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2020.06.15
【EMA発出COVID-19中の規制当局の期待に関するQ&A】ASTROM通信<196号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
梅雨らしい天気が続いていますが、いかがお過ごしですか。
今回は、欧州医薬品庁(EMA : European Medicines Agency)が2020年5月26日に発出した、
新型コロナウイルスのパンデミック中にヒト用医薬品のGMP/GDPに関して規制当局が柔軟性を
もって期待することがQ&A形式でまとめられた文書を取り上げたいと思います。
これは、2020年4月10日発出された文書の第2版となり、第1版が状況に応じて改訂されたり追記
されたりしています。
新型コロナウイルス状況下で、規制当局がどこまで柔軟な対応を許容しているかを知ることが
できます。
ヨーロッパに輸出をされていない会社様でも、昨今のいろいろ制約のある状況下で、何を
優先的に行う必要があるかの判断の参考になるところもあると思います。
最後までお読みいただければ幸いです。
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COVID-19パンデミック中のヒト用医薬品に関する規制当局の期待のQ&A
2020年4月10日発出(2020年5月26日改訂)
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■序論■
現在のCOVID-19のパンデミックは、市民、患者、およびビジネスにかなりのインパクトを
持っている。
医薬品販売承認取得者や規制当局は、通常の仕事の方法に影響を受けながら、事業継続させて
いるかもしれない。さらに、公衆衛生のニーズは、迅速な行動、または、業務の優先順位の
見直しを必要とするかもしれない。
医薬品のEU立法の究極の目的は、公衆衛生の高いレベルを保証することである。COVID-19の
パンデミックは、前例がない挑戦を課し、医薬品の連続的な供給の保証は公衆衛生の優先事項
である。従って、EU内の患者が高いレベルの品質、安全性、有効性を持った医薬品を利用できる
状態の維持を保証する一方で医薬品の不足のリスクを最小化するための明瞭で適切な手段が必要
である。
この文書は、ヒト用医薬品の医薬品販売承認取得者(MAH)に対してCOVID-19パンデミック中の、
規制当局の期待と柔軟性をもったガイドラインを提供する。文書は、パンデミックの発生中に、
新しい質問に対処し内容を適合させるために、改訂される。この文書で特に取り上げられて
いない特定の製品に関する質問に関しては、EMA(European Medicine Agency)や関連国の
所轄官庁がMAHに案内する。
この文書は、次の通知があるまで有効である。この文書は、EC(European Commission)、
相互認証と分散型審査許可方式の統合グループ、査察のワーキンググループ、EMAの協力で
作られている。
EU立法の解釈についての究極の責任は、欧州司法裁判所に与えられ、この文書の内容は、
欧州司法裁判所により出されるかもしれない異なる解釈を損なうことはない。
■A.法及び規制上のガイドライン■
1.販売承認及び販売承認手続きに関する問題
1.1 販売承認なしに、COVID-19の患者向けの医薬品を販売できるか?
EUで販売可能になる前に販売承認が必要である。ECにより与えられた販売承認は、全ての
加盟国内で有効である。1加盟国の所轄官庁により与えられた販売承認は、その国内でのみ
有効である。他のEU/EEA加盟国で承認された医薬品について、国の販売承認の付与を容易に
するための手続きが存在する。
2001/83/EC(CMDh)指令の27条の下で設立された統合グループは、これらの医薬品を必要と
する新しい加盟国に販売承認を広げるために、0日相互認識手続/繰返使用手続の使用を促進
することで合意している。
加盟国は、2001/83/EC指令の126a条に従って別のEU加盟国において既に認可されている
医薬品も承認できる。
一元化された/関連した全体的な販売承認が存在しない場合、加盟国は、未承認の医薬品
の例外的使用、または、2001/83/EC指令の5(2)条に従った販売許可を含む、2001/83/EC指令
で見込まれた可能性を利用できる。
1.2 更新申請を延期可能か?
規則(EC)726/2004の14条と2001/83/EC指令の24条によると、5年の間、最初の標準的な販売
承認が有効である。そのような販売承認は、メリットとリスクの再評価に基づいて更新され
るだろう。 これに向けてMAHは、販売承認が有効でなくなる最低9ヶ月前に、当局または
所轄官庁に、品質、安全、および有効性についてまとめたファイルを提供することとする。
COVIDパンデミックから発生した例外的な状況により、この締切に間に合わせるための難題
に直面しているMAHは、完全な関係書類の提出を延期するための正当化された要求をもって、
更新申請の提出の予定された締め切り前に、EMAまたは関連加盟国と連絡をとることが案内
されている。関連加盟国は、関係する加盟国と相談し、予想される締切の前に取るべき
更なる手段をMAHにアドバイスするだろう。
1.3 パンデミック中にサンセット法は適用されるか?
指示的な2001/83/EC指令24条(4)~(6)、および規則(EC)726/2004の14条(4)~(6)によると、
承認された医薬品の加盟国内の市場またはUNION市場への配置が3年以内とされる許可は無効
となる。承認された製品が、以前市場にあったが3年の期間中に無くなった場合は、その
製品のための認可は無効となる。
現在のパンデミックにより、最初の販売開始計画に、サンセット法のメカニズムを始動させる
方法が適用される必要があるかもれない。MAHは、例外的な状況を考慮し、また、公衆衛生の
見地から、免除の上級の可能性を再認識する。
一元的に承認された製品については、そのような要求は、規則(EC)726/2004の14条(6)の下で
ECに提出される必要がある。パンデミック中、ECは、より一層の正当化理由の必要性はなく、
パンデミックを理由として、サンセット法の要求を受け入れることができる。
全体で承認された製品については、そのような要求は、関連加盟国の所轄官庁に提出される
必要がある。それは、パンデミックの状況を考慮して、全体的な規則に従って決められる。
2.最終製品及び有効成分の製造、輸入とGMP、GDPの問題
2.1 COVID-19の患者の利用のための重要な医薬品のEUへの連続供給を保証するために、
製造/サプライ・チェインの変更をいかに迅速に実施できるか?
MAHは、COVID-19パンデミックから生じた製造、販売、貿易の制限により、サプライ・チェ
イン/製造の混乱を経験するかもしれない。医薬品の連続供給の保証は、公衆衛生のための
優先事項である。
従って、COVID-19の患者の治療のために重要な医薬品のEUへの供給を保証するために必要な
場合、MAHが代わりの供給者から出発原料、試薬、中間体または有効成分を迅速に調達する
ことを許可する明確な法的手段が必要である。品質管理に責任を負うサイトの変更はもちろん、
製造工程の一部または全てに新しいサイトを追加することも容易にされるべきである。
製造および/または供給の問題を受けて、供給の不足や混乱のリスクを減らすために、
COVID-19の患者の治療のために重要な医薬品をMAHが利用可能にする例外的な変更管理
手順(ECMP : Exceptional Chane Management Process)が利用可能になっている。
ECMPは、バリエーションの完全なアセスメントを延期する一方、医薬品の品質を保証する
一定の条件のもとで医薬品の不足のリスクを減らすために必要な供給者および/または製造所
/管理サイトの変更の迅速な実施を許可するだろう。
ECMPのもとで、MAHは、EUでの供給不足を防止/緩和するのに必要な場合、出発原料、試薬、
中間体または有効成分を、例外的に、販売承認で特に言及されていない供給者から調達する
ことができる。
同様に、MAHは、EUでの供給不足を防止/緩和するために代わりのサイトの使用が必要な場合、
販売承認で特に言及されていない製造サイトまたは品質管理に責任を負うサイトを使用する
ことができる。
●範囲
ECMPはCOVID-19の患者に使用するための重要な医薬品にのみ利用可能である。
ECMPは以下の変更にのみ利用可能である:
・EUでの供給不足を防止/緩和するために必要な製造および/または管理のサイトの変更
・EUでの供給不足を防止/緩和するために必要な出発原料、試薬、中間体または有効成分供給者
の変更
ECMPがカバーしていない点が強調されている:
・規則(EC)1234/2008のAnnex1に従い、販売承認の拡張と識別される変更
・販売承認の要件またはGMDPからの逸脱
・供給者または製造/管理サイトの変更以外の関係書類に対する変更
●手順
〇Step1
ECMPに頼りたいMAHは、販売承認を与えた関連国の所轄官庁またはEMAに通知しなければなら
ない。通知の中で、MAHは以下のことをすべきである:
・特定の医薬品に関してECMPを使うために意思を表示せよ
・関連する医薬品を述べよ
・実施される予定の変更の要約を提出せよ。
通知は、ECMPのもとで実施される各供給者および/または製造/管理サイトに関して提出
されるべきである。
・最終製品の品質は低下しないことを保証する約束をせよ。
この目的のためにMAHは、新しい供給者/サイトがEUで適用される品質標準に従い、特に、
販売承認の規格に従うことを保証すべきである。EUの法律制定により必要とされる場合、
ECMPのもとで使われる製造/管理サイトは、EU GMP証明を持っているか、EUが相互承認を
締結した国の当局により証明されていなければならない。もし、後者の条件が満たされない
場合、規則(EC)1234/2008に従ったバリエーションも提出が提出されるなければならない。
・MAHにより変更が実施された後48時間以内に関連する所轄官庁に変更の実施を通知すること
を約束せよ。全体で承認された製品の場合は、通知はEMAにされるべきである。
・変更実施の6ヶ月以内に、付随するバリデーションの申請を提出することを約束せよ。
〇Step2
関連した所轄官庁は、通知を評価するだろう。特に、COVID-19の患者に使用される重要な
医薬品の申請かどうかについて評価する。2営業日以内に、MAHは、関連する所轄官庁がECMP
の申請を承諾したかどうかを知らされる。提出後2営業日以内に、関連所轄官庁が異議を唱え
なければ、ECMPの申請は受け入れられたとみなされる。
〇Step3
MAHによる変更実施後48時間以内に、国の所轄官庁またはEMAに通知が提出される。通知には、
実施された変更の要約の記述と同様に、関連する医薬品も示されなければならない。
〇Step4:
個々の変更の実施後6ヶ月以内に、バリエーションが提出される。
●重要な注意
ECMPは前述の範囲で特に見込まれたもの以外の変更をカバーしない。他の変更はバリエー
ションとして届け出られるべきである。関連したバリエーションの提出がない場合は、
MAHの義務違反となる。
前述の約束が1つでも満たされない場合は、同意されたECMPの有効性を止めることができる。
2.2 COVID-19パンデミックに関連した制限により、現地のGMP査察の実施の難しさを踏まえて、
GMP証明と製造業者/輸入の許可について、どのような手段がとられる予定か?
COVID-19パンデミックは現地のGMP査察の実施に影響し、または、実施を阻む国及び国際的な
制限を引き起こした。現在の状況の深刻さを考慮して、手段は、現在のGMP証明と製造/輸入の
承認を維持するだけでなく、官公庁の提出書類を裏付けるためにGMP証明の有効性と製造/輸入
の承認を保証するよう整備されなければならない。
特に、医薬品の供給の混乱を避けるために、EEA内で、医薬品の製造と輸入を裏付けるGMP証明
の有効性が拡大されるべきである。医薬品の製造/輸入の許可の有効性も拡大されるべきである
(時間が制限されている場合) 。EU/EEAで販売される医薬品の品質を保証する目的で、EEA内に
位置するサイトとEEAの監督機関により一度も査察されたことのないEEA外に位置するサイトで、
別個のアプローチがとられるべきである。
●EEA内に位置するサイト
EEA内の有効成分および/または最終製品の製造/輸入サイトに関するGMP証明の有効性は、
証明の所有者からの更なるアクションの必要性がなければ、2021年の終わりまで延長される
べきである。この自動延長は、GMP証明の範囲の変更をカバーしない。(例:新しい建物、
新しい医薬品)
時間が制限された製造業者/輸入に対する許可/登録の有効性は、承認/登録の所有者からの
更なるアクションの必要性がなければ、2021年の終わりまで延長されるべきである。この
自動延長は、許可/登録の範囲の変更をカバーしない。(例:新しい装置、新しい医薬品)
一度も査察され承認されたことのないEEA内の新しいサイト/施設に関しては、そのサイトは
事前の承認査察なしに承認されるべきか評価するために、遠隔のアセスメントが実施される
だろう。そのような場合、証明は、遠隔のアセスメントに基づいて与えられたことが示される
べきである。さらに、状況が許すなら、現地査察が実施されるべきである。もし、遠隔の
アセスメントの結果がGMP証明の授与を許さない場合、現地査察が可能になるまで期限延長と
なる。
●EEA外に位置するサイト
EEA外の有効成分および/または最終製品の製造サイトに関するGMP証明の有効性は、証明の
所有者からの更なるアクションの必要がなく、発行/監督権限者が証明書の有効性に影響
する何らかのアクションを取らない限り、2021年の終わりまで延長されるべきである。
査察が必要とされる第三国の新しいサイト/施設で、運用上の相互承認がないまたは範囲が
相互承認でカバーされない場合、EEAの監督権限者による遠隔のアセスメントが実施される
だろう。GMP証明は、アセスメントの結果により与えられるだろう。そのような場合、
証明は、遠隔のアセスメントに基づいて与えられたことが示されるべきである。さらに、
状況が許すなら、現地査察が実施されるべきである。もし、遠隔のアセスメントの結果が
GMP証明の授与を許さない場合、現地査察が可能になるまで期限延長となる。
●重要な注意
COVID-19の制限が解除されたらすぐに、最後の査察の日を考慮してリスクベースの査察計画
に基づいて、事前承認または所定の現地査察が再開されるだろう。
製造業者及び輸入業者のGMPに従う義務は免除されないことが強調される。製造業者及び
輸入業者にはGMPに従い続ける義務がある。監督権限者は、EEA内の患者に利用可能な医薬品
の品質を保証するために慎重であり続けるだろう。査察(遠隔のアセスメントを含む)は、
GMPに従っていない場合はいつでもスタートできて、適切な規制措置がとられるだろう。
2.3 血漿回収センター(Plasma Collection Centres)の現地査察の延期を減らすためにどの
ような手段がとられているか?
i.以前に査察されたEEAまたは第三国のサイト
監督権限者は、”査察と管理手段の適用“というEMA推奨EMA/INS/GMP/534269/2018に従って
管理手段を実施するだろう。監督権限者は、次の推奨査察日を述べた次回査察ステートメント
(SONIs:Statements of Next Inspection)を発行するだろう。
ii. 以前に査察されたことのないEEAまたは第三国のサイト
もし、センターが、製造業者のPMFに含まれた他のセンターが運営する親会社により運営されて
いるならば、監督権限者は個々のセンターに関して遠隔のアセスメントを実施するべきである。
監督権限者は、次の推奨査察日を述べた次回査察ステートメント(SONIs)を発行するだろう。
わかりやすい注意はSONIsの中でされるだろう。
COVID-19により引き起こされた制限により、EMA/INS/GMP/534269/2018に従って査察と管理手段
を適用し、WHOによりパンデミックの制限中は、事実上、SONIの有効性の期間は延長されるだ
ろう。現地査察は、公衆衛生の危機が過ぎたという合意があったらすぐに再開されるだろう。
ここのSONIの注意には、いかなる例外も示されるだろう。所轄官庁は血液施設に査察が必要で
あるとする権限を持つ。
もし、遠隔のアセスメントの結果が、施設の承認を認めないまたは親会社が管理プログラム
に従わない場合、現地査察が必要である。
2.4 COVID-19パンデミックに関連した制限による現地査察の実施の困難な状況を考慮して、
GDP証明と販売承認についてはどのような手段がとられる予定か?
COVID-19パンデミックから生じる制限により、現地のGDP査察を実施することが困難な状況を
考慮して、GDP証明の有効性は、証明取得者からの更なるアクションの必要性がない限り、
2021年の終わりまで延期されるべきである。
時間制限のされた販売承認の有効性も、証明取得者からの更なるアクションの必要性がない
限り、2021年の終わりまで延期されるべきである。この自動延長は、承認の範囲内の変更は
カバーしない。(例:医薬品のタイプや承認された業務)
現地査察は、COVID-19の制限が解除されたらすぐに、最後の査察の日を考慮してリスクベース
の査察計画に基づいて再開されるだろう。
販売業者のGDPに従う義務は免除されないことが強調される。販売業者にはGDPに従い続ける
義務がある。監督権限者は、EEA内の患者に利用可能な医薬品の品質を保証するために慎重で
あり続けるだろう。査察(遠隔のアセスメントを含む)は、GDPに従っていない場合はいつでも
スタートできて、適切な規制措置がとられるだろう。
2.5 COVID-19パンデミックから生じる巡回やその他の制限を考慮して、クオリファイド
パーソンの仕事へどのような適応が可能か?
i.遠隔のバッチ証明
もし、クオリファイドパーソンがバッチを証明するために必要な全ての情報にアクセスできる
のなら、EU GMPのルールのもとで、遠隔のバッチ証明は許容される。
いくつかの加盟国では、遠隔証明を不可能にするかもれしれない追加要件が導入されているが、
COVID-19パンデミックに関連した現在の旅行制限を考慮すると、遠隔証明は全てのEEA加盟国
で容認されるべきである。
クオリファイドパーソンの義務/責任は変更されずに残ることが強調される。
ii.有効成分の製造業者の遠隔監査
現地査察が不可能な場合、クオリファイドパーソンは、紙ベースの監査に頼ることができ、
EEAの権限者の査察結果を考慮することもできる。
遠隔査察は、有効成分が目的にあい、医薬品の安全性と有効性に悪影響を与えない信頼を提供
しなければならない。クオリファイドパーソンは科学的根拠に基づく管理が正当である根拠を
示し、製品の特別な基準に基づいたリスクアセスメントを記録することが期待される。
iii.第三国から輸入された治験薬のバッチリリース
第三国からの治験薬の輸入の場合、クオリファイドパーソンはバッチの品質が臨床試験認可
の条件に従い、EEAに適用されるGMP要件と少なくとも同等の品質基準に従って製造されて
いることを保証しなければならない。
アセスメントを作るために、現地査察が不可能な場合、クオリファイドパーソンは、必要に
応じてバッチレコード、工程内試験報告やリリース報告、設備のバリデーションの状況、
最終包装の工程や方法や試験、安定性試験の報告、供給者、保管や出荷条件の状態の確認、
製造業者の品質システムに関する監査報告書などを含むさまざまな文書に頼ってもよい。
3.品質の変化
3.1 COVID-19の患者の治療に使用するための医薬品の品質要件を放棄/適応することは可能か?
ECMPにより利用可能になる柔軟性が損なわれなければ、COVID-19の患者に投与される医薬品を
含み、EU内で販売される医薬品に関して販売承認で見込まれた品質要件は遵守されるべきである。
EU内の患者の要求を満たすために製造能力の著しい増大やCOVID-19に関する他の状況等による
販売承認で見込まれている品質管理を行うためにMAHが直面している困難は、所轄官庁への連絡
やリスクベースドアプローチに基づき適用される管理方法の提出が勧められる。これは
規則(EC)1234/2008に従ったバリエーションとして提出されるべきである。
販売承認で見込まれる品質要件へのその他の変更も、規則(EC)1234/2008に従って処理される
べきである。
これらのバリエーションの申請の迅速なアセスメントを可能にするために、申請者にはEメール
のタイトルの処理番号の横に「COVID-19関連」というタイトルをつけることを要請する。
4.個別症例安全性報告(ICSR:Individual Case Safety Report)のEMAの副作用電子報告
データシステム(EudraVigilance)への報告に何らかの影響はあるか?
指令2001/83/ECの107条によれば、MAHは、EUもしくは第三国内で発生した深刻な副作用が
疑われる全ての事象について、事象の情報を得てから15日以内にEudraVigilanceデータベース
に電子的に提出すべきである。EUもしくは第三国内で発生した深刻でない副作用が疑われる
全ての事象は90日以内に提出すべきである。
これは、販売承認外の条件での使用(適応外使用)によって生じた副作用を含む。
現在のパンデミック中、パンデミックを引き起こす病原体の治療または予防のための医薬品
の広範囲に及ぶ使用に関する副作用の報告は増えるかもしれない。同時に、パンデミック中、
業界の労働人口は、多くの従業員の長期欠勤により減るだろう。
これらの例外的な状況は、事業継続計画と活動の優先順位づけを始動させるかもしれない。
従って、MAHがパンデミックに関係する理由で、彼らがすべき通常の報告作業を一時的に続ける
ことが出来ない場合、パンデミックが解決するまでの優先的な報告義務は以下の通りである:
・パンデミックを引き起こす病原体の治療または予防のために使用される医薬品に関連した
深刻なICSRの提出
・他の深刻なICSRの提出
・パンデミックを引き起こす病原体の治療または予防のために使用される医薬品に関連した
深刻でないICSRの提出
・他の深刻でないICSRの提出
現在の例外的な状況の間、一部のMAHは締切を守るために当然困難があるかもしれないが、
指令2001/83/ECに提示されている15日以内にMAHが全ての深刻なICSRを報告することは必須
である。MAHが優先順位付けを行う場合、医薬品安全性監視システムのマスタファイルに
そのような活動を記録したメモを入れるべきである。
5.製品情報とラベル
5.1 EU内の医薬品の動きを容易にするように、ラベル及び包装の要件にいくらかの柔軟性
があるか?
医薬品が最も必要な加盟国で入手可能になるようEU内の医薬品の動きを容易にすることが
必要である。 現在の例外的な状況において、指令2001/83/ECにおいて見込まれている規定
の柔軟さが完全に活用されるべきである。指令2001/83/ECの63(3)のもとで、加盟国は、
医薬品の入手可能性について、厳しい問題に対処するために、完全なまたは部分的な免除
を一定のラベル及び包装の要件に与えることができる。
従って、COVID-19パンデミックの間、加盟国は、もし、加盟国内で医薬品の入手可能性の
厳しい問題がある場合、域内で販売される製品の情報が関連する公用語に翻訳できていない
ことを許容するだろう。
これらの例外的な状況において、パッケージ/ラベルに、国の具体的な情報がないこと、
または表示が、製品が販売される場合に加盟国内で認可された表示と異なることも許容され
るだろう。
COVID-19パンデミックの間に、CMDhは、COVID-19の患者の使用のための重要な医薬品に、
上で述べたラベル及び包装の柔軟性を適用することに合意した。
MAHは、事前に、関連する国の所轄官庁管に通知することが求められ、関連した公用語の
製品情報が得られる場合は、ウェブサイトへのリンクも提供するべきである。 具体的な
国の要件/手続のさらなるガイドラインは、CMDhが展開する。
6.追加の一時的なGMP及びGDPの柔軟性
6.1 序論
パンデミックの結果に対処し、増加する需要に対して医薬品の入手可能性を保証するため
医薬品の製造業者と販売業者を助けるために、いくつかの特別のGMPとGDPの柔軟性を可能に
するための対策が行われている。
EEAの同盟国の立法により既にそのような特別の状況に関する法的手段を提供する場合、
提案された方法が適用される前に、これらの手段が発動される必要がある。
加盟国は、公衆衛生の危機の間、EEA内の重大な医薬品の製造と供給の混乱を最小化するため
に、この調和したガイドラインの適切な実装を容易にすることが推奨される。
同時に、販売承認取得者、製造、輸入、卸売販売承認取得者は、国の立法を考慮する必要が
あり、逸脱があってはならない。
複数の規定/GMPの柔軟な同時の使用の可能性は、包括的なリスク管理プロセスの一部として
適切に評価されるべきである。
■GMPの柔軟性
6.2 COVID-19の患者の治療のための重要な医薬品に継続的な入手可能性を保証するために、
新しいラインや、別の用途で使う設備はいつ使われることができるか?
i.設備及び/または装置は限定された予測的適格性評価により使用できるか?
はい、重要な医薬品の継続的な利用可能性を保証するために製造の移転または拡張が必要
と判断とされる場合、設備及び/または装置は以下の限定された予測的適格性評価により
使用できる:
・適格性評価/バリデーションの次のレベルに進むため、限定された予測的適格性評価の
必要な範囲と程度を判断するために、正式な品質リスクマネジメントの申請が用いられる。
・許容できる継続的な性能の検証と、製品品質を保証するために、必要に応じて、付加的
なリスクを緩和する手段が適用される。
・すべての決定は、クオリファイドパーソン(QP)を含む権限をもった職員により、
医薬品品質システム(PQS : Pharmaceutical Quality System)の中で文書化される。
・COVID-19の制限が解除されたらすぐに、通常の適格性評価の業務は再開される。
・処置の適格性評価の期待に対して、設備/装置の使用から得られた経験と一緒に、限定
された予測的適格性評価の結果はレビュされ、発見されたギャップに対応するプログラム
が導入される。
ii.製造工程のコンカレントバリデーションにより使用できるか?
はい。COVID-19の患者の治療に重要な医薬品について、供給の遅れが治療に影響する可能性
がある場合、予測的適格性評価より、コンカレントバリデーションを実施することが許容
される。
Annex15の規定によるコンカレントバリデーションのアプローチの使用は、PQSの中で文書化
され、QPを含む権限を持った職員により承認されるべきである。それは、GMPガイドライン
のPartIIIやICH Q9で述べられているような適切なアプローチを使い、品質リスクマネジメント
の原則の適用によりサポートされるべきである。
コンカレントプロセスバリデーションのアプローチが使用される場合、製品のバッチが均一
で、定義された合格基準を満たすという結論を裏付ける十分なデータがあるべきである。
全ての関連機器と試験方法は、コンカレントプロセスバリデーションを開始する前に、適切
に評価されバリデートされているべきである。
無菌医薬品に関し、無菌を保証する工程は予めバリデートされていなければならない。
これは、最終的に無菌化される製品のための滅菌工程、無菌処理で使用される装置の滅菌、
無菌で製造された医薬品に関する無菌工程のシミュレーションも含まれるだろう。
医薬品の製造工程及び品質管理の要件には、販売承認のもとで承認された通りの内容が反映
されなければならない。例外的な変更管理プロセス(Q&A 2.1参照)を通じて利用可能な柔軟性
を損なわずに、製造工程や品質要件の変更(Q&A 3.1参照)は、規則(EC)1234/2008のもとで
存在する処理のバリエーションを通じて承認されなければならない。
6.3 COVID-19に感染した患者の治療のために使用される重要な医薬品の継続的な供給を保証
するためにリソースを解放するため、一定の計画された品質関連の業務の一時的な変更
を実施することは可能か?
はい、変更がサイトで製造された医薬品の品質、有効性、安全性に悪い影響を与えないならば、
必要に応じて、重要な医薬品の供給に重点的に取り組むためにリソースを別の場所に向ける
ことを可能にするために、品質システムの一時的な変更は行ってよい。
そのような一時的な変更は、PQSの中で透明に行われGMPガイドライン4章に従って文書化され
なければならない。
品質リスクマネジメントは、一時的な変更の影響を評価するためにICH Q9で述べられたよう
な適切なアプローチを使いながら用いられるべきである。
クオリファイドパーソンは、全ての計画された変更を知るべきであり、これらの一時的な
変更が登録された規格に従わないことでバッチの証明を容易にするために使用されることは
できない。
もし、適切に正当であることが証明されるなら、一時的な変更は、以下のような一定の定期的
な作業の延期に適用してよい。
・メンテナンス、再適格性評価、再バリデーション、再キャリブレーション
・PQS文書の定期的レビュ
・供給者の現地の再査察と、遠隔査察への差し替え
・定期的な再教育
・製品のリリース試験にリソースを集中するために、正当であることが証明されるなら
安定性試験の延期
6.4 COVID-19の患者の治療のために重要な輸入医薬品の差し迫った不足に対応するために
どのような一時的な柔軟性を用いることができるか?
i.第三国における試験の延期や断念は可能か?
そのような医薬品を製造し、より迅速に利用するために、クオリファイドパーソンのための
一時的な延期や、必要であれば第三国での試験をやめ、分析証明なしに、EU内の検疫のもと
で製品を受けることができる。これは、通常のプロセスからの逸脱として記録されるべきで
ある。バッチは、クオリファイドパーソンによるバッチ証明の判断の前に、販売承認の要件
に従ってEEA内で完全に試験されるべきである。
ii.EEA内で一定の試験の延期は可能か?
一定の条件のもとで、COVID-19のパンデミックによる例外的な状況により、COVID-19の患者
の治療用の重要な医薬品の差し迫った不足を防ぐために、正当性がある場合は、クオリ
ファイドパーソンの証明の前にEEAの輸入試験の要件から逸脱することが必要かもしれない。
緊急の不足の場合、次のことが確認されているならば、第三国で実施された試験に基づき、
重要な医薬品の特定のバッチの証明のために、クオリファイドパーソンは考慮することが
できる:
a)製品がCOVID-19の患者の治療のために重要とみなされ、製品がEEAの市場内で供給不足である。
供給不足が市場に関係した所轄官庁により言明/確認されている。
b)販売承認内で明記された全てのバッチリリース試験が第三国のサイトで実施され、得られた
結果は最終製品の規格に従う。
c)第三国で実施された全ての試験は、EEAの監督機関またはMRAパートナーによってGMP証明
された施設で実施されている。
d)第三国の試験室の試験履歴のレビュで、EUの試験結果と一致することを示している。
e)販売承認で述べられた各ロットの全ての有効成分の同一性試験は、EEA内で実施されている。
f)微生物試験に関し、特に不活化ワクチン試験について、バッチ証明の前に、EEA内で、
専門家の分析が実施され続けている。
g)EEA内での全ての輸入試験の完了に先立ち、バッチ証明の判断は、医薬品品質システム内で
逸脱として記録され、判断のための裏付けとなる全ての論理的根拠が含まれている。
延期された販売承認内に書かれたいかなる試験も、証明後にEU内で実施されるべきである。
リリースされたバッチに関し、EEA内でその後に実施された試験結果で規格外が見つかった
場合は、関連する監督機関はすぐに通知されるべきである。
当局が監督措置を実施することを可能にするために、EEA内での輸入試験の延期のいかなる
判断も、関連する監督機関に予め通知されるべきである。
■GDPの柔軟性
6.5 COVID-19パンデミックから生じた旅行、長期欠勤、その他の制限を考慮して、
責任者(RP : Responsible Person)の仕事に何を適用できるか?
i.RPのリモートワーク
地域または国の政府当局が、地域全体のStay-at-homeや、または、国家全体の旅行の
キャンセルや禁止のような隔離手段を実施した場合、以下の条件を満たすならば、制限の
期間を限定して、RPのリモートワークは許可可能である:
・RPは、卸売業者がGDPに準拠し、行政府の義務を満たすことを証明できることを保証する
ために必要なすべての情報に迅速にアクセスできる。
・RPはEU GDPガイドラインの2,2章に特性された責任を果たすことができる。
ii.RPの職務と責任を別のRPに委譲することはできるか?
卸業者の活動の規模、体制、複雑さや所轄官庁による事前承認により、以下の場合、卸売業者
によって指定された別のRPの業務や責任を、RPが一時的に引き継ぐために指名されることは
容認できる:
・同じグループ/会社の別の支店
・会社の同じグループ内の別会社
役割を一時的に指名され場合、そのRPは、役割の責任を自ら果たさなければならない。その
職員が追加の責任を負うリソースと能力を持っていることを判断するために実施された
リスクアセスメントの後、文書化された職務記述書に、GDPガイドラインの原則に従った
責任と、役割に関連した判断をする権限を記述するべきである。
iii.RPの職務のRPでない職員への委譲
必要であれば、GDPガイドライン2.3章により、卸売販売業者により、適切に教育された指定
された職員に、RPの職務を委譲することは可能である。しかし、職務の正しい履行の責任は
RPに残る。
iv.急なRPの交代
病気による旅行の制限や長期欠勤の隔離手段のような例外的な状況のもとで、急にRPの交代
が必要になることは認められる。GDPに関する適切な能力、経験、知識、教育を受けた職員
またはサードパーティのRPに、指名されたRPの交代をする前に、国の所轄官庁の承認を求め
るべきである。
COVID-19の危機の時間枠内で新しく使命されたRPが関連する加盟国の法律で定められた全て
の適格性や条件を満たさない場合、、RPは、全ての委譲された責任を果たすために、GDPの
知識と教育はもちろん少なくとも適切な能力と経験を持っているべきである。
監督機関への事前の通知が必要である。
全てのケースにおいて、RPは、新しい会社のQMSについての適切な知識を持っているべきで
ある。
RPの義務/責任は、変わらずに残ることを強調する。
6.6 限定された予測的適格性評価により、医薬品の保管や販売のために新しい装置や新しい
施設を使用することは可能か?
はい、COVID-19パンデミックの時間枠内で、要求を満たすために医薬品の移動が必要な場合、
新しい装置や別の目的で使用する装置は、可能な限りすぐにそれを使うために、限定された
予測的適格性評価により使用されることができる。
予測的バリデーションが医薬品の保管や販売のために施設や装置に限定的に実施された場合、
要求された条件のもとで医薬品が保管され輸送されるという証拠があるように、十分に
継続的なモニタリングの実施により、埋め合わせされるべきである。EU GDの1.5章にある
通り、品質リスクマネジメントの原則は、必要な継続的なモニタリングの範囲を判断する
ために使用されるべきであり、そのアプローチはRPにより承認されるべきである。
特定の取扱いの指示や保管条件がある製品の保管と輸送に関して使用される装置や施設には
特別な注意が払われるべきである。
卸の活動に新しい施設が使用される前に国の監督機関の承認を求めるべきである。
この期間の後、遅れることなく完全な適格性評価とバリデーションが完了されるべきである。
6.7 COVID-19パンデミックにおいて、通常の手順(一時的な変更管理)から計画的に逸脱
してよいか?
はい、品質システムの中で文書化されていて、RPに承認され、EU GDPガイドラインの1.5章
の品質リスクプロセスに従ってケース毎に評価されているならば、一時的な柔軟性は次の
通り導入できる。
i.文書
通常の標準操作手順(SOP : Standard Operating Procedure)のレビュの実施の時間枠は、
パンデミック期間中は延期可能である。
ii.監査と内部監査
受託業者の現地査察が不可能な場合、RPは紙ベースの査察にも頼り、サードパーティによる
査察や監査の結果を考慮することができる。
遠隔査察は、契約業者が目的に合っていて、卸売販売プロセスに悪い影響を及ぼさないと
いう確認を与えるべきである。
必要であり、品質リスクマネジメントのもとで、パンデミックの期間中、危険とみなされる
業務から職員を解放するためであれば、内部監査(自己査察)のスケジュールは、変更可能で
ある。
しかし、各状況はリスクベースドアプローチに基づいて評価され、文書化され、承認され
なければならない。
iii.不適合とCAPAの管理
不適合または逸脱の影響を判断するためにRPにより承認されたリスクアセスメントに従い、
製品品質または卸売活動に与えるリスクは低いと判断された逸脱に対処するためのCAPAの
実施は延期できる。延期が追跡調査され、パンデミックの制限が解除されたらすぐに再開
されるならば、”軽微“と判断された事象の調査も延期できる。
CAPAの実施に関連した変更管理文書の発行は、変更管理プロセスをより早くより迅速にする
ために延期できるが、変更の承認は記録されなければならない。残っている変更管理文書は
回顧的に完了されるべきである。
iv.教育
会社の教育計画は、パンデミックの危機の期間中、優先的なニーズを反映するために、経験の
ある職員の所定の再教育は考慮できる。
新しい、最近雇用された職員の教育は実施されるべきであり、現在の変則的な労働条件にも
特別な注意がされるべきである。
品質リスクマネジメントの原則は、職員に割り当てられた業務を考慮し能力を保証するため
に教育の必要性の適切な優先順位付けの判断に適用されるべきである。
■B.追加の情報■
ECまたはEMAのウェブサイトには更なる情報がある。
出典:
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/human-use/docs/guidance_regulatory_covid19_en.pdf
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
COVID-19の患者の治療用の重要な医薬品であれば、例えば、、
・EU内で承認されている供給者であれば、承認に記載されていない供給者を使用できる
・GMP/GDP証明の有効期間を2021年の終わりまで延長できる
・パッケージやラベルの表示が承認内容と違っていたり、製品情報が公用語に翻訳できて
いなかったりしてもよい
等、かなり柔軟な対応を認めていることに驚きました。ただ、そこには、リスクベースド
アプローチの原則が生かされていて、あらためて、リスクベースドアプローチ重要性を感じ
ました。
ただ、柔軟な対応をすればするほど、パンデミック状態の解除後、通常の状態に戻していく
のが難しいように思います。
この先は、いつから、何を、どうやって元に戻していくのかという出口戦略が必要になって
くると思います。今後の動きに注目していきたいです。
☆次回は、7/1(水)に配信させていただきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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【発行責任者】
株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
2020.06.01
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<195号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
全国の緊急事態宣言が解除され、少しずつ以前の生活が戻ってきているように感じるこの頃ですが、皆様、
いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
さて、今回もFDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から出されたウォーニングレター(2件)について見ていき
たいと思います。
最後までお読みいただければ幸いです。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
■WL:320-20-20■
中国の製造所の査察(2019/6/24~2019/6/28)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に関する
2020/1/22付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●指摘1
貴社は出荷前に、製品の各ロットについて、有効成分の同一性・濃度を含む最終規格に一致するかを
試験室で判断することを怠った。また、好ましくない微生物がいないことが求められる製品の各ロットに
ついて適切な試験を実施することを怠った。
<指摘1詳細>
貴社は、子供向けを含むOTC医薬品XXを製造している。貴社は、同一性及び濃度の試験を実施せずにあ
る医薬品を出荷した。例えば、貴社は、ラベルに表示された有効成分XXの同一性及び濃度の試験を実施
せずにXXを出荷した。
出荷前の各ロットの完全な試験は、貴社の製造した医薬品が適切な規格に一致するかどうかを判断する
ために不可欠である。
貴社は回答の中で、XXの入った最終製品の全てのロットは、出荷の前に試験室の分析の対象とされる予定
であると述べた。特に、貴社は、XXに関する分析試験を実施する計画をしている。しかし、貴社はXXに
関する分析試験の実施の実現可能性を評価するとも述べた。
貴社の回答は不適切である。貴社は、同一性と濃度に関して制定された規格を満たすかどうかを判断する
ために、有効成分としてXXを含む使用期限内の医薬品の全ての保管サンプルを試験することを怠った。
貴社は、最終製品の中に含まれるXXに関する分析試験を実施すると約束しなかった。
また、貴社の回答は、貴社が実施しようとしている試験(例:同一性、濃度、純度)の試験手順、方法、
実施のタイムライン、または、詳細な記述についての情報を含んでいなかったので、不十分である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・医薬品の各ロットの処遇を判断する前に分析に用いている試験方法を含む化学及び微生物の規格のリスト
バリデーションの方法、または、これらの試験方法を評価するデータの検証方法と報告も含めよ。
・この文書の日付において使用期限内にあるアメリカに出荷された医薬品の全てのロットの品質を判断する
ために保管サンプルの全ての化学及び微生物試験を実施するための行動計画とタイムライン
各ロットの保管サンプルの試験から得られた全ての結果を要約せよ。もしそれらの試験が、医薬品の
品質不良を示した場合は、顧客への通知や製品回収などの迅速な是正処置をとれ。
・貴社の試験業務、手順、方法、装置、文書、分析者の能力の包括的で独立したアセスメント
このレビュに基づき、貴社の試験システムの効果を改善し評価するための詳細な計画を提出せよ。
・貴社の代わりに契約試験機関により実施される全ての試験方法が、使用前に適切にバリデートされている
ことを保証するための貴社の手順
●指摘2
貴社は各成分のサンプルについて、同一性と、純度、濃度、品質に関する文書化された規格への一致に
ついて、試験することを怠った。
<指摘2詳細>
貴社は、同一性を判断するために医薬品の製造に使用される入荷した成分の試験を怠った。例えば、貴社
は、貴社のネットワークの別のサイトから受け取ったXXの有効成分の同一性試験を含む少なくともXXの
同一性試験を実施することを保証することを怠った。
有効成分XXを含む貴社が製造する医薬品に使用される成分の全ての同一性を検証するために少なくとも
XXの試験を実施することを保証するのは貴社の責任である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:
・成分、容器、蓋の全ての供給者が適格で、原材料に適切は有効期限またはリテストの日付けが付与されて
いるかどうか判断するための貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュ
レビュでは、入荷した原材料の管理が、不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために適切かどうかの判断
もすべきである。
・入荷した成分の各ロットが製造に使用するために適しているかどうかを判断するために試験しその処遇
を判断するために貴社が使用している化学及び微生物の品質管理の規格
〇この文書の日付時点で使用期限内のアメリカに出荷された医薬品に使用された有効成分の全てのロット
の品質を判断するために、保管サンプルの全ての化学及び微生物試験を実施するための行動計画と
タイムライン
〇各ロットの保管サンプルから得られた全ての結果のサマリ
もしそれらの試験で品質基準を満たさない医薬品の物質があることが明らかになった場合、顧客への通知
や製品回収などの迅速な是正処置をとれ。
・貴社が、同一性、濃度、品質、純度に関する規格への一致について、各成分のロットをいかに試験する
つもりかの記述
もし、貴社が、各成分のロットの濃度、品質、純度の試験をする代わりに供給者の分析証明書(COA)の結果
を受け入れるつもりなら、貴社が、初期のバリデーションと定期的な再バリデーションを通じて、供給者の
分析結果の信頼性をいかに確実に立証するかを明記せよ。さらに、入荷した成分の各ロットについて、
少なくとも1つの同一性試験を常に実施することを約束せよ。
●指摘3
貴社は、全ての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、ラベル、製品が同一性、濃度、品質、純度の適切な
基準に従うことを保証するための科学的に理にかなった適切な規格、標準、サンプリング計画、試験手順
を含む品質管理を制定することを怠った。
<指摘3詳細>
貴社には、貴社の医薬品の微生物試験に関する適切で信頼できる成長促進の手順と作業を証明するための
科学的なデータが欠けている。
特に、貴社は、培地が成長と条件を満たした回復を支えることを裏付けるために、貴社の最終製品の微生物
試験と水試験に使用される社内の培地の成長促進試験を一貫して実施していない。そのため、貴社が微生物
試験に使用する培地の各ロットは、成長促進に関し適切に検証されていなかった。貴社は、リリース時に
貴社の医薬品が許容可能な微生物の規格を満たすことを保証できない。
貴社は回答の中で、新しい生育効率試験はXXのプレートで実施される予定であると述べた。貴社は水の
品質試験に関し、サードパーティからXXのプレートを購入することも約束した。
貴社の回答は不十分である。いかに成長促進試験が実施され、いかに試験が完了するまでの暫定的な
是正処置が完全であるかを述べた詳細を提供しなかったので、貴社の回答を完全に評価できなかった。
貴社は水の品質試験に使用されるXXの情報の提供も怠った。
この文書への回答中で、以下の情報を提供せよ。
・貴社の試験作業、手順、方法、装置、分析者の能力の包括的なレビュ
このレビュに基づき、貴社の試験システムを改善するための詳細な是正処置・予防処置(CAPA)の計画を
提出せよ。貴社の計画には、実施されたCAPAの計画の効果を評価するために貴社が使用しようとしている
手順を含めるべきである。
・製品のバイオバーデンの回収ができて、製品の使用目的、薬の投与経路、患者(すなわち顧客)の個体数に
関して微生物が好ましくないかを判断することができる米国薬局方<61>と<62>に一致する微生物試験の
方法
・最終の出荷判定の前に、最終製品の規格に従うことを保証するために適格性のある方法を使って各ロット
を試験するという約束
●指摘4
貴社は、適切な品質管理部門の制定を怠り、品質管理部門に適用される責任の文書化とそれに従うことを
怠った。
<指摘4詳細>
貴社の品質管理部門(QU)は、貴社が適切な手順を持ち、製造活動の適切な管理を行うことを保証すること
を怠った。例えば:
・貴社は製造のロットの記録と装置のメンテナンスシートの発行・使用・照合の適切な管理が欠けて
いる。製造のロットの記録と工程内管理記録の無制御なコピーが事前に印刷され、入室が制限されない
部屋に保管されていた。
・貴社の製品の分析のいくつかの試験報告がレビュされたがローデータがみつからなかった。後でXXの
濃度を計算するために入力される分析試験のデータを記録するためにメモ用紙が使用されていた。
・貴社は、製品の収率を計算する手順を制定してそれに従うことを怠った。
貴社は回答の中で、2019年7月から、XXの基準に従って、必要最低限のブランクフォームが関連職員に
渡されるようになり、関連職員は、XXで全てのブランクフォームの所在を報告しなければならなくなる
予定であると述べた。貴社は、全ての文書は保管され、手順はCGMPの要件を満たすために起草もしくは
改訂される予定であると述べた。
貴社は、出荷された医薬品のQUの管理の欠如の影響に適切に取り組まなかったので、貴社の回答は不十分
である。貴社は出荷の前の管理文書の発行と保持の手順と、事前に印刷された文書を出荷前にQUが管理
するかどうか記述することを怠った。貴社の回答は、新しい文書の保管システムと、それが手順化される
かどうかについての詳細を提出しなかった。分析者がラボノートを使用して正しい文書手順を順守する
ためにいかに教育される予定かの説明がなかった。
この文書への回答の中で、QUが独立して効果的に機能するために、QUに権限とリソースが与えられて
いることを保証するために、貴社が計画しているCAPAの包括的なアセスメントを提出せよ。
アセスメントには、これに限定されないが以下のことを含めるべきである。
・貴社により使用される手順が安定していて適切であるかどうかの判断
・適切な手順の順守を評価するための、QUによる貴社の製造作業全体の監督の規定
・QUの出荷判定前に各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ
・全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための、QUの調査の監督と承認及びその他の職務
の放免
・文書化手順が不適切かどうかを判断するための貴社の製造及び試験室の作業全体で使用される文書化
システムの完全なアセスメント
アセスメントには、文書化手順を改善し、貴社が完全で正確な記録を保持することを保証するための
詳細なCAPAの計画を含めよ。
・定量化可能な製造の基準の詳細な記述を提供せよ。
製造の収率の上限と下限を定義したロット製造指図・記録内の理論収率のエビデンスを提出せよ。
●グリセリンに関する懸念
貴社は成分としてグリセリンを含む医薬品を製造している。ジエチレン・グリコールで汚染された
グリセリンの使用は世界中の人の様々な致死の中毒事件を引き起こした。グリセリンを含む医薬品を製造
する場合、CGMP要件を満たす助けとして
FDAのガイダンス文書“Testing of Glycerin for Diethylene Glycol”を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34
に規定されている適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、
CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備とシステムの
欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製品に関連した製造所に存在する違反の包括的なリストではない。
貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2020年1月21日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■WL:320-20-24■
中国の製造所の査察(2019/7/31~2019/8/6)でみつかった原薬製造における重大なCGMP違反に関する
2020/2/13付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●指摘1
貴社は、中間体及び原薬のロットの製造・指図記録の準備と使用の不履行
<指摘1詳細>
貴社の製造所は、最終原薬を精製するために粗ヘパリンを製造している。2019年7月10日の事前査察の
要求中に、貴社はFDAに、数カ月間原薬を製造していなかったと述べた。2019年7月31日のFDA査察の
開始時、貴社は、査察官に粗ヘパリンを製造していないので、装置の試験のみ実施していると述べた。
貴社の倉庫の実地査察中、査察官は、ファイバードラムを持って倉庫の職員が出ていくのを発見し、
ドラムの中身を質問した。貴社はドラムはXXのバッグが入っていると述べた。しかし、ドラムの調査で、
FDAの査察のほんの数日前に製造された粗ヘパリンの2ロット(CU190726、XX, 製造日2019年7月26日、
CU190727、XX, 製造日2019年7月27日)であることが明らかになった。これらの粗ヘパリン2ロットに
関連する製造と試験の記録についてたずねた時、貴社は、その粗ヘパリン2ロットの記録がないと述べた。
貴社は回答の中で、貴社の記録手順の不備により、粗ヘパリンのロットCU190726、CU190727に関する
タイムリーで完全な記録を備えることを怠ったことを認めた。また、貴社の回答では、貴社は、倉庫の
職員に教育を行っているところで、その“正式な承認”の前にヨーロッパまたはアメリカ市場に販売
しないと述べた。しかし、貴社は、貴社の文書化手順をいかに改善し、出荷された製品に関し不十分な
文書化手順の影響をいかに評価するつもりかについて適切に回答しなかった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供すべきである。
・貴社の製造所から出荷された粗ヘパリンを含む全ての医薬品の完全な照合。
照合には以下の情報を含めよ:
〇ロット番号
〇ロットの数量
〇医薬品の名前
〇出荷判定日
〇出荷日
〇出荷先
〇出荷市場
・文書化手順の不十分な箇所を判断するために貴社の製造及び試験作業を通して使用されている文書化
システムの完全なアセスメント
貴社が作業のはじめから終わりまで、帰属可能で、判読可能で、完全で、原本性があり、正確で、同時
性のある記録を保持していることを保証するために、貴社の文書化手順を包括的に改善する詳細な是正
処置・予防処置(CAPA)の計画を含めよ。
●指摘2
経営陣と製造職員の積極的な参加を含む、品質管理のための効果的なシステムの制定、文書化、実装の
不履行
<指摘2詳細>
査察中、査察官は、貴社は貴社の製造所で製造された粗ヘパリンのトレーサビリティに関する重要な文書
を適切に管理していないことに気付いた。2019年7月31日の実地査察中、査察官は、オフィスビル3階
の品質保証(QA)事務所の床、デスク、棚に多数の記録を発見した。これらの記録のいくつかはヘパリンに
関するロットの製造記録を含んでいた。
査察中、貴社の従業員の一人は、これらの記録は政府の財政的支援の申請のために作成していて、記録内
に記載されている粗ヘパリンは実際には製造されていなかったと述べた。しかし、2019年8月2日の査察中、
QAのオフィス内の全ての記録は、実際には、本物の粗ヘパリンのロットに関連していると述べた。
さらに、貴社の“粗ヘパリン・ナトリウムの在庫と出荷の記録”は、貴社が粗ヘパリン(CU190601~CU190730)
のXXロットを2019年6月1日から2019年7月30日まで製造したことを示していたが、貴社は、CU190728とCU190730
の2ロットの完全な記録の提供しかできなかった。
粗ヘパリンのトレーサビリティは、品質管理の重要な部分である。貴社は、CGMPの目的のために、医薬品の
各ロットの完全で同時の記録が保存されていることを保証しなければならない。品質管理のための貴社の
システムは不十分であり、貴社の製造所で製造された粗ヘパリンを含む全ての医薬品のトレーサビリティ
に疑問を投げかける。
ヘパリンに関する更なる文献として、業界向けガイドラインHeparin for Drug and Medical Device Use
: Monitoring Crude Heparin for Quality”を見よ。品質部門(QU)のシステム的な不備に全体的に取り
組んでいないので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で、貴社は、経営陣と製造職員の積極的な参加を含む、品質管理のための安定した
システムを制定し文書化し実装し、保持することを保証するための包括的なアセスメントと改善計画を
提出すべきである。アセスメントには、これに限定されないが、以下の情報を含めるべきである:
・貴社で使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断
・適切な手順の順守を評価するための貴社の製造作業全体の監督に関する規定
・QUの出荷判定の前の各ロットと関連する情報の完全で最終的なレビュ
・全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための、QUによる調査の監督と承認及びその他の
職務の放免
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を
適切に保証していない。CGMPに従ったデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するためのガイダ
ンスとして、FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMPを見よ。
我々は、貴社が貴社の改善の手伝いをするための適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・アメリカ市場に販売された医薬品のデータのレビュ結果を含む、データの記録と報告の不正確性の範囲
の包括的な調査
貴社のデータ・インテグリティの欠落の範囲と根本原因を詳細に説明せよ。
・貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に
引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
・グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
詳細な是正処置の計画には、貴社が微生物及び分析のデータ、製造記録、FDAに提出される全ての
データを含む貴社によって生成される全てのデータの信頼性と完結性を、貴社がいかに保証するつもり
かを述べるべきである。
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製品に関連した製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社
には、これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2020年1月15日、貴社に輸入警告措置66-40と55-03をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
今回も、入荷時・出荷前の試験の不備、品質管理部門の不備、製造記録の不備など、なかなかの指摘
内容が挙がっていました。
新型コロナウイルスのパンデミックにより供給者の管理が難しい状況下でこのような内容を見ると不安
になります。
新型コロナウイルスの一刻も早い終息を願うばかりです。
☆次回は、6/15(月)に配信させていただきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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