新のリスト
・この文書の日付において使用期限内にある、アメリカ向けに出荷された医薬品の全てのロットの品質を
 判断するために保管サンプルの全ての化学及び微生物学的試験を実施するためのアクションプランと
 タイムライン
・各ロットの保管サンプルの試験から得られた全ての結果のサマリ
 もし試験で医薬品の品質不良が明らかになった場合、顧客への通知や製品の回収などの迅速な是正措置
 をとれ。

●指摘2
貴社は、貴社が製造した製品が、それが持つとされている同一性、濃度、品質、純度を持つことを保証
するために設計された製造及び工程の管理に関し、文書化された手順を制定することを怠った。
<指摘2詳細>
貴社は、医薬品の特性のばらつきを引き起こしうる製造工程に関する文書化された管理手順を制定しな
かった。さらに貴社は、複数の医薬品を製造するために使用される工程をバリデートしなかった。貴社は、
販売する根拠とするためのバリデーションを実施せず、安定した製造作業と一貫した製品品質を保証する
ための工程管理のモニタリングに関する継続的なプログラムに欠けていた。
プロセスバリデーションは、そのライフサイクルを通して、設計と工程の管理状態の安定性を評価する
ものである。製造工程の重要な段階は、適切に設計され、投入する原材料・中間材料・最終製品の品質を
保証しなければならない。
プロセスバリデーションは、初期の管理状態が定着しているかどうか判断する。上首尾のプロセスバリ
デーションは、商品流通の前に必要である。その後、貴社が製品のライフサイクルを通じて安定して
製造作業を維持していることを保証するために、工程性能と製品品質の継続的で慎重な監視が必要である。
FDA
がプロセスバリデーションの適切な要素と考える一般原則とアプローチに関するFDAのガイダンス文書
Process Validation : General Principles and Practices
を見よ。
貴社は回答の中で、医薬品XXの次のロットでXXを実施するつもりであると述べた。貴社の回答は不十分
である。貴社は、商品流通しているロットへの影響を含む、バリデーションの欠如により引き起こされる
かもしれない貴社の製品へのリスクに包括的に対処することを怠った。また貴社は、提案したプロセス
バリデーションのアプローチに関する統計的な根拠と十分な対象範囲を提出することも怠った。
この文書への回答の中で、以下の情報を提出せよ:
・製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するために、貴社のバリデーションプログラムの詳細な
 サマリを手順と共に提出せよ。
 継続的な管理状態を保証するための、工程の性能の適格性評価(PPQ)とロット内及びロット間のばらつき
 を継続的にモニタリングする貴社のプログラムについて述べよ。PPQの検証には、これに限定されない
 が、貴社の製造作業のばらつきの全ての原因のモニタリング、製品のロット数、その他のパラメータ
 に関する統計的根拠を含めるべきである。
・販売されている貴社の各医薬品に関するPPQ実施のタイムライン
 貴社の工程性能のプロトコルと装置及び設備の適格性評価をするための文書化された手順を含めよ。
 また、プロトコルをもとにした貴社の販売された製品のロットのアセスメントを含めよ。
・継続的な管理状態を保証するための、ロット内及びロット間のばらつきの慎重なモニタリングを含む、
 貴社の各製造工程の設計、バリデーション、維持、管理、モニタリングに関する詳細なプログラム
 貴社の装置及び設備の適格性評価に関する貴社のプログラムも含めよ。

●指摘3
貴社は、医薬品の各成分の同一性を検証するための少なくとも1つの試験を実施することを怠った。また
貴社は適切な間隔で、貴社の成分の供給者の分析試験の信頼性をバリデートして証明することを怠った。
<指摘3詳細>
貴社は貴社の医薬品の製造に使用される各成分に関する少なくとも1つの同一性試験を実施していない。
この査察中、貴社は、原薬を含む入荷した成分の分析証明書(COA)をレビュすると述べた。貴社は、全て
の成分の試験をしていないと述べた。
貴社は回答の中で、XXするつもりであると述べた。貴社はそれぞれの同一性と有効性を証明するつもり
であると述べた。
貴社の回答は不適切である。貴社は、有効成分、添加物を含む全ての成分の同一性に関する試験の不履行
に対処しなかった。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:
・成分、容器、蓋がそれぞれ適格性を評価され、原材料に適切な使用期限またはリテスト日が割り当て
 られているかどうかを判断するための、原材料システムの包括的なレビュ
 そのレビュは、不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために入荷した原材料の管理が適切かどうかも
 判断するべきである。
・製造に使用するために、入荷した成分の各ロットを試験しリリースするのに貴社が使用する化学及び
 微生物学的な品質管理の規格
・同一性、濃度、品質、純度に関する全ての規格への一致について、貴社が各成分をどのようにテスト
 するかの記述
 もし貴社が、純度、濃度、品質に関し、各成分のロットを試験する代わりに供給者のCOAの試験結果を
 受け入れるつもりなら、初期のバリデーション(次に定期的な再バリデーションがある)を通じて、
 これらの属性に関する供給者の試験結果の信頼性と一貫性を最初にいかに検証するかについて詳細を
 述べよ。さらに、入荷した成分の各ロットに関する少なくとも1つの同一性試験を常に実施するという
 約束を含めよ。
・貴社の医薬品の製造に使用する成分の試験を実施する契約施設の適格性評価と監督に関する貴社の
 プログラムのサマリ
・各成分の製造業者から得たCOAの信頼性を評価するために全ての成分の試験から得られた結果のサマリ
・適切に試験・管理されなかった成分を使って製造される、アメリカ国内に販売されている使用期限内の
 全ての製品のロットの回顧的アセスメント
・貴社の医薬品の成分として使用されるXXの製造のために使用されるシステムの設計・管理と、医薬品
 の製造に使用されるこのXXの規格に関する詳細
 また、貴社はXXのモノグラフに従うかどうかを明記せよ。

●指摘4
貴社は、医薬品の安定性を評価し、適切な保管条件と使用期限を決定するのに安定性試験の結果を使用
するために設計された文書化された試験プログラムを制定することを怠った。
<指摘4詳細>
査察中、貴社は文書化された安定性試験の手順を持っていないと述べた。さらに貴社は、貴社の医薬品の
使用期限を裏付ける適切な安定性データを持っていない。
査察中、貴社は、使用期限を裏付ける安定性の検証において最終製品の目視検査を実施したエビデンスを
提出した。しかし、製品の安定性を評価するのに外観だけでは不十分なので、ラベルに表示された有効
期間XXを通じて貴社の医薬品の化学・物理・微生物学的特性は許容可能な状態のままであると示すことを
怠った。その結果として、貴社の医薬品が有効期間を通じてラベルの宣伝文句を満たすことができる保証
するには不十分である。
貴社は回答の中で、製品の試験を開始するつもりであると述べた。
貴社は、貴社の市販の医薬品がラベルに表示された有効期間の最後までその規格を満たすかどうかを判断
するために使用される安定性試験結果を提出しなかったので、貴社の回答を完全に評価できない。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:
・貴社の安定性プログラムの適切性を保証するための包括的なアセスメントとCAPAの計画
 貴社の改善されたプログラムはこれに限定されないが以下のことを含むべきである:
〇安定性を示す方法
〇出荷が許可される前の、市販されている各医薬品の容器/施栓系内の安定性の研究
〇宣伝されている使用期限が妥当かどうかを判断するために各製品の代表的なロットが毎年プログラムに
 追加されるような継続的な安定性プログラム
〇各工程(タイムポイント)で試験される特定の特性の詳細な定義
・貴社の改善された安定性プログラムのこれら及び他の要素を述べた全ての手順

CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR
211.34
に規定されている適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。適格なサードパーティがCGMP
遵守に関し、貴社の作業全体の包括的な監査を行い、貴社の是正措置・予防措置の効果を評価することも
勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の
経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、これらの
違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
この文書で指摘した違反を即座に是正せよ。これらの違反を即座の是正の不履行は、更なる通知や、
制限・差し押さえ・禁止命令なしに、法的措置につながるかもしれない。このウォーニングレター内の
違反の未解決な状態は、他の連邦機関との契約を妨げるかもしれない。
上記の違反が解決されるまで、FDAは貴社の製造所の供給者または製造業者としての輸出証明の要求の承認
や新薬の申請やリストの補完の承認を保留する。我々は、貴社が是正処置を完了したことを確認するために
再査察を実施するかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/taka-usa-inc-dba-cosmetic-innovations-587521-07292020

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CMS#604438
ジョージア州の製造所の査察(2019/12/172020/1/7)でみつかった医薬品製造の重大なCGMP違反に対して
出された2020/8/14付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

●指摘1
貴社は、成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、ラベル、医薬品が、同一性、濃度、品質、純度の適切な
基準に一致することを保証するために、科学的に妥当で適切な規格、標準、サンプリングの計画、試験の
手順を含む試験の管理を定めることを怠った。
<指摘1詳細>
貴社の受託製造所(CMO)XXとの品質契約の中で、貴社と貴社のCMOの両方が、医薬品の適切な規格の決定
の責任を負っている。貴社のNPサイロイド内のレボチロキシンとリオチロニンに関し貴社がCMOと一
緒に開発した有効成分の試験の規格は、適切ではなかった。貴社がCMOと一緒に開発した有効成分の試験
の規格はXXだった。しかし、サイロイド錠に関するアメリカ薬局方(USP)のモノグラフは、レボチロキシン
とリオチロニンの試験のXXの合格判定基準を持っている。USPの合格判定基準をはずれるサイロイド
錠は、濃度、品質または純度がFD&C Actで認められている公的な医薬品集に明記された規格を下回って
いるのでFD&C Act 21U.S.C.351(b)501(b)の意味の範囲で不良である。
我々は、2020417日に提出された貴社の文書にある通り、貴社がNPサイロイドの有効成分の試験
の規格を改訂したことを認識している。この文章は、貴社の現在の有効成分供給者と現在の工程で製造
されたロットで110%を超えて出荷されたものがないことも示していた。しかしFDAは、202055
15日に貴社のCMOを査察し、リリース試験または安定性試験中に貴社の以前の有効成分供給者と製造
された使用期限内にあるUSPの規格を110%超える13ロットを発見した。我々は、その後貴社がこれら
13ロットを自発的に回収することに同意したと認識している。しかし、これらのロットは、貴社の
早期の調査とやりとりで確認されているべきだった。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:
・規格が適切で筋が通っているかどうかを判断するために、貴社が製品オーナーまたは自社ブランドの
 販売業者である全ての製品のレビュ
 全ての製品と、適切で筋の通った規格が不足しているロットのリスクアセスメントを実施せよ。もし
 医薬品集の規格またはその他の適切な規格から外れている製品が見つかったら、顧客への通知や回収の
 開始を含む貴社がとろうとしている是正処置を示せ。
・製品の規格が適切な状態であることを保証するために定期的なレビュを行うことを保証するための改訂
 された手順

●指摘2
貴社は、全ての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、医薬品の合否を判断する責任と
権限を持った品質管理部門を制定することを怠った。
<指摘2詳細>
貴社の品質管理部門は、うたっている使用期限が適切な安定性のデータによって裏付けられていること
を保証するために、貴社のCMOを適切に監視することを怠った。貴社のCMOとの品質契約により、
貴社と貴社のCMOは、有効期限を含む、製品のラベルの全ての宣伝文句に関して責任がある。
FDA
202055日~15日まで貴社のCMOを査察し、貴社の新しい有効成分供給者と製造されていた
ロットの有効期限を裏付ける長期の安定性データがないことを発見した。新しい有効成分供給者を使って
貴社のCMOで製造されたロットのバリデーションは2019年の5月と6月に実施されたが、202051日まで
長期の安定性試験はされていなかった。
さらに貴社は、安定性プログラムが適切に実施され継続されていることを保証するために貴社のCMOを監査
する責任があった。安定性データは、製品がラベルに表示されている使用期限を通じて同一性、濃度、
品質、純度、安全性を維持していることを保証するために重要である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:
・タイムライン付のアクションプランと、使用期限内にあるNPサイロイドの全てのロットの保管サンプル
 の試験結果のサマリ
 貴社は、これに限定されないが、有効成分の各ロットの同一性と濃度を含むすべての品質特性の試験を
 行うべきである。もし試験でOOSの結果が生じたら、顧客への通知や回収の開始を含む、貴社がとろう
 としている是正処置を示せ。
・貴社の品質部門が効果的に機能するために権限とリソースを与えられていることを保証するための包括
 的なアセスメントと改善計画
 アセスメントは、これに限定されないが、以下のことも含めるべきである:
 〇貴社で使用されている手順が安定性していて適切であるかどうかの判断
 〇適切な手順の順守を評価するための品質部門の全ての作業の監視
 〇全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための、品質部門の調査の監督と承認と、その他の
  全ての職務の解放
CMOCGMPに従って作業していることを保証するために受託製造所の監査を実施するための、貴社の
 手順とプロセスを改善するための記述

FDAのサイロイド錠のサンプリングの結果
FDA
は、貴社の製造所でNPサイロイド(サイロイド錠、USP120㎎ロットM328J19-8 のサンプリングをし、
有効成分が規格より低く、かつ、規格外であることを発見した。この製品の治療域の狭さにより、
含量均一性は重要であり、不十分または過度の投与から甲状腺機能低下症の患者を守ることは特に重要で
ある。貴社がこのロットを貴社の契約倉庫から出荷せず、自発的に廃棄することに同意していると認識して
いる。

●受託製造所の使用
医薬品は、CGMPに従って製造されなければならない。FDAは、たくさんの医薬品の製造業者は、製造施設・
試験機関・包装業者・ラベル貼り業者のような、独立した受託業者を使用していることに気づいている。
FDA
は、受託業者を製造所の延長とみなす。
貴社は貴社の受託製造所との契約に関わらず医薬品の品質に責任がある。貴社には、安全性、同一性、
濃度、品質、純度を保証するために、医薬品がFD&C Act501(a)(2)(B)に従って製造されていることを
保証することが求められている。
FDA
のガイダンス文書Contract Manufacturing Arrangements for Drugs : Quality Arrangements を見よ。

●未承認の新薬
貴社がFDAの医薬品登録・リスティングシステムと、20191217日~202017日の査察中に収集された
情報に基づき、FDAは貴社がFDAの承認または適切な生物製剤ライセンスもなしに、
生物学的製剤NPサイロイドを販売していると判断した。
我々は、未承認の生物学的製剤の申請プロセスにおいてFDAとやりとりの助けを受けるために、貴社が
FDA
の未承認薬のコーディネータに連絡をとることを勧める。

●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、これらの
違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
この文書で指摘した違反を即座に是正せよ。これらの違反を即座の是正の不履行は、更なる通知や、制限
・差し押さえ・禁止命令なしに、法的措置につながるかもしれない。このウォーニングレター内の違反の
未解決な状態は、他の連邦機関との契約を妨げるかもしれない。
上記の違反が解決されるまで、FDAは貴社の製造所の供給者または製造業者としての輸出証明の要求の承認
や新薬の申請やリストの補完の承認を保留する。我々は、貴社が是正処置を完了したことを確認するために
再査察を実施するかもしれない。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/acella-pharmaceuticals-llc-604438-08142020

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まとめ
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いかがでしたでしょうか。

今回取り上げた2件のウォーニングレターにも、安定性モニタリングに関する指摘が含まれていました。
頻繁に安定性の管理に関する指摘があがっていることからもわかるように、安定性モニタリングは非常に
重要であるにも関わらず、多くの企業で実施が不十分であることがわかります。

4月上旬に公布、81日に施行予定のGMP省令で、日本でも、安定性モニタリングの手順書の整備と実施の
強化が求められています。
今のうちに、
・安定性モニタリングの手順が定められていること
・手順が遵守されていること
・製品の使用期限を裏付ける安定性データが整っていること
を確認しておく必要があるかと思います。

☆次回は、3/1(月)に配信させていただきます。

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hashimoto@e-pros.co.jp

【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2021.02.01

【令和元年薬事工業生産動態統計】ASTROM通信<211号>

 

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM
通信担当の橋本奈央子です。

新型コロナワクチンの接種開始が待たれるところですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回は、令和21224日に厚生労働省から発表された令和元年の薬事工業生産動態統計年報について
取り上げたいと思います。
最後までお読みいただければ幸いです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
令和元年薬事工業生産動態統計年報
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
令和21224日に厚生労働省より令和元年の薬事工業生産動態統計年報が発表されました。
これは、調査方法が変更されてからはじめての年報です。
変更前は製造販売業者及び製造業者が調査対象でしたが、変更後は製造販売業者のみとなりました。この
変更により、これまでは場合によっては委託元である製造販売業者側の都道府県に計上されていた生産金
額が全て製造業者の存在する都道府県に計上されるようになり、都道府県の生産金額のランキングがかな
り入れ替わっていて興味深い内容になっています。
以下に主な内容をピックアップしました。
出典:令和元年薬事工業生産動態統計年報の概要|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

■医薬品■
1.生産金額について
令和元年の医薬品の国内生産金額は、94,860億円で、前年の69,077億円と比べると、37.3%の大
幅な増加となっています。
増減の内訳をみてみますと、医療用医薬品は40.3%の増加、要指導医薬品・一般用医薬品は12.0%の増
加となっていますが、要指導医薬品・一般用医薬品のうちの配置用家庭薬は80.8%の大幅な減少となっ
ています。
生産金額の多い医薬品(薬効大分類別)は、以下の通りで腫瘍用薬が大幅に増えていました。
1
位 腫瘍用薬(11,617億円、前年比+90.0%)前年4
2
位 その他の代謝性薬品(11,554億円、前年比+34.6%)前年1
3
位 中枢神経系用薬(11,226億円、前年比+43.0%)前年3
4
位 循環器官用薬(9,968億円、前年比+24.2%)前年2
5
位 血液・体液用薬(6,832億円、前年比+45.6%)前年5
前年より減ったものは漢方製剤-0.8%、対外診断用医薬品を除く診断用薬-1.5%となっていました。

生産金額の多い医薬品薬効中分類は以下の通りです。
1
位 その他の腫瘍用薬(1869億円、前年比+96.3%)前年1
2
位 他に分類されない代謝性医薬品(6,421億円、前年比+33.2%)前年2
3
位 血液凝固阻止剤(3,830億円、前年比+82.1%)前年8
4
位 糖尿病用剤(3,791億円、前年比+37.7%)前年4
5
位 その他の中枢神経系用薬(3,333億円、前年比+60.8)前年10
医薬品薬効中分類別で生産金額の増減を見てみますと、61分類のうち55分類で増加していました。前年
に対して増え方が多いのは、多い順に、
その他の生物学的製剤 前年比+256.8
下剤,浣腸剤 前年比+146.2
その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む。) 前年比+136.9%、
解毒剤 前年比+131.9%、
精神神経用剤 +104.1
で、逆に減り方が多いのは、多い順に、
不整脈用剤 前年比-6.2
甲状腺,副甲状腺ホルモン剤 前年比-6.0
X線造影剤 前年比-1.7
複合胃腸剤 前年比-1.6
総合感冒剤 前年比-1.2
でした。

2.輸出入金額
医薬品の輸出金額は、4,425億円、前年比+133.9%で、金額で見た主な輸出国は
1
位 スイス(1,268億円、前年比+308.4%
2
位 アメリカ(714億円、前年比+71.4%)
3
位 中国(637億円、前年比+126.2%)
4
位 韓国(224億円、前年比-40.3%)
5
位 台湾(213 億円、前年比-12.9%)
でしたが、平成27年を100として州別輸出金額を見た場合、アフリカ州は+1222.1%という数字となって
いました。
輸入金額は、27,531億円、前年比-12.5%で、金額で見た主な輸入国は
1
位 ドイツ(6,003億円、前年比+18.6%)
2
位 アメリカ(5,521億円、前年比-25.2%)
3
位 スイス(3,409億円、前年比+47.5%)
4
位 フランス(2,415億円、前年比-21.1%)
5
位 ベルギー(1,700億円、前年比+13.4%)
でした。

3.都道府県ランキング
生産金額の多い都道府県は、
1
位 埼玉県(9,016億円、前年比+160.9%)前年6
2
位 栃木県(8,638億円、前年比+84.8%)前年4
3
位 静岡県(8,382億円、前年比+24.7%)前年1
4
位 富山県(6,937億円、前年比+11.1%)前年2
5
位 滋賀県(5,449億円、前年比+166.5%)前年11
でした。
生産金額が前年より増加している都道府県のトップ5は、
1
位 鳥取県 前年比+228.6%
2
位 高知県 前年比+215.2%
3
位 滋賀県 前年比+166.5
4
位 埼玉県 前年比+160.9
5
位 群馬県 前年比+139.9
でした。逆に前年より減少している都道府県のトップ5は、
1
位 東京都 前年比-77.0%
2
位 沖縄県 前年比-47.2%
3
位 大阪府 前年比-27.4
4
位 宮崎県 前年比-15.6
5
位 千葉県 前年比-13.8
でした。

■医療機器■
1.生産金額について
令和元年の医療機器の国内生産金額は、25,678億円で、前年の19,490億円と比べると、31.8%の
大幅な増加となっています。
生産金額の多い医療機器類は以下の通りでした。※前年データなし
1
位 内臓機能代用器(3,049億円)
2
位 医療用嘴管及び体液誘導管(2,824億円)
3
位 医療用鏡(2,419億円)
4
位 医療用エックス線装置及び医療用エックス線装置用エックス線管(2,259億円)
5
位 血液検査用器具(1,823億円)

2.輸出入金額
医療機器の輸出金額は、191億円で前年比+51.1%で、金額で見た主な輸出国は
1
位 アメリカ(1,433億円、前年比+20.2%)
2
位 中国(1,120億円、前年比+18.8%)
3
位 ドイツ(719億円、前年比+2.6%)
4
位 韓国(474億円、前年比+0.5%)
5
位 オランダ(447 億円、前年比+19.7%)
でした。
輸入金額は、27,230億円、前年比+68.0%で、金額で見た主な輸入国は
1
位 アメリカ(1511億円、前年比+33.5%)
2
位 アイルランド(2,962億円、前年比+66.6%)
3
位 中国(1,998億円、前年比+104.0%)
4
位 ドイツ(1,854億円、前年比+82.4%)
5
位 スイス(981億円、前年比+35.3%)
でした。

3.都道府県ランキング
医療機器の生産金額の多い都道府県は、
1
位 静岡県(4,022億円、前年比+12.1%)前年1
2
位 栃木県(2,234億円、前年比+11.7%)前年2
3
位 茨城県(1,880億円、前年比+51.5%)前年4
4
位 福島県(1,670億円、前年比+201.3%)前年11
5
位 埼玉県(1,571億円、前年比+53.9%)前年6
でした。
生産金額が前年より増加している都道府県のトップ5は、
1
位 群馬県 前年比+413.0%
2
位 和歌山県 前年比+244.9%
3
位 福島県 前年比+201.3
4
位 秋田県 前年比+195.4
5
位 愛媛県 前年比+185.6
でした。逆に前年より減少している都道府県のトップ5は、
1
位 神奈川県 前年比-53.8%
2
位 東京都 前年比-45.6%
3
位 佐賀県 前年比-24.2
4
位 山口県 前年比-22.6
5
位 宮崎県 前年比-14.4
でした。

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まとめ
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いかがでしたでしょうか。

医薬品の生産金額も医療機器の生産金額も2018年に比べて大幅に増加していることがわかります。

医薬品の生産金額の都道府県ランキングは毎年注目して見ていますが、今回大幅に順位が変わったのが、
調査方法の変更に伴うものなのか、それとも、実際に変わっているのかかなり気になるところです。
個人的には、静岡の医薬品の生産金額が1位から3位になり、餃子のライバルである栃木県に負けてしまった
のが残念です。

それはさておき、これは新型コロナの感染が始まる前の2019年のデータですので、2020年は全く違う状態に
なってしまっているかもしれません。

☆次回は、2/15(月)に配信させていただきます。

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