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2017.02.15
【改訂版発出!PIC/S GMPガイドラインPart1】ASTROM通信<116号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
立春を過ぎてもまだ厳しい寒さが続いていますが、
さて、2016年12月22日に、PIC/S GMPガイドラインPart1の1章、2章、6章、
発出されました。
ご存知の通り、日本は2014年にPIC/Sに加盟し、PIC/
PIC/S GMPガイドラインが改訂されると、これまでのところ、
厚労省より事務連絡で改訂版が周知されてきましたので、
事務連絡にて周知されると思われます。
そこで今回は事務連絡が出る前に、
最後までお付き合いいただければ幸いです。
■出典
PIC/S GMPガイドライン
https://www.picscheme.org/en/
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1章 PHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEMS(医薬品の品質システム)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
タイトルが変更になり、QUALITY MANAGEMNT(品質管理)が
PHARMACEUTICAL QUALITY SYSTEMS(医薬品の品質システム)に変わりました。
また、中味の変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新1.1章は旧1.1章の一部
・新1.2章~1.3章は新規
・新1.4章は旧1.1章に項目追加
・新1.5章~1.7章は新規
・新1.8章は旧1.2章、新1.9章は旧1.3章、新1.
新1.13章は旧1.6章とほぼ同じ
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新1.2章~1.
1.2章 GMPは治験薬から、技術移転、商業生産、
適用される。しかし、医薬品の品質システムは、任意ではあるが、
たように医薬品の開発ライフサイクルにも拡張できるものであり、
継続的改善を促進し、
1.3章 新しい医薬品の品質システムを開発する時、
べきである。システムの設計は適切なツールの使用も含み、
の原則を組み込むべきである。システムのいくつかの面は、
固有であったりするが、
1.4章 医薬品の製造に対し適切な医薬品の品質システムは以下を保証する
(i)製品実現は、設計、計画、実装、維持、
特性を持った製品の一貫した配送を可能にすること
(ii)製品と工程の知識は、
(iii)医薬品はGMPの要件を考慮に入れた方法で設計され、
(iv)
(v)経営陣の責任が明確に規定されること
(vi)適正な出発原料及び包材の製造、供給及び使用、
承認されたサプライ・
こと
(vii)システムのプロセスが、
(viii)
使用することにより、管理状態が達成され、維持されること
(ix)製品と工程のモニタリング結果は、バッチの出荷判定時、
潜在的な逸脱を防ぐための予防処置をとる目的で考慮されること
(x)中間製品、
ていること
(xi)
なること
(xii)
の予測的評価やそれらの承認の準備が整っていること
(xiii)いかなる変更後も、品質目標が達成され、
を確認するための評価が行われること
(xiv)逸脱、欠陥が疑われる製品、
適用されるべきである。
これは、品質リスクマネジメントの原則を使って判断できる。
判断できない場合、
検討がされるべきである。
システムに基づくエラー、
であると証明されるべきである。適切な是正処置及び/
され、調査に対する対応として取り入れられなければならない。
リスクマネジメントの原則に従ってモニタされ評価されなければな
(xv)各生産バッチが販売承認要件及び生産、
も従い製造され管理されたことをオーソライズドパーソンが保証す
または供給されないこと
(xvi)医薬品がその有効期間中、品質を維持できるよう保管、
ことを出来る限り保守する十分な手筈が存在すること
(xvii)
品質監査の手順があること
1.5章 経営上層部は、効果的な医薬品の品質システムが整っていて、
その役割、責任及び権限が定義され、組織を通して伝えられ、
確実にする最終的な責任を負う。経営上層部のリーダーシップと、
システムへの積極的な参加は不可欠である。
システムの組織内の全てのレベル、
しなければならない。
1.6章 製品、工程、
医薬品の品質システムの業務が関与した定期的なマネジメントレビ
1.7章 医薬品の品質システムは明確に定義され文書化されていなければな
品質マニュアルまたはそれと同等の文書が制定され、
メントシステムの記述を含んでいなければならない。
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2章 PERSONNEL(人員)
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変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新2.1章は旧2.1章に内容追加
・新2.2章~2.3章は旧2.2章とほぼ一致
・新2.4章は新規
・新2.5章は、旧2.3章の内容を含んでいるが、かなり変更(
・新2.6章は新規
・新2.7章は旧2.5章
・新2.8章は旧2.6章(但し、旧2.
・新2.9章は旧2.7章(但し、旧の“
“
xii、xiiiが追加になりました)
・新2.10章~2.22章は旧2.8章~旧2.20章(但し、
品質システム”という文言に変わりました)
・新2.23章は新規
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新2.1章~2.
をみていきたいと思います。
2.1章 製造業者は、必要な適格性確認がされ、
経営上層部は医薬品の品質システムを実装し維持するために適正で
財務、原材料、設備及び装置)を判断し、
いかなるリスクの存在についても、
ない。
2.2章 製造業者は、製造部門の長と品質管理部門の長と2.
部門の長の関係を示した組織図を有しなければならない。
の地位は管理上の階層において明確に示されなければならない。
2.3章 責務を有する立場にある者は、
を遂行するための適切な権限を有しなければならない。
適格性を有する指定された代理者に委任してもいい。
責務には欠落又は説明不可能な重複があってはならない。
2.4章 経営上層部は、品質目標を達成し、その役割、
伝えられ、
する最終的な責任を負う。経営上層部は、
示した品質方針を制定し、マネジメントレビュへの参加を通じて、
への適合性と有効性及びGMP順守を続けることを確実にするべき
2.5章 経営上層部は、製造部門の長、品質管理部門の長、もし、
が出荷可否判定の責任を負わない場合は、
主要責任者を任命しなければならない。通常、
ければならない。
大組織においては、2.7章、2.8章及び2.
あるだろう。さらに、会社の大きさと組織的な構造により、
または品質部門の長が任命されるかもしれない。
では、たいてい、2.7章、2.8章及び2.
の長と、製造部門の長で共有されているので、経営上層部は、
定義されているか注意しなければならない。
2.6章 オーソライズドパーソンの職務は国家的な要件の中に記載されてい
できる:
a)オーソライズドパーソンは、医薬品の各バッチが、
要件に従って製造されチェックされたことを確実にしなければなら
b)オーソライズドパーソンは、
彼らの責任を遂行するために、恒久的かつ継続的に、
c)オーソライズドパーソンの責任は委任できるが、
である。
2.9章 製造部門の長、品質管理部門の長、
一般に共有のあるいは協力して実行する、
モニタリング、維持を含む品質に関する責務を有する。これらは、
うけるものも含むかもしれない。
★以下に、
(xii)プロセスのパフォーマンス、製品品質、
の参加と、継続的改善の提唱
(xiii)品質問題を適切な経営のレベルに引き上げるための、
ーションと上申プロセスが存在することを保証すること
2.23章 コンサルタントは、
訓練、体験またはそれらの組み合わせを行うべきである。
これらのコンサルタントの名前、住所、適格性、
サービスのタイプについての記録が保持されなければならない。
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6章 QUALITY CONTROL(品質管理)
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変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新6.1章~6.4章は旧6.1章~6.4章
・新6.5章は旧6.5章に内容追加
・新6.6章は旧6.6章(但し、旧の”外部の試験室“は、”
・新6.7章は旧6.7章
・新6.8章は旧6.8章(但し、旧の”
という記 述は、4章を参照とすることになりました)
・新6.9章は旧6.9章の内容を含んでいますが、追加あり
・新6.10章~6.11章は旧6.10章~6.11章
・新6.12章~6.13章は旧6.12章~6.
・新6.14章は、旧6.14章の内容を削除し、Annex19 を参照することになりました
・新6.15章は旧6.15章の内容を含んでいますが、
・新6.16章~6.19章は旧6.16章~6.19章(但し、
され、新6.19章は記述追加あり)
・新6.20章は新規
・新6.21章~6.22章は、旧6.20章~6.21章
・新6.23章~6.24章は新規
・新6.25章~6.36章は旧6.22章~6.33章
・新6.37章~6.41章 “テスト方法の技術移転”は新規
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新6.5章、新6.
新6.19章~6.20章、新6.23章~6.24章、新6.
6.5章 管理試験室の構造設備は第3章に規定された品質管理区域に対する
に適合しなければならない。試験装置は、
エリア間を日常的に移動されるべきではない。特に、
リスクを最小化するために配置されなければならない。
6.9章 ある種のデータ(例えば、試験の結果、収率、環境管理)
にする方法で記録されるべきである。
対象とされるべきである。
6.12章 サンプルは、
その他に工程で最もストレスのかかる部分(
するためのサンプルを採取してもよい。
あると証明され、
6.13章 サンプル容器には、バッチナンバー、
ともに内容物についての情報を表示したラベルを貼付すること。
リスクを最小化し、
ならない。
6.15章 テスト方法のバリデーションを実施しなければならない。
いないテスト方法を使っている試験室は、
販売承認書または技術書類に記載された全てのテスト作業は、
実施されるべきである。
6.19章 試験室の試薬、測定液、ガラス器具、
こと。それらは文書化された手順に従い準備されること。
使用や利用される安定性データにふさわしいものでなければならな
6.20章 参照する基準は、
評価と証明は、明確に述べられ、文書化されるべきである。
からの簡潔な参照の基準が存在する時、
はなるべく主要な参照基準として用いられるべきである。(一度、
トレーサビリティが証明され、文書化されたら、
これらの簡潔な資料は、
研究論文の中で述べられた目的のために使われるべきである。
6.23章 培地は、科学的に正当化されない限り、
である。培地の能力は、使用に先がけて確認されるべきである。
6.24章 使用された生体媒質と株は、標準的な手順で浄化され、
ための方法で処理されなければならない。
され、科学的に正当性が示されなければならない。
6.37章 テスト方法を技術移転する前に、移転する製造所は、
関連する技術文書に述べられた通りであることを検証するべきであ
バリデーションは、現ICH/VICH(動物用ICH)
にレビュされなければならない。技術移転作業の開始前に、
実施すべき補足バリデーションを確認するために文書化されるべき
6.38章 1つの研究所(技術移転する研究所)からの別の研究所(
テスト方法の移転は、詳細な手順の中で述べられるべきである。
6.39章 移転の手順は、次のパラメータを含むべきである。但し、
ない。
(i)実施されたテストと、
(ii)追加の訓練の要件の確認
(iii)基準とテストされるサンプルの確認
(iv)テスト品の特別な移送と保管条件の確認
(v)メソドロジーの現在のバリデーション研究と、ICH/
6.40章 手順からの逸脱は、
報告では、作業の比較結果を文書化すべきであり、また、
再バリデーションが求められるエリアの確認をすべきである。
6.41章 他のガイドラインにおい適切で特別な要件が述べられている場合(
は、特定のテスト方法の移転に関して対応すべきである。
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7章 OUTSOURCES ACTIVITIES(外部委託作業)
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タイトルが変更になり、CONTRACT MANUFACTURE AND ANALYSIS(委託製造及び分析)が
OUTSOURCES ACTIVITIES(外部委託作業)に変わりました。
また、中味の変更箇所は下記の通りです。
・原則は、新旧ほぼ同じ
・新7.1章~7.2章は旧7.1章~7.2章
・新7.3章は新規
・新7.4章のうち、旧7.3章~7.
・新7.5章~7.8章は、旧7.5章~7.8章とほぼ同じ
・新7.9章~7.10章は、旧7.9章と旧7.
・新7.11章は旧7.10章、新7.12章~7.
変更あり (契約書に関する記述の書かれた旧7.11章は削除)
ここでは、新規もしくは内容が追加されている新7.3~7.
と思います。
7.3章 販売承認所有者と製造業者が同じでない場合、
調整がされるべきである。
7.4章 委託者の医薬品の品質システムには、
委託者は外部委託作業の管理を確実にするための手続きが整ってい
ための最終責任を負う。これらの手続きは、
特に以下のことを含むべきである。
7.4.1章 外部委託作業の前に、委託者は合法性、適合性、
実施する能力の評価を行う責任がある。また、
及び本書で示されているGMPガイドラインが遵守されることに対
7.4.2章 委託者は、施行されている法律、製品の販売承認に従い、
するために必要な全ての情報と知識を受託者に提供しなければなら
委託製品または作業に関連する問題が受託者の建物、装置、人員、
他の製品に危険をもたらす可能性について、
保証しなければならない。
7.4.3章 委託者は、受託者の能力をモニタしレビュし、
ばならない。
7.9章 受託者は、
許可されていない変更を行うべきではない。
7.10章 受託者は、委託試験を含む外部委託作業を理解し、
を理解しておかなければならない。
7.11章 外部委託作業に関わる委託者及び受託者それぞれの責任とコミュニ
特定する契約書が両者の間で起案されること。
外部委託作業とGMPに関する適切な知識を有する適任者により起
外部委託作業に関する全ての取り決めは、
に一致し、また両当事者が同意すること。
7.12章 契約書は、例えば、知識管理、技術移転、サプライ・チェイン、
購買、原材料のテストと合格判定、製造の請負と品質管理(
と分析を含む)等の外部委託作業の各ステップの実施に関し、
責任を負うかを明確に記述すべきである。
7.13章 例えば、製造、分析及び配送記録、
全ての記録は、委託者により保管されるか、
苦情または製品欠陥が疑われる場合または偽造が疑われる場合に製
うえで必要ないかなる記録も、アクセス可能で、
ければならない。
7.14章 契約は、契約が受託者または委託者・
外部委託作業の査察を許容するものでなければならない。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
今回の改訂は、
以下のことがいえると思います。
・ICHの考え方の反映
ライフサイクルを通じた管理、リスクマネジメント、
への関与)
・コンサルタントの活用に関する記述の追加
・技術移転に関する記述の追加
・外部委託を製造・分析に限定せず、“外部委託作業”に拡大
経営上層部の責任、マネジメントレビュへの関与については、
にも上っているため、確認しておく必要があると思われます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、3/1(水)に配信させていただきます。
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【発行責任者】
株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
2017.02.01
【EMA発出/曝露限度設定ガイドラインQ&A集ドラフト他】ASTROM通信<115号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
厳しい寒さの中でも梅の花がちらほら咲き始め、
いかがお過ごしですか?
さて、今回は下記3点を取り上げたいと思います。
1)日本国内で「ハーボニー配合錠」の偽造薬が発覚したこと
2)2016年12月15日にEMAより発出された「
リスク識別の ための衛生に基づく曝露限度設定ガイドライン」に関するQ&
ドラフトについて
3)PIC/S GMPの一部改訂について
最後までお付き合いいただければ幸いです。
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1)「ハーボニー配合錠」の偽造薬が発覚したこと
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ご存じの方も多いと思いますが、C型肝炎治療薬の「
県内の薬局チェーンで調剤され、
製造販売元のギリアド・
から仕入れたそうです。
その後の東京都の立ち入り調査で、
見つかったそうです。
今回見つかった偽造品は正規のボトルに入っていたものの、
容器単体の状態で流通し、外箱や添付文書がなかったそうです。
にもかかわらず、
海外では偽造医薬品の流通が大きな問題になっていますが、
製造販売業者->医薬品卸->医療機関・調剤薬局->
管理され、偽造医薬品の流通が非常に少ない状況でした。しかし、
が流通する時代に突入したのかもしれません。
■出典
医薬品の適正な流通の確保について(厚労省)
http://www.pmda.go.jp/files/
C 型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品への対応について(
http://www.mhlw.go.jp/file/04-
薬事日報
2017年1月20日号、1月23日号
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2)製造におけるリスクベースの交差汚染防止の実現と、「
おけるリスク識別のための衛生に基づく曝露限度設定ガイドライン
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2016年12月15日にEMA(European Medicines Agency:欧州医薬品庁)より、14項目からなるQ&A集の
ドラフトが発出されました。長い名前ですが、“
「
ライン」に関するQ&A集”(Questions and answers on implementation of risk based prevention
of cross contamination in production and ‘Guideline on setting health based exposure
limits for use in risk identification in the manufacture of different medicinal products
in shared facilities(EMA/CHMP/CVMP/SWP/
本ドラフトは、2017年1月から公の協議を開始し、
です。
EUが医薬品製造業者に対して発行するノンコンプライアンスレポ
には、交差汚染に関する不備の指摘が多いことから、
EUの交差汚染に対する考え方を知る意味で、このQ&
<Q&A集ドラフト>
Q1:企業は、全ての製品についてHBELs(Health Based Exposure Limits: 衛生に基づく
曝露限度)を制定しないといけないのか?
A1:はい、HBELsは、
EMAガイドライン(EMA/CHMP/CVMP/SWP/
完成されていることが期待される。非常に危険とみなされる製品/
Q2を見よ。非常に危険なカテゴリには入らない製品は、
Q2:どの製品/有効成分が非常に危険とみなされるか?
A2:非常に危険な製品は、
得るために、十分な毒物学的評価が有効である。
非常に危険な製品は、固有の毒物学的・
グループがある。
(このリストは、包括的なリストではなく、
起こすことを示すエビデンスがあるならば、
である。)
製造業者は、下記のガイダンスに対する安全評価を経て、製品/
危険かどうかを検討するべきである。
に入ることを示すエビデンスがあれば、
ある。もし確信が持てない時は、
みなし、
1.人に対し発がん性があると知られている、または、
れる遺伝毒性(特に突然変異誘発性)のある化合物
このグループの化合物は、遺伝毒性が薬学と関連(例えば、
活動抑止剤)し、製品概要に警告文があり、その使用が、
限定されているため、容易に識別可能である。
2.低用量で生殖毒性または/
臨床用量<10mg/日(獣医用の用量で0.2mg/kg/
用量 <=1mg/kg/
3.
化合物(例えば、臨床用量<10mg/日(獣医用の用量で0.
動物実験における用量 <=1mg/kg/日でそれらの影響を起こすエビデンスがある
もの)
4.高い薬学的効能を持つ化合物 すなわち、推奨1日用量<1mg(獣医用の用量で
0.02mg/kg相当)
5.高い感作性の可能性を持つ化合物
Q3.
OELs (Occupational Exposure Limits:職業曝露限度)や
OBLs (Occupational Exposure Bands:職業曝露帯域)を使用することができるか?
A3:はい。OELまたはOEB(帯域の下限)
使うことによってシンプルになりうる。
PDE(μg/日)=OEL(μg/m3)×10m3(
目標母集団の潜在的な違い(作業者対患者)、
必要になるかもしれない。もし、結果のPDE値が10μg/
その製品は非常に危険であるとみなされるべきである。
Q4:HBELの計算は臨床データのみに基づくことができるか?
においてHBELを制定する)
A4:臨床の安全性プロフィールの基礎がしっかりし、
回答参照)に属さない多くの既存の市販品や新製品には、
ある。治療用量を超えた時点で、好ましくない、
しれない。その結果として、薬理活性がもっともよく反応する/
この場合は、治療用量の情報は、HBEL(例:PDE)
できる。これらの状況下で、最小治療用量の1/
十分に保守的で、リスクアセスメントや洗浄目標に利用できうる。
Q5:衛生に基づく限界を決定するためにLD50(Lethal dose 50%:半数致死量)を使用する
ことは許容されるか?
A5:いいえ。LD50は、
Q6:洗浄目標に関する基準はどのように制定できるか?
A6:EMAガイドラインは、
算出したHBELで洗浄基準を設定するために使用されることを意
洗浄基準は、
リスクアセスメントと追加の安全裕度に基づき続けるべきである。
1/1000や、
洗浄基準は、
非常に危険と分類された製品に関し、
での製造が問題ないことを証明できている場合、
を含めるべきであり、
Q7:
撲滅薬を製造もしくは一次包装できるか?
A7:もしHBELデータが、
は専用設備で製造されるべきである。
Q8:同じ設備内で異なる種のための動物用医薬品を製造する時、
あるか?
A8:HBEL設定ガイドラインは、適用される限界は、一般に、
はずであるとしている。しかし、特定の種(例:
過敏性と関連する特定の懸念がある場合は、
HBELアプローチが使わるべきである。
回答も適用できる。
Q9:査察官は、
A9:査察官は、
に関する企業の評価を判断すべきである。
Q10:限定したデータしか利用できない初期段階の治験薬には、
に適用されるか?
A10:
評価自体は、手続きに従って、
べきである。毒物学の専門家は、
状態で、重大な効能を示すために、
いけない。(例:これは、
しれない)これは、組織的・
製造業者が最悪のケースを想定し妥当な判断をすることを可能にす
Q11:小児患者のための製品が、
場合、HBELsの調整は必要か?
A11:そのような設備内では、
低い体重に置き換えられ(例:子供:20kg、新生児:3.5㎏
新生児:0.5㎏)、最悪の場合を考慮するために、
HBELの決定に用いられるべきである。
Q12:GMP5章20項の要件を満たすために、
A12:衛生に基づく評価が終わり、HBELが確認されたら、
組織的・技術的な管理手段が適切かどうかを評価するために、
ジメントのプロセスを通じて使用されるべきである。製品/
あればあるほど、内在するリスクは高くなり、重大な組織的・
が必要とされる。衛生に基づく曝露限度は、
安全レベルを提供し、
Q13:交差汚染のリスクを管理する手段として、
単に分離することは好ましいか?
A13:製造業者は、
の低い製品からリスクの高い製品を分離することはできない。
少ない製品を汚染から防ぐことはできるかもしれないが、
の交差汚染の可能性には対処していない。
な製品間の交差汚染に対処するためのアプローチは、
製品のグループ内の個々の製品の臨床応用や毒物学上の分析結果を
が証明されるべきである。これは、適切な技術的・
べきである。
Q14:1.5μg/人/
TTC(Threshold of Toxicological Concern:毒物学的懸念事項の閾値)の適用は、
HBELを制定するための標準的なアプローチとして認められるか
A14:はい。高い感作性を持つ有効成分と製品をのぞき、
■出典
Q&A集ドラフト原文
http://www.ema.europa.eu/docs/
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3)PIC/S GMPの一部改訂について
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2016年12月22日PIC/S GMPガイドラインPart1の1章、2章、6章、
ました。
用語については、EU GMPガイドラインの同じ章をベースに変更されています。
また、1章、2章、7章は、ICH Q10との整合性がはかられています。
主な変更点は下記の通りです。
1章 “QUALITY MANAGEMNT”(品質管理)のタイトルを“
に変更
2章 “PERSONNEL”(人員)に、”コンサルタント“
6章“QUALITY CONTROL”(品質管理)は、全体が改訂され、”
を追加
7章“CONTRACT MANUFACTURE AND ANALYSIS”(委託製造及び分析)のタイトルを
“OUTSOURCES ACTIVITIES”(外部委託作業)に変更、その範囲を拡大
詳しい内容は次回のメールマガジンで取り上げていきたいと思いま
■出典
PIC/S GMPガイドライン
https://www.picscheme.org/en/
https://www.picscheme.org/en/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1つ目の、
は、
ただ、価格の高い薬が増えれば、
私はこれまで、海外の規制の一部は偽造薬を想定した内容で、
と思っていましたが、今回のニュースで、
国内GDPの整備と徹底が必要であると強く感じました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、2/15(水)に配信させていただきます。
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