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2018.01.15
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<138号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
さて今回は、最近FDA(米国食品医薬品局)
FDAがGMP上のどのような点について指摘をしているのかを確
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最近のウォーニングレターの概要
注:
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■WL:320-18-12 ドイツの製薬会社のインドの製造所の査察(2017/5/15~
原薬製造における重大なCGMP違反に関する2017/12/
あげられています。
1.OOS(out-of-specification)
貴社のOOSの調査に関する我々のレビュで、貴社は、
無効にする科学的正当性に欠けていたことを発見した。例えば:
a.物質試験の最初のOOSの結果に関し、調査報告OOS/
上げ、サンプルの溶液を分解したかもしれないと結論づけた。
しかし貴社の調査は、
貴社の調査は結論に達していなかったが、
な製品品質につながるOOSを引き起こす可能性のある原因の調査
b.調査報告OOS 50989は不特定の不純物に関するOOSの結果の調査において
原因は汚染であると結論づけた。しかし、仮設検証において、
った。貴社は、OOSの結果を無効にし(
6回の再試験の平均を報告した。貴社は、
起こす可能性のある原因を再考察するための調査を拡大することを
c.貴社のOOS調査手順036/-/QS/QAは、もし、
見つかったら、
ジャは、
ことを承認した。たとえば、
切ったが、
我々の査察官は、打ち切られた248の事例を記録した。
貴社のSOPは不適切である。もし、
手作業のエラーを特定することは可能だろう。そのような場合は、
を記録して、
ーがOOSの原因になっていると決めてかかって、
い結果を得ることは、突き止められる原因によるものではなく、
断する正当な理由にならない。自動分析は、
も、完了するまで続行することを許可されるべきである。
我々は、
ぐにラボの調査が開始されることを保証していないので、
よって引き合いに出された例のうちの約9件は、
が再注入されなかったことを認めた。バリデーションデータは、
温で安定することを示している。機械的なエラーが起きたのか、
めには、実際の在庫の速やかな再試験、操作、
する仮説に関する明確なエビデンスと信ぴょう性を提供するために
のタイムリーな調査が絶対に必要である。
貴社のOOSの手順は、
むことを確実にするのを怠っているので、
で、第一段階で調査を終えるのは不十分である。さらに、
認した場合は、
な結果が、
が第二の分析者によって確認されなかった場合でも、
推測されるべきではない。
原因の可能性について徹底的な調査が行われるべきである。
この文書への回答で、
・アメリカ市場向け製品で無効とされたOOS(
よ。科学的正当性とエビデンスが決定的であるかを評価せよ。
につき、是正処置・予防処置(CAPA)
対して脆弱である他のラボの手順を確実に特定せよ。ラボで、
が特定されていないOOSについて、製造の徹底的なレビュ(例:
性、原材料、工程の性能、逸脱の履歴、バッチの不具合)
て、潜在的な製造の根本原因を特定するCAPAの計画と、
・OOSの結果の調査に関し、システム全体の評価を提出せよ。
るためのCAPAを提出せよ。CAPAの要素には、
改善された品質保証部門の参加、
調査ステージの適切な開始を含めるべきである。
・
た原薬の品質への影響の可能性を判断せよ。
・改訂されたラボの調査手順を提出せよ。改訂された手順が、
に原因がみつからない時はいつでも、
保証するかを述べよ。また、
2.原材料、中間品及び原薬が、
の手順が科学的に合理的で適切であると保証することを怠った。
査察では、貴社の試験方法が確実でないことを記録した。例えば:
a.中間体のOOSの分析結果に関する調査報告OOS/
だったので、基準の準備サンプルの品質が低下したと結論づけた。
以前は必要とされる特異性が欠けていたため、
改訂された。貴社のCAPAは、
までは展開しなかった。
b.
結果の出る前に少なくとも6ヶ月間ラボで使用されていたのだが、
と分析の相互作用を起こしていたと結論づけた。
の使用を指定していなかった。貴社は、OOSの結果を受けて、
を変えた。我々は、
いる。
特定のバイアル(例:Waters)により、
方法を評価することを義務付けていないので、
貴社の回答は、査察で挙げられた特定の例についてのみ対応し、
い他の方法やラボの装置のレビュを含めていないので貴社の回答は
化されたラボの手順の不具合が是正されることを保証するための貴
組んでいない。
この文書への回答の中で、
性、ラボの装置の適切性、分析者の能力を評価せよ。
見つけ出し、
●製造所における逸脱の繰り返し
FDAは先のウォーニングレター(L:320-13-20)で、
これらの逸脱に関し、具体的な改善を提案した。
これらの繰り返される不備は、
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
ントを雇うことを強く勧める。
貴社の全ての製造所において、システムと工程と、
を保証するために、
不可欠である。
特に、コンサルタントは、
し、貴社の品質の見落としを修正する手助けをするべきである。
順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
CGMP順守を保証する責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/
■WL:320-18-13 韓国の製造所の査察(2017/5/25~2017/5/26)
CGMP違反に関する2017/12/
1.貴社は、全ての成分、容器、蓋、中間材料、包装材料、
包装、
部門と、品質管理部門に適用する手順を制定することを怠った。
貴社には適切な品質部門が欠けている。
貴社は、
察官に、
出荷判定をすると説明した。
社の品質部門は、
査察中、
例えば、貴社も貴社の契約製造業者も、
の医薬品を出荷した。その結果、貴社のいくつかの医薬品は、
しているという確認もなしに販売された。
この文書への回答の中で、
とも以下のことを含む文書化された手順を提出せよ
・バッチのレビュと出荷判定作業を定めた文書化された手順
・製造、加工、包装、
の供給者及び契約者の適格性、選択、
●契約製造業者の使用
OTC医薬品を含む全ての医薬品は、
薬品製造業者が、製造設備、試験ラボ、包装業者、
とを知っている。FDAは、
貴社は、契約設備との契約に関わらず、
一性、含量、品質、純度を確保するために医薬品が連邦食品・
とを保証する必要がある。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
ントを雇うことを強く勧める。
特に、コンサルタントは、
し、貴社の品質の見落としを修正する手助けをするべきである。
順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
CGMP順守を保証する責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/
■WL:320-18-17 カナダの製造所の査察(2017/7/10~2017/7/
CGMP違反に関する2017/12/
1.貴社は、無菌をうたう医薬品の微生物学的汚染を防ぐために、
を含む、適切な文書化された手順に従うことを怠った。
貴社は無菌をうたうホメオパシー医薬品Symbio Muc Eye Drops 5Xの無菌性を保証できる適切な製造作業
の実施を怠った。
貴社の工程は、汚染を再現性よく防ぎ、
貴社は回答の中で、
貴社は、アメリカに販売されたSymbio Muc Eye Drops 5Xが無菌性の要件を満たすエビデンスを提供して
いないので、貴社の回答は全く評価できない。貴社の回答は、
カに販売された無菌医薬品の全てのバッチのリスクアセスメントを
この文書への回答の中で、
・
工程に行っている改善に関する詳細
・全ての製品に関する精製水の使用を含む、
正処置計画
2.貴社は、全ての成分、容器、蓋、中間材料、包装材料、
したりする責任と権威を持った品質管理部門と、
貴社は無菌性ホメオパシー医薬品Symbio Muc Eye Drops 5Xを含む、貴社の設備で製造された最終製品の
品質の管理が欠けている。
貴社は、多くの機能に関する文書化された手順の制定を怠った。
定性の研究、入荷した原料の品質レビュ、
業に対応した手順がなかった。
さらに、貴社の品質管理部門には、
には以下の記録が欠けていた:
・年次製品レビュ
・指図が守られているかを評価し、
バッチの記録のレビュ
・貴社の製品の合否
査察中、我々の査察官は、貴社の製造責任者が、
品の出荷判定を実施していると判断した。
貴社は回答の中で、
と述べた。
貴社の回答は、それを裏付ける文書に欠けているので、不十分で、
適切な運転機能、システム、プログラム、
裏付けるための、文書、十分な詳細情報、
そのように管理もなしに製造され、かつ、
性に対処することを怠った。例えば、
販売された製品へのリスクや、
た。
この文書への回答の中で、
が実施してきた品質管理部門の責任と機能にあたる手順を含めよ。
また、
造において、
3.貴社は、
が純度、含量、
貴社は、貴社の医薬品の製造で、成分の使用を許可する前に、
た。例えば、貴社は、最終製品に使用される、少なくとも、
一性試験を怠った。
さらに、貴社は、各成分のロットが、使用前に、純度、含量、
定しなかった。
貴社は回答の中で、
ての原料の供給者の適格性を評価中であると回答した。しかし、
験を怠ったという重大な不具合に対処せず、
や安全性にいかに影響するかということに向き合わなかった。
この文書への回答の中で、
のリスクアセスメントを提出することを求める。それには、
品を含めよ。
4.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷判定前に、
に十分一致するというラボの判断の実施を怠った。また、
求められる医薬品の各バッチについて、
貴社は、試験をせずに最終製品を出荷した。例えば、
ベルに書かれた同一性と含量に従っているかどうかを判断するため
バッチが好ましくない微生物の総数や存在しないことに関する規格
物の特性を含む品質特性の試験をしなかった。
この文書への回答の中で、貴社が出荷判定をする前に、
めの是正処置の計画を述べよ。また、
試験の必須要件を述べた出荷判定試験の手順を含めよ。
さらに、使用期限内のアメリカに出荷された製品について、
生物学上の品質に関する保管サンプルの試験の実施について、
それらの試験が基準以下の品質を示した場合は、顧客への通知と、
処置を提出せよ。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
ントを雇うことを強く勧める。システムと工程と、
保証するために、
貴社のコンサルタントの使用は、
には、全ての不備を解決し、
●回収と製造中止
我々は、2017年9月に、無菌性保証の欠如により、
の回収に同意したと認識している。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/
■WL:320-18-18 メキシコの製造所の査察(2017/3/6~2017/3/9)
CGMP違反に関する2017/12/
1.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷判定前に、
に十分一致するというラボの判断の実施を怠った。
貴社は、
Bicaruvasの2バッチを出荷した。貴社の責任者は、
出来ず、
アメリカに出荷していた。
医薬品は、CGMPに従って製造されなければならない。
ラボ、包装業者、
者を製造業者の延長とみなしている。
貴社は、契約試験ラボとの契約に関わらず、
性、同一性、含量、品質、
いることを保証する必要がある。
2.貴社は、
間隔で供給者の試験結果をバリデーションして、
貴社は、
貴社は、全ての供給者の分析の信頼性を確認することや、
れた全ての規格に一致することを試験することも怠った。貴社は、
COAに頼った。いくつかの例では、貴社は、
3.貴社は、
の重要な段階の完了の文書等の製品の各バッチの製造及び管理の記
査察中、貴社の管理者は、ラベルの照合と同様、オペレータが、
チの記録において、生産量を“作り上げた”と述べた。
定めれられた計算がないので、
4.貴社は、貴社が製造した医薬品が、持つとうたわれた、
純度を持つことを保証するための製造及び工程管理の文書化された
貴社は、
適格性評価を実施せず、
タリングに関する継続したプログラムもなかった。
また、貴社には、
た。例えば、貴社が製造した各バッチのマスタの記録がなかった。
ルに5倍の炭酸カルシウムの量が記載されたBicaruvas のバッチEBU01,EBU02,EBU03を製造したことに
気づいた。管理者は、
したと述べた。
●不適切な回答
貴社の2017年3月29日のFDAの査察見解への回答は不適切
るための是正処置の十分なエビデンスが提出されなかった。
た:
・品質管理試験の方法と、出荷判定前に行う、
使用する規格。
・バッチの出荷判定プログラムに関する詳細な手順と、
・
証する評価結果。
もし、評価が、品質が基準以下であると示した場合は、
処置を提出せよ。
・貴社の各製品の工程の性能適格性評価の明確なタイムラインと、
リングの概要。
・定められたプロセスパラメータも添えたバッチの記録。
・供給者のCOAの正当性を評価するため、
各成分に関する貴社の現在の入荷原材料のバッチの合否規格を提出
・データの記録や報告が不正確な部分まで広げた包括的な調査。
データの省略、修正、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、
発見したデータインテグリティが損なわれている製造所の作業の全
不備の性質を評価せよ。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
ントを雇うことを強く勧める。システムと工程と、
を保証するために、
貴社のコンサルタントの使用は、
には、全ての不備を解決し、
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
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2018年1月1日にメキシコがPIC/Sに加盟したため、
加盟前ですが)全てPIC/
使用前/出荷前に、受入試験/
少々驚きました。
それはさておき、
委託先や供給者の管理は、決して他人事とはいえません。今一度、
しれません。
<情報>
2018年1月1日から、イラン、メキシコ、トルコがPIC/
☆次回は、2/1(木)に配信させていただきます。
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【発行責任者】
株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
2018.01.05
【医薬品の連続生産について】ASTROM通信<137号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
明けましておめでとうございます。
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年最初のメールマガジンは、
この「連続生産」については、
昨今非常に注目されてきていて、
2018年最初のテーマとしました。
最後までお読みいただければ幸いです。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1.連続生産とは
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連続生産(CM:Continuous Manufacturing)とは、
生産物を連続的に取り出す生産方法をさします。
連続生産と対局にあるのが、既存のバッチ製造(
原材料を、非連続的に工程に投入し、
連続生産は、石油化学や金属、鉄鋼、
新しい技術であり、
しかし、FDA(米国食品医薬品局)
である嚢胞性線維症治療薬Orkambi(ルマカフトール/
2016年4月にはJanssen Product社のHIV-1感染症治療薬Prezista(
への変更を承認しています。
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2.連続生産への期待
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FDAはなぜ連続生産を推奨するのでしょうか。
それは、連続生産に以下のことが期待されているためです。
・工程が連結されることにより、作業者が介入する機会が減る
→人的ミスを減らすことができる
製造時間を減らすことができる
・設備の省スペース化が実現できる
→小規模な施設で医薬品が製造できる
→製造所の変更や移動が容易になるため、
・PAT(Process Analytical Technology)
段階で防げる
→薬の不足の予防につながる
安定した高品質な医薬品製造が可能となる
リアルタイムリリース(
品質を評価・保証する)が可能となる
・少量多品種の製造に適している
→個別化医療に適用できる
・需要に応じた製造のスケールアップ、スケールダウンが可能
→製造・保管等のコスト軽減ができる
これらが実現できれば、患者さんのベッドサイドで、
できるのではないかという夢のような話もあります。
もしそうなれば、高齢化社会による医療費の上昇、
社会的問題を解決できるのではないでしょうか。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
3.日本の連続生産の現状
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国内の製薬会社でも連続生産の研究が進められていますが、
当面は、
先日(2017年12月19日)参加した静岡化学工学懇話会・
求められている化学工学”というセミナの中でも、
挙げられていました。
・立上げ時にロスが出るため、
・品質不良を早い段階で防げるとは言っても、
洗浄しないといけない
このような技術的な課題に加えて、
・今後ロット、バッチの定義をどうするか?
・それと絡んで安定性試験はどう行うべきか?
・連続生産を行う場合、洗浄のタイミング・頻度はどうするか?
・プロセスバリデーションは何をどの規模で行えばいいか?
薬事的課題ついては、PMDA(
グループ”を立ち上げて、検討を開始しているようです。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
4.来るべき連続生産時代への準備
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連結された工程を全て通過し出来上がったものをテストしてはじめ
連続生産への期待として挙げられている、品質不良の早期の防止、
これらを実現するためには、Quality by Design (QbD)によるアプローチが必要となってくると
考えられます。
<参考>
QbD(Quality by Design:クオリティ・バイ・デザイン):
事前の目標設定に始まり、
品質リスクマネジメントに基づく体系的な開発手法。”
QbDによるアプローチ:
①予め製品の目標品質を設定する
②科学的知見やリスクアセスメントに基づいて、
(工程パラメータと品質特性の範囲)を定める
③デザインスペース内で運用することで一定品質を維持していく
連続生産のメリットを出すためには、
製造中のものがデザインスペース内に収まっていることを確認しな
デザインスペースに入っていれば、
生産を続ければいいですが、
にも早急に生産をストップさせなければいけないのです。
つまり、
しかし、デザインスペースの設定は、簡単にはできません。
どんな工程パラメータや品質特性がどの範囲にあれば、
の蓄積が必要です。
データはあっても紙の記録しか残っていないとすると、
難しいと思われます。
今後は紙ではなく電子データを残すことを検討されるべきでしょう
となると、来るべき連続生産時代への準備として、設備・品質・
データを、
なります。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
5.IoTの活用
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
IoT(Internet of Things)と聞いて、
実際、IoTという言葉を聞く機会が昨今非常に多いと思います。
IoTは、「モノのインターネット」と言われ、様々なモノ(物)
ことにより相互に制御する仕組みと言われています。
製薬会社様がIoTを活用する場面というと、
・倉庫内の温度のモニタリングと、異常発生時の通報や制御
・工程内の温度、湿度等のモニタリングと制御
・設備の稼働状況の確認
・設備データのモニタリングによる、設備の故障の予測
・特定エリアのへの人の立ち入りの検知
・現品やパレットにつけた電子タグの読取による物の移動の検知
しかし、IoTは、こういったモノの監視・制御だけではなく、
蓄積にも有効なのです。
モノから直接送られてきた電子データは、
あるため、
また、データは、年次照査や安定性の検討にも利用できるので、“
と思われる製薬会社様も、まずは、
参考資料
https://www.fda.gov/downloads/
https://www.pmda.go.jp/files/
薬食審査発第0628第1号 「製剤開発に関するガイドラインの改定について」(
https://ja.wikipedia.org/wiki/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
連続生産、いかがでしたでしょうか。
技術的に本当に実現できるのだろうか?
また、
と思います。連続生産によって製造・
今の生産方法から連続生産に切り替える検討ができるのは、
されることになるでしょう。
いろいろ考えるべきことは多いのですが、
一つの解決策になりうる興味深い話題でもあります。
今年のASTROM通信は、規制動向に加え、
ので、今後とも是非よろしくお願いいたします。
☆次回は、1/15(月)に配信させていただきます。
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