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2017.02.15

【改訂版発出!PIC/S GMPガイドラインPart1】ASTROM通信<116号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

立春を過ぎてもまだ厳しい寒さが続いていますが、いかがお過ごしですか?

さて、2016年12月22日に、PIC/S GMPガイドラインPart1の1章、2章、6章、7章の改訂版が
発出されました。
ご存知の通り、日本は2014年にPIC/Sに加盟し、PIC/S GMPガイドラインを活用しています。
PIC/S GMPガイドラインが改訂されると、これまでのところ、少し時間をおいて
厚労省より事務連絡で改訂版が周知されてきましたので、今回の改訂も数か月先には
事務連絡にて周知されると思われます。
そこで今回は事務連絡が出る前に、改訂版の内容を把握しておきたいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

■出典
 PIC/S GMPガイドライン
  https://www.picscheme.org/en/publications?tri=gmp


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1章  PHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEMS(医薬品の品質システム)
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タイトルが変更になり、QUALITY MANAGEMNT(品質管理)が
PHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEMS(医薬品の品質システム)に変わりました。
また、中味の変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新1.1章は旧1.1章の一部
・新1.2章~1.3章は新規
・新1.4章は旧1.1章に項目追加
・新1.5章~1.7章は新規
・新1.8章は旧1.2章、新1.9章は旧1.3章、新1.10章~1.11章は旧1.4章、新1.12章は旧1.5章、
 新1.13章は旧1.6章とほぼ同じ
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新1.2章~1.7章をみていきたいと思います。
1.2章 GMPは治験薬から、技術移転、商業生産、製造中止までのライルサイクルのステージに
    適用される。しかし、医薬品の品質システムは、任意ではあるが、ICH Q10に述べられ
    たように医薬品の開発ライフサイクルにも拡張できるものであり、イノベーションや
       継続的改善を促進し、医薬品の開発と製造活動のつながりを強めるべきである。
1.3章 新しい医薬品の品質システムを開発する時、会社の活動の大きさや複雑さは考慮される
       べきである。システムの設計は適切なツールの使用も含み、適切なリスクマネジメント
       の原則を組み込むべきである。システムのいくつかの面は、全社的であったり、製造所
       固有であったりするが、システムの効果は通常は製造所レベルで示される。
1.4章 医薬品の製造に対し適切な医薬品の品質システムは以下を保証すること。
(i)製品実現は、設計、計画、実装、維持、システムの継続的改善により達成され、適切な品質
   特性を持った製品の一貫した配送を可能にすること
(ii)製品と工程の知識は、全てのライフサイクルを通じて管理されること
(iii)医薬品はGMPの要件を考慮に入れた方法で設計され、開発されること
(iv)生産及び管理作業は明確に規定されたGMPが適用されること
(v)経営陣の責任が明確に規定されること
(vi)適正な出発原料及び包材の製造、供給及び使用、供給者の選択とモニタリング、各配送が
    承認されたサプライ・チェインからであると証明することに対する手はずが取られている
    こと
(vii)システムのプロセスが、外部委託された活動を確実にするために整っていること
(viii)プロセス性能と製品品質に関する効果的なモニタリング及び管理のシステムを開発し
      使用することにより、管理状態が達成され、維持されること
(ix)製品と工程のモニタリング結果は、バッチの出荷判定時、逸脱の調査、将来起こり得る
    潜在的な逸脱を防ぐための予防処置をとる目的で考慮されること
(x)中間製品、他のいかなる工程管理及びバリデーションに関し、全ての必要な管理が実施され
  ていること
(xi)工程と製品の知識の現在のレベルにあった品質改善の実施を通じて、継続的な改善が容易に
  なること
(xii)規制関連の通知や必要とされる承認を考慮したシステムの実装に先立ち、予定された変更
     の予測的評価やそれらの承認の準備が整っていること
(xiii)いかなる変更後も、品質目標が達成され、製品品質に予期しない有害な影響がないこと
   を確認するための評価が行われること
(xiv)逸脱、欠陥が疑われる製品、その他の問題の調査に適切なレベルの根本原因の分析が、
     適用されるべきである。
   これは、品質リスクマネジメントの原則を使って判断できる。問題の真の根本原因が
     判断できない場合、もっとも根本原因である可能性が高いものの特定やその対処のため
     検討がされるべきである。原因として人為的ミスが疑われるか特定された場合、手順または
     システムに基づくエラー、見落とされていた問題を確実にするために、注意してこれが原因
     であると証明されるべきである。適切な是正処置及び/または予防処置(CAPAs)が特定
     され、調査に対する対応として取り入れられなければならない。それらの活動の効果は品質
   リスクマネジメントの原則に従ってモニタされ評価されなければならない。
(xv)各生産バッチが販売承認要件及び生産、管理及び出荷管理に関連する他のいかなる規則に
  も従い製造され管理されたことをオーソライズドパーソンが保証する前に、医薬品は販売
    または供給されないこと
(xvi)医薬品がその有効期間中、品質を維持できるよう保管、配送され、その後も取り扱われる
   ことを出来る限り保守する十分な手筈が存在すること
(xvii)品質保証システムの実効性及び適用可能性を定期的に評価する自己点検及び/または
      品質監査の手順があること
1.5章 経営上層部は、効果的な医薬品の品質システムが整っていて、適切に提供され、
       その役割、責任及び権限が定義され、組織を通して伝えられ、実行されていることを
       確実にする最終的な責任を負う。経営上層部のリーダーシップと、医薬品の品質管理
       システムへの積極的な参加は不可欠である。このリーダーシップは、医薬品の品質
       システムの組織内の全てのレベル、全ての製造所のスタッフのサポートと関与を保証
       しなければならない。
1.6章 製品、工程、システム自身の継続的な改善のための機会を判断するために、経営上層部、
       医薬品の品質システムの業務が関与した定期的なマネジメントレビュがあるべきである。
1.7章 医薬品の品質システムは明確に定義され文書化されていなければならない。
       品質マニュアルまたはそれと同等の文書が制定され、経営者の責任を含む品質マネジ
       メントシステムの記述を含んでいなければならない。


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2章  PERSONNEL(人員)
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変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新2.1章は旧2.1章に内容追加
・新2.2章~2.3章は旧2.2章とほぼ一致
・新2.4章は新規
・新2.5章は、旧2.3章の内容を含んでいるが、かなり変更(旧2.4章はもともと欠番)
・新2.6章は新規
・新2.7章は旧2.5章
・新2.8章は旧2.6章(但し、旧2.6章iiのバッチ製造記録の評価は削除)
・新2.9章は旧2.7章(但し、旧の“契約製造者の承認及びモニタリング”という項目が、
vii契約製造者及びGMP関連の外部委託作業のプロバイダの承認及びモニタリング”となり、
xii、xiiiが追加になりました)
・新2.10章~2.22章は旧2.8章~旧2.20章(但し、新2.14章は、“品質保証”が、“医薬品の
  品質システム”という文言に変わりました)
・新2.23章は新規
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新2.1章~2.6章、新2.9章のxii、xiii、新2.23章
をみていきたいと思います。
2.1章 製造業者は、必要な適格性確認がされ、実務経験を持った適切な数の人員を有すること。
       経営上層部は医薬品の品質システムを実装し維持するために適正で適切な資源(人、
       財務、原材料、設備及び装置)を判断し、提供しなければならない。品質に対する
       いかなるリスクの存在についても、一人の個人に置かれた責任は大きすぎるべきでは
       ない。
2.2章 製造業者は、製造部門の長と品質管理部門の長と2.5章の適用される品質保証または品質
       部門の長の関係を示した組織図を有しなければならない。またオーソライズドパーソン
       の地位は管理上の階層において明確に示されなければならない。
2.3章 責務を有する立場にある者は、職務記述書に記録された特定の責務を有し、自らの責務
       を遂行するための適切な権限を有しなければならない。彼らの責務は十分な水準の
       適格性を有する指定された代理者に委任してもいい。GMPの適用に関係している人員の
       責務には欠落又は説明不可能な重複があってはならない。
2.4章 経営上層部は、品質目標を達成し、その役割、責任及び権限が定義され、組織を通して
       伝えられ、実行されている効果的な医薬品の品質システムが整っていることを確実に
       する最終的な責任を負う。経営上層部は、品質と関連した会社の全体的な意図と方向を
       示した品質方針を制定し、マネジメントレビュへの参加を通じて、医薬品の品質システム
       への適合性と有効性及びGMP順守を続けることを確実にするべきである。
2.5章 経営上層部は、製造部門の長、品質管理部門の長、もし、少なくともこれらの一方の者
    が出荷可否判定の責任を負わない場合は、当該目的のためオーソライズドパーソンを含む
       主要責任者を任命しなければならない。通常、主要職位は常勤の人員がそれにあたらな
       ければならない。製造部門及び品質管理部門の長は各々独立していなければならない
       大組織においては、2.7章、2.8章及び2.9章にあげた機能のいくつかは移譲する必要も
       あるだろう。さらに、会社の大きさと組織的な構造により、独立した品質保証部門の長
       または品質部門の長が任命されるかもしれない。そのような移譲機能が存在するところ
       では、たいてい、2.7章、2.8章及び2.9章に述べられた責任のいくつかは、品質管理部門
       の長と、製造部門の長で共有されているので、経営上層部は、その役割、責任、権限が
       定義されているか注意しなければならない。
2.6章 オーソライズドパーソンの職務は国家的な要件の中に記載されていて、次の通り要約
    できる:
a)オーソライズドパーソンは、医薬品の各バッチが、その国で効力を持つ法と販売承認書の
 要件に従って製造されチェックされたことを確実にしなければならない。
b)オーソライズドパーソンは、国の法令の適格性要件を満たさなければならない。彼らは、
  彼らの責任を遂行するために、恒久的かつ継続的に、製造承認保有者でいるものとする。
c)オーソライズドパーソンの責任は委任できるが、他のオーソライズドパーソンに対してのみ
 である。
2.9章 製造部門の長、品質管理部門の長、関連する品質保証部門の長または品質部門の長が、
       一般に共有のあるいは協力して実行する、医薬品の品質システムの設計、効果的実行、
       モニタリング、維持を含む品質に関する責務を有する。これらは、国の法律の影響を
       うけるものも含むかもしれない。
       ★以下に、上記の長が実施するべきこととして今回追加された項目のみ記載します★
(xii)プロセスのパフォーマンス、製品品質、医薬品の品質システムのマネジメントレビュへ
     の参加と、継続的改善の提唱
(xiii)品質問題を適切な経営のレベルに引き上げるための、タイムリーで効果的なコミュニケ
      ーションと上申プロセスが存在することを保証すること
2.23章 コンサルタントは、雇われているテーマのアドバイスをするために、適切な教育、
        訓練、体験またはそれらの組み合わせを行うべきである。
    これらのコンサルタントの名前、住所、適格性、コンサルタントにより提供される
        サービスのタイプについての記録が保持されなければならない。


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6章  QUALITY CONTROL(品質管理)
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変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新6.1章~6.4章は旧6.1章~6.4章
・新6.5章は旧6.5章に内容追加
・新6.6章は旧6.6章(但し、旧の”外部の試験室“は、”外部委託作業“に変わりました)
・新6.7章は旧6.7章
・新6.8章は旧6.8章(但し、旧の”バッチの有効期限後1年間品質管理の文書記録を保管する
という記 述は、4章を参照とすることになりました)
・新6.9章は旧6.9章の内容を含んでいますが、追加あり
・新6.10章~6.11章は旧6.10章~6.11章
・新6.12章~6.13章は旧6.12章~6.13章の内容を含んでいますが、変更あり
・新6.14章は、旧6.14章の内容を削除し、Annex19 を参照することになりました
・新6.15章は旧6.15章の内容を含んでいますが、かなり変更
・新6.16章~6.19章は旧6.16章~6.19章(但し、新6.17章(ix)使用された装置の言及が追加
 され、新6.19章は記述追加あり)
・新6.20章は新規
・新6.21章~6.22章は、旧6.20章~6.21章
・新6.23章~6.24章は新規
・新6.25章~6.36章は旧6.22章~6.33章
・新6.37章~6.41章 “テスト方法の技術移転”は新規
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新6.5章、新6.9章、新6.12章~6.13章、新6.15章、
新6.19章~6.20章、新6.23章~6.24章、新6.37章~6.41章をみていきたいと思います。
6.5章 管理試験室の構造設備は第3章に規定された品質管理区域に対する一般的及び特定の要件
       に適合しなければならない。試験装置は、偶発的な交差汚染を防ぐために、ハイリスクの
       エリア間を日常的に移動されるべきではない。特に、微生物学的試験室は、交差汚染の
       リスクを最小化するために配置されなければならない。
6.9章 ある種のデータ(例えば、試験の結果、収率、環境管理)については、傾向の評価を可能
       にする方法で記録されるべきである。傾向外または規格外のデータは、対処され、調査の
       対象とされるべきである。
6.12章 サンプルは、それらが採取された原料または製品のバッチを代表するものであること。
        その他に工程で最もストレスのかかる部分(例えば工程の始めまたは終わり)をモニタ
        するためのサンプルを採取してもよい。使用されるサンプリング計画は、適切に正当で
        あると証明され、リスクマネジメントアプローチに基づいていなければならない。
6.13章 サンプル容器には、バッチナンバー、サンプリング日及びサンプルが採取された容器と
        ともに内容物についての情報を表示したラベルを貼付すること。それらは、取り違えの
        リスクを最小化し、悪い保管条件からサンプルを守るための方法で管理されなければ
        ならない。
6.15章 テスト方法のバリデーションを実施しなければならない。バリデーションを実施して
        いないテスト方法を使っている試験室は、テスト方法の妥当性を確認するべきである。
        販売承認書または技術書類に記載された全てのテスト作業は、承認された方法により
        実施されるべきである。
6.19章 試験室の試薬、測定液、ガラス器具、標準品及び培地の品質には特別な注意が払われる
        こと。それらは文書化された手順に従い準備されること。その管理のレベルは、その
        使用や利用される安定性データにふさわしいものでなければならない。
6.20章 参照する基準は、意図した使用のために適切に設定されるべきである。それらの適格性
        評価と証明は、明確に述べられ、文書化されるべきである。正式に認められた情報源
        からの簡潔な参照の基準が存在する時、完全に正当性が証明されていない限り、これら
        はなるべく主要な参照基準として用いられるべきである。(一度、主要な基準への
        トレーサビリティが証明され、文書化されたら、第二の基準の使用は許される)
        これらの簡潔な資料は、国の所轄官庁により違った形で許可されていない限り、
        研究論文の中で述べられた目的のために使われるべきである。
6.23章 培地は、科学的に正当化されない限り、培地製造業者の要件に従って準備されるべき
        である。培地の能力は、使用に先がけて確認されるべきである。
6.24章  使用された生体媒質と株は、標準的な手順で浄化され、交差汚染と残留物の残留を防ぐ
        ための方法で処理されなければならない。使用中の培地の使用期限が制定され、文書化
        され、科学的に正当性が示されなければならない。
6.37章 テスト方法を技術移転する前に、移転する製造所は、テスト方法が、販売承認書または
        関連する技術文書に述べられた通りであることを検証するべきである。テスト方法の
        バリデーションは、現ICH/VICH(動物用ICH)の要件に従っていることを確実にするため
        にレビュされなければならない。技術移転作業の開始前に、ギャップ分析が実施され、
        実施すべき補足バリデーションを確認するために文書化されるべきである。
6.38章 1つの研究所(技術移転する研究所)からの別の研究所(移転を受ける研究所)への
        テスト方法の移転は、詳細な手順の中で述べられるべきである。
6.39章 移転の手順は、次のパラメータを含むべきである。但し、これに限定されるべきでは
    ない。
(i)実施されたテストと、移転中に実施する関連したテスト方法の確認
(ii)追加の訓練の要件の確認
(iii)基準とテストされるサンプルの確認
(iv)テスト品の特別な移送と保管条件の確認
(v)メソドロジーの現在のバリデーション研究と、ICH/VICHの要件に基づく合格基準
6.40章 手順からの逸脱は、技術移転作業の終結の前に調査されるべきである。技術移転の
    報告では、作業の比較結果を文書化すべきであり、また、更なるテスト方法の
    再バリデーションが求められるエリアの確認をすべきである。
6.41章 他のガイドラインにおい適切で特別な要件が述べられている場合(例:近赤外分光法)
    は、特定のテスト方法の移転に関して対応すべきである。


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7章  OUTSOURCES ACTIVITIES(外部委託作業)
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タイトルが変更になり、CONTRACT MANUFACTURE AND ANALYSIS(委託製造及び分析)が
OUTSOURCES ACTIVITIES(外部委託作業)に変わりました。
また、中味の変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新7.1章~7.2章は旧7.1章~7.2章
・新7.3章は新規
・新7.4章のうち、旧7.3章~7.5章の内容を含んでいますが、変更あり
・新7.5章~7.8章は、旧7.5章~7.8章とほぼ同じ
・新7.9章~7.10章は、旧7.9章と旧7.15章を一部含んでいますが、変更あり
・新7.11章は旧7.10章、新7.12章~7.14章は旧7.12章~7.14章の内容を含んでいますが、
 変更あり    (契約書に関する記述の書かれた旧7.11章は削除)
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新7.3~7.4章、新7.9章~7.14章をみていきたい
と思います。
7.3章 販売承認所有者と製造業者が同じでない場合、この章で述べられた原則を考慮し適切な
     調整がされるべきである。
7.4章 委託者の医薬品の品質システムには、外部委託作業の管理とレビュを含むべきである。
       委託者は外部委託作業の管理を確実にするための手続きが整っていることを確実にする
       ための最終責任を負う。これらの手続きは、品質リスクマネジメントの原則を具現化し、
       特に以下のことを含むべきである。
 7.4.1章 外部委託作業の前に、委託者は合法性、適合性、受託者の外部委託作業を適切に
      実施する能力の評価を行う責任がある。また、委託者は契約によりGMPの原則、
           及び本書で示されているGMPガイドラインが遵守されることに対して責任を負う。
 7.4.2章 委託者は、施行されている法律、製品の販売承認に従い、委託作業を適正に実施
           するために必要な全ての情報と知識を受託者に提供しなければならない。委託者は、
           委託製品または作業に関連する問題が受託者の建物、装置、人員、他の原材料又は
           他の製品に危険をもたらす可能性について、受託者が完全に認識していることを
           保証しなければならない。
 7.4.3章 委託者は、受託者の能力をモニタしレビュし、必要な改善の特定と実施をしなけれ
           ばならない。
7.9章 受託者は、委託者の外部委託作業の品質に悪影響を及ぼす可能性のある、契約条件外の、
       許可されていない変更を行うべきではない。
7.10章 受託者は、委託試験を含む外部委託作業を理解し、所轄当局の査察対象になりうること
        を理解しておかなければならない。
7.11章 外部委託作業に関わる委託者及び受託者それぞれの責任とコミュニケーション手順を
        特定する契約書が両者の間で起案されること。契約書の技術的側面は、関連する
        外部委託作業とGMPに関する適切な知識を有する適任者により起案されること。
        外部委託作業に関する全ての取り決めは、施行されている法律と製品に関する販売承認
        に一致し、また両当事者が同意すること。
7.12章 契約書は、例えば、知識管理、技術移転、サプライ・チェイン、外注、品質、原材料の
        購買、原材料のテストと合格判定、製造の請負と品質管理(工程内管理、サンプリング
        と分析を含む)等の外部委託作業の各ステップの実施に関し、契約のどちらの当事者が
        責任を負うかを明確に記述すべきである。
7.13章 例えば、製造、分析及び配送記録、並びに参考品サンプル等の外部委託作業に関する
        全ての記録は、委託者により保管されるか、または委託者が利用可能であること。
        苦情または製品欠陥が疑われる場合または偽造が疑われる場合に製品の品質を評価する
        うえで必要ないかなる記録も、アクセス可能で、委託者の関連手する手順に規定されな
        ければならない。
7.14章 契約は、契約が受託者または委託者・受託者が相互に合意した下請により行われる
        外部委託作業の査察を許容するものでなければならない。


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まとめ
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今回の改訂は、旧版から大幅に変更されている箇所は少ないのですが、変更のポイントとして
以下のことがいえると思います。
・ICHの考え方の反映
 ライフサイクルを通じた管理、リスクマネジメント、経営上層部の責任(マネジメントレビュ
  への関与)
・コンサルタントの活用に関する記述の追加
・技術移転に関する記述の追加
・外部委託を製造・分析に限定せず、“外部委託作業”に拡大
経営上層部の責任、マネジメントレビュへの関与については、国内のGMP省令改正に向けた議論
にも上っているため、確認しておく必要があると思われます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、3/1(水)に配信させていただきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2017.02.01

【EMA発出/曝露限度設定ガイドラインQ&A集ドラフト他】ASTROM通信<115号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

厳しい寒さの中でも梅の花がちらほら咲き始め、春が待ち遠しいこの頃ですが、
いかがお過ごしですか?

さて、今回は下記3点を取り上げたいと思います。
1)日本国内で「ハーボニー配合錠」の偽造薬が発覚したこと
2)2016年12月15日にEMAより発出された「共有設備での異なる医薬品の製造における
  リスク識別の ための衛生に基づく曝露限度設定ガイドライン」に関するQ&A集”の
  ドラフトについて
3)PIC/S GMPの一部改訂について

最後までお付き合いいただければ幸いです。


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1)「ハーボニー配合錠」の偽造薬が発覚したこと
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ご存じの方も多いと思いますが、C型肝炎治療薬の「ハーボニー配合錠」の偽造薬が奈良
県内の薬局チェーンで調剤され、患者に渡るという事件が発生しました。薬局チェーンは、
製造販売元のギリアド・サイエンシズ指定の医薬品卸を通した正規ルートとは異なるルート
から仕入れたそうです。
その後の東京都の立ち入り調査で、都内の2カ所の卸売販売業者から新たに偽造品ボトルが
見つかったそうです。
今回見つかった偽造品は正規のボトルに入っていたものの、本来流通することがないボトル
容器単体の状態で流通し、外箱や添付文書がなかったそうです。
にもかかわらず、途中で止まることなく患者に渡ってしまったというのは衝撃的な話です。

海外では偽造医薬品の流通が大きな問題になっていますが、これまで日本では
製造販売業者->医薬品卸->医療機関・調剤薬局->患者のサプライチェーンが厳格に
管理され、偽造医薬品の流通が非常に少ない状況でした。しかし、ついに日本でも偽造医薬品
が流通する時代に突入したのかもしれません。

■出典
医薬品の適正な流通の確保について(厚労省)
 http://www.pmda.go.jp/files/000215920.pdf
C 型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品への対応について(厚労省)
 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000149658.pdf
薬事日報
 2017年1月20日号、1月23日号


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2)製造におけるリスクベースの交差汚染防止の実現と、「共有設備での異なる医薬品の製造に
  おけるリスク識別のための衛生に基づく曝露限度設定ガイドライン」に関するQ&A集ドラフト
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2016年12月15日にEMA(European Medicines Agency:欧州医薬品庁)より、14項目からなるQ&A集の
ドラフトが発出されました。長い名前ですが、“製造におけるリスクベースの交差汚染防止の実現と、
共有設備での異なる医薬品の製造におけるリスク識別のための衛生に基づく曝露限度設定ガイド
ライン」に関するQ&A集”(Questions and answers on implementation of risk based prevention
of cross contamination in production and ‘Guideline on setting health based exposure
limits for use in risk identification in the manufacture of different medicinal products
in shared facilities(EMA/CHMP/CVMP/SWP/169430/2012))というものです。
本ドラフトは、2017年1月から公の協議を開始し、2017年4月30日までコメントを募集されるそう
です。

EUが医薬品製造業者に対して発行するノンコンプライアンスレポート(Non-Compliance Report)
には、交差汚染に関する不備の指摘が多いことから、今回はまだドラフト版ではありますが、
EUの交差汚染に対する考え方を知る意味で、このQ&A集を見ておきたいと思います。

<Q&A集ドラフト>
Q1:企業は、全ての製品についてHBELs(Health Based Exposure Limits: 衛生に基づく
   曝露限度)を制定しないといけないのか?
A1:はい、HBELsは、全ての製品について制定すべきである。非常に危険な製品のHBELsは、
   EMAガイドライン(EMA/CHMP/CVMP/SWP/169430/2012)の通りに、またはそれと同等に、
   完成されていることが期待される。非常に危険とみなされる製品/有効成分に関しては
   Q2を見よ。非常に危険なカテゴリには入らない製品は、Q4に書かれている。

Q2:どの製品/有効成分が非常に危険とみなされるか?
A2:非常に危険な製品は、低用量で重大な副作用を起こす可能性があり、安全なHBELを
   得るために、十分な毒物学的評価が有効である。
   非常に危険な製品は、固有の毒物学的・薬学的な特性に基づいて識別され、以下の
   グループがある。
   (このリストは、包括的なリストではなく、もし他の作用により低用量で副作用を
   起こすことを示すエビデンスがあるならば、その製品は非常に危険とみなされるべき
   である。)
   製造業者は、下記のガイダンスに対する安全評価を経て、製品/有効成分が非常に
   危険かどうかを検討するべきである。製品または有効成分が下記のいずれかのカテゴリ
   に入ることを示すエビデンスがあれば、製品が非常に危険であるとする結果にすべきで
   ある。もし確信が持てない時は、製造業者はその製品が潜在的に非常に危険であると
   みなし、安全なHBELを得るためにEMAガイドラインを完全に適用すべきである。
   1.人に対し発がん性があると知られている、または、高度に発がん性があると思わ
     れる遺伝毒性(特に突然変異誘発性)のある化合物
     このグループの化合物は、遺伝毒性が薬学と関連(例えば、DNAアルキル化細胞
     活動抑止剤)し、製品概要に警告文があり、その使用が、通常は腫瘍の症状に
     限定されているため、容易に識別可能である。
   2.低用量で生殖毒性または/及び発達上の影響を起こし得る化合物(例えば、
     臨床用量<10mg/日(獣医用の用量で0.2mg/kg/日相当)または動物実験における
     用量 <=1mg/kg/日でそれらの影響を起こすエビデンスがあるもの)
   3.低用量で標的器官に重大な毒性またはその他の重大な副作用を生み出し得る
     化合物(例えば、臨床用量<10mg/日(獣医用の用量で0.2mg/kg/日相当)または
     動物実験における用量 <=1mg/kg/日でそれらの影響を起こすエビデンスがある
     もの)
   4.高い薬学的効能を持つ化合物 すなわち、推奨1日用量<1mg(獣医用の用量で
     0.02mg/kg相当)
   5.高い感作性の可能性を持つ化合物

Q3.非常に危険かどうかを判断するための製品評価の裏付けのために、
   OELs (Occupational Exposure Limits:職業曝露限度)や
   OBLs (Occupational Exposure Bands:職業曝露帯域)を使用することができるか?
A3:はい。OELまたはOEB(帯域の下限)の仮許可された一日曝露量への外挿は、次の式を
   使うことによってシンプルになりうる。
    PDE(μg/日)=OEL(μg/m3)×10m3(8時間に作業者により吸われる空気容量)
   目標母集団の潜在的な違い(作業者対患者)、曝露の経路等により、追加の調整係数が
   必要になるかもしれない。もし、結果のPDE値が10μg/日またはそれより低い場合、
   その製品は非常に危険であるとみなされるべきである。

Q4:HBELの計算は臨床データのみに基づくことができるか?(例:最小治療用量の1/1000
   においてHBELを制定する)
A4:臨床の安全性プロフィールの基礎がしっかりし、非常に危険なカテゴリ(Q2の
   回答参照)に属さない多くの既存の市販品や新製品には、有益な治療上の指標が
   ある。治療用量を超えた時点で、好ましくない、または健康への悪影響が起こるかも
   しれない。その結果として、薬理活性がもっともよく反応する/重篤な影響になりうる。
   この場合は、治療用量の情報は、HBEL(例:PDE)の計算の開始点として用いることが
   できる。これらの状況下で、最小治療用量の1/1000のアプローチに基づくHBELは、
   十分に保守的で、リスクアセスメントや洗浄目標に利用できうる。

Q5:衛生に基づく限界を決定するためにLD50(Lethal dose 50%:半数致死量)を使用する
   ことは許容されるか?
A5:いいえ。LD50は、HBELを決定するための開始点として適切でない。

Q6:洗浄目標に関する基準はどのように制定できるか?
A6:EMAガイドラインは、洗浄基準を正当化するために用いられるかもしれないが、
   算出したHBELで洗浄基準を設定するために使用されることを意図していない。
   洗浄基準は、洗浄工程の不確実性や分析の変動性を説明するのに役立てるために
   リスクアセスメントと追加の安全裕度に基づき続けるべきである。最小治療用量の
   1/1000や、他製品における1製品が10ppmというような産業界で使用され伝統的な
   洗浄基準は、非常に危険ではない製品に関する洗浄目標を達成しうる。
   非常に危険と分類された製品に関し、徹底的なリスクアセスメントにより共有設備内
   での製造が問題ないことを証明できている場合、洗浄基準はHBELを超える安全ファクタ
   を含めるべきであり、伝統的な洗浄基準のアプローチより高くなるべきではない。

Q7:ヒトまたは動物用のカテゴリの異なる医薬品を作る共通の設備内で、外部寄生虫
   撲滅薬を製造もしくは一次包装できるか?
A7:もしHBELデータが、共有設備内での製造を支持できないなら、外部寄生虫撲滅薬
   は専用設備で製造されるべきである。

Q8:同じ設備内で異なる種のための動物用医薬品を製造する時、何が考慮される必要が
   あるか?
A8:HBEL設定ガイドラインは、適用される限界は、一般に、人のPDEを使って導きだせる
   はずであるとしている。しかし、特定の種(例:馬のモネンシン中毒)の既知の
   過敏性と関連する特定の懸念がある場合は、特定の動物の毒性の知識を考慮した
   HBELアプローチが使わるべきである。非常に危険ではない製品については、Q6の
   回答も適用できる。

Q9:査察官は、HBELを開発する毒物学の専門家の能力をどう判断するか?
A9:査察官は、専門家の経験と適格性の正当性をレビュすることにより、専門家の能力
   に関する企業の評価を判断すべきである。

Q10:限定したデータしか利用できない初期段階の治験薬には、HBELモデルはどのよう
    に適用されるか?
A10:HBELは全ての利用可能なデータに基づいて設定されるべきであり、治験薬に関する
    評価自体は、手続きに従って、新しいデータが存在するかどうかをレビュされる
    べきである。毒物学の専門家は、きわめて重要な毒物学的試験が完了していない
    状態で、重大な効能を示すために、原料の将来の可能性について判断しなければ
    いけない。(例:これは、利用可能な他の類似分子との比較に基づいて行うかも
    しれない)これは、組織的・技術的な管理手段が必要とされるレベルにおいて、
    製造業者が最悪のケースを想定し妥当な判断をすることを可能にするだろう。

Q11:小児患者のための製品が、大人や動物に投与する製品との共有設備で製造される
    場合、HBELsの調整は必要か?
A11:そのような設備内では、HBELの計算に用いられる大人の50kgの標準体重は、より
    低い体重に置き換えられ(例:子供:20kg、新生児:3.5㎏、未熟児で生まれた
    新生児:0.5㎏)、最悪の場合を考慮するために、関連するすべての製品に関する
    HBELの決定に用いられるべきである。

Q12:GMP5章20項の要件を満たすために、HBELsはどのような役割を果たすか?
A12:衛生に基づく評価が終わり、HBELが確認されたら、これらのデータは、現在の
    組織的・技術的な管理手段が適切かどうかを評価するために、品質リスクマネ
    ジメントのプロセスを通じて使用されるべきである。製品/有効成分が危険で
    あればあるほど、内在するリスクは高くなり、重大な組織的・技術的な管理手段
    が必要とされる。衛生に基づく曝露限度は、受け入れることのできる交差汚染の
    安全レベルを提供し、洗浄基準の正当性を示すのに使われるべきである。

Q13:交差汚染のリスクを管理する手段として、非常に危険な製品を専用のエリアに
    単に分離することは好ましいか?
A13:製造業者は、患者の安全を脅かすリスクに対処するための方法として、単にリスク
    の低い製品からリスクの高い製品を分離することはできない。これは、危険の
    少ない製品を汚染から防ぐことはできるかもしれないが、より危険の高い製品同士
    の交差汚染の可能性には対処していない。同じ専用エリア内での個々の非常に危険
    な製品間の交差汚染に対処するためのアプローチは、同じ専用エリアで製造される
    製品のグループ内の個々の製品の臨床応用や毒物学上の分析結果を考慮して正当性
    が証明されるべきである。これは、適切な技術的・組織的管理手段の実施に含む
    べきである。

Q14:1.5μg/人/日の突然変異を引き起こす製品のガイドラインの中で、
    TTC(Threshold of Toxicological Concern:毒物学的懸念事項の閾値)の適用は、
    HBELを制定するための標準的なアプローチとして認められるか
A14:はい。高い感作性を持つ有効成分と製品をのぞき、認められる。

■出典
Q&A集ドラフト原文
 http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Other/2017/01/WC500219500.pdf


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3)PIC/S GMPの一部改訂について
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2016年12月22日PIC/S GMPガイドラインPart1の1章、2章、6章、7章の改訂版が発出され
ました。
用語については、EU GMPガイドラインの同じ章をベースに変更されています。
また、1章、2章、7章は、ICH Q10との整合性がはかられています。

主な変更点は下記の通りです。
1章 “QUALITY MANAGEMNT”(品質管理)のタイトルを“PHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEMS”
   に変更
2章 “PERSONNEL”(人員)に、”コンサルタント“の記述を追加
6章“QUALITY CONTROL”(品質管理)は、全体が改訂され、”テスト方法の技術移転“の記述
   を追加
7章“CONTRACT MANUFACTURE AND ANALYSIS”(委託製造及び分析)のタイトルを
  “OUTSOURCES ACTIVITIES”(外部委託作業)に変更、その範囲を拡大

詳しい内容は次回のメールマガジンで取り上げていきたいと思います。

■出典
 PIC/S GMPガイドライン
  https://www.picscheme.org/en/news?itemid=36
  https://www.picscheme.org/en/publications?tri=gmp


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まとめ
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1つ目の、日本国内で偽造薬が調剤薬局を経て患者さんの手にわたってしまったというニュース
は、日本の医薬品の流通体制に衝撃を与える内容だったと思います。
ただ、価格の高い薬が増えれば、偽造薬が出回るのはある意味当然のことと言えます。

私はこれまで、海外の規制の一部は偽造薬を想定した内容で、日本には厳しすぎるのではないか
と思っていましたが、今回のニュースで、わが国でも偽造薬が混入するリスクを想定し、早急に
国内GDPの整備と徹底が必要であると強く感じました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、2/15(水)に配信させていただきます。

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