ASTROM通信バックナンバー
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2013.04.15
【どうする?Windows XPのサポート終了】ASTROM通信<24号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
寒暖の差が激しいこの頃ですが、
さて、先日、日本マイクロソフト社より、Windows XPのサポート期間が2014年4月9日
(あと1年)で終了するという発表がありました。
Window XPは、2001年に発売が開始されて以来、
昨年11月時点で、
このメールマガジンをWindow XPの入ったパソコンで読んでくださっている方もいらっ
しゃることと思います。
そこで今回は、Windows XPのサポートが終了したら、製薬会社様にどのような影響が
あるのかについて、取り上げたいと思います。
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OSって何?
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OSとはOperation Systemの略で、パソコンの“基本ソフトウエア”
キーボード入力や画面出力と言った入出力機能やディスクやメモリ
アプリケーションソフト(応用ソフトウエア)
提供し、コンピュータシステム全体を管理するソフトウエアです。
http://e-words.jp/w/OS.html
パソコン向けのOSとしては、Windowsのほかに、Mac OSや、UNIX、Linuxなどがありますが
Windowsは、MS-DOSの後継・
幅広い範囲で用いられており、事実上の世界標準となっています。
http://ja.wikibooks.org/wiki/
さて、ここからが製薬会社様にとって重要なお話になります。
GAMP5やコンピュータ化システム適正管理ガイドラインでは、
(基盤ソフト)として扱われ、
されます。
カテゴリ1は、コンピュータ化システム適正管理ガイドラインの「
例」で、
http://www.e-pros.co.jp/pdf/
つまり、OSを変更する場合、
できるものの、据付時適格性評価(IQ)
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OSのサポートが終了するとどうなる?
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サポートが切れても、
ただ、サポート期間が切れると、
しないため、ウイルスに感染したり、
リスクが高まるといわれています。
従って、もし、サポートが終了しても当面Windows XPを使い続けるということであれば、
以下の対策が必要でしょう。
1)インターネットに接続しない
2)外部からのメールを受信しない
3)安全が確認できていないUSBメモリ等を使用しない
1)、2)、3)の徹底が難しいということであれば、
にアップグレードするか、
今お使いのパソコンのOSをWindows 8にアップグレードする場合、パソコンによっては
うまくいかない場合があるので、
アシスタントを実行し、お使いのパソコンが Windows 8 に対応しているかどうかを確認
することをお勧めします。
http://windows.microsoft.com/
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OSのサポート終了後もパソコンがリデート済みといえる?
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製薬会社様のコンピュータ化システムバリデーションの考え方は「
の利用で、期待された通りの結果を出すことを保証すること」
これが確実であれば、OSのサポート期限等に関係なく、
システムと言えます。
ただし、リスクアセスメントの観点から、前述のウイルス感染・
はしっかりしておく必要があります。
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Windows XPのサポート終了に関して製薬会社様で必要な作業
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1)使用しているアプリケーションの確認
現在お使いのアプリケーションソフトの中には、Windows XPでしか動かないものや、
Windows XPでの動作しか保証していないものがあると思います。
たとえば、秤や分析機器の測定結果を、
のソフトの中には、Windows XPのパソコンとセットで使用することしか想定されていない
ものもあるのではないでしょうか。
来年の4月までに、社内に、Windows XP環境でしか動かないアプリケーションがどれだけ
存在しているのか、また、今後メーカーが、Windows XP環境以外での動作を保証してくれる
見込みがあるのかを確認しておく必要があります。
~OSをアップグレード、もしくは、
2)旧パソコンの廃棄の管理
パソコンの廃棄は、
システムの廃棄)に則って実施する必要があります。
3)新OSもしくは新パソコンの据付時適格性評価(IQ)の実施
前述の通り、OSはソフトウエアカテゴリ上、
システムバリデーションの対象ですので、
OSを変えたことにより、実際に、
なったり、画面の文字が欠けたり、
ので、十分注意が必要です。
4)システム台帳のメンテナンス
忘れていけないのが、システム台帳のメンテナンスです。
都道府県のシステム査察で、
パソコンの廃棄・追加・OS変更は、
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まとめ
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Windows OSのサポート終了が近づくと、それに合わせて、
なります、
続々と発生し、苦々しく思っていらっしゃる方も多いと思います。
弊社とて、OSのサポート終了はうれしい話ではありません。
というのも、弊社も、
が必要になる一方で、
あるため、
ならば、いっそ、Windows OSを使うのをやめてしまおうかと思っても、なかなかそうも
いきません。
Windowsが汎用的で優れたOSであることは否定できないで
アプリケーションが数多く存在しているのです。
Windows OSのサポート終了は、薬の使用期限と同じ。
時間のたったソフトウエアの品質をいつまでも担保することは難し
のかもしれません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、5/1(水)に配信させていただきます。
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株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
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2013.04.01
【偽造医薬品の混入を防げ!EU GDPガイドライン発出】ASTROM通信<23号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
待ちに待った桜の季節になりましたが、
さて、2013年3月8日、EUが新しいGDP(Good Distribution Practice)ガイドライン
を発出し、
このGDPガイドラインは、PIC/S のGMPガイドと違い日本に直接的な影響はありません
が、昨今、流通過程の管理が悪いために品質不良になったり、
たりするケースが増え、
時を同じくして、2013年3月12日には、インターポール(
医薬品に対抗するための取組を開始したことが発表されました。
世界の大手製薬会社29社も、
を提供するとのことです。
フランスの製薬会社サノフィのCEOによると、
一部の貧困国における偽造医薬品の割合は50%に上るそうです。
また、WHOによると、
医薬品の50%以上が偽造医薬品であると推定されるそうです。
出展:http://www.bbc.co.uk/news/
GDPの強化と偽造医薬品の流通阻止には密接な関係があります。
そこで、今回は、EU GDPを見ながら、GDPの動向を確認していきたいと思います。
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新GDP発出の目的
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今回のガイドラインは2001年に定められた条文をベースに改訂
欧州委員会は、今日の医薬品用流通経路はますます複雑化し、
いることを述べたうえで、今回の改訂ガイドラインが、
で支援し、偽造された薬がサプライ・
記しています。
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新GDPの変更点
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欧州委員会は、今回の改訂ガイドラインについて、
います。(★:欧州委員会による列挙、補足:橋本記載)
★卸売に関する、責任・手順・
補足:卸売に関する責任・手順・
を保持しなければならない。
流通過程における重大なステップや、大きな変更については、
バリデートされていなければならない。(1.1章抜粋)
品質システムは完全に文書化されるべきであり、また、
されなければならない。 (1.2章抜粋)
★
補足:適切な文書化は、品質システムの根幹である。(4.
記録はオペレーションが行われた時に作られなければならない。 (4.2章抜粋)
★
補足:
訓練の記録が残され、
い。(2.4章抜粋)
★医薬品の適切な保管および流通を保証するための適切な施設、
補足:医薬品は、明確に印で区切られたエリアに保管され、
アクセスできるように制限するべきである。
コンピュータ化システムを用いた分離保管をする場合は、
バリデートされていなければならない。(3.2章抜粋)
設備の修理、
損なわれないように実施されなければならない。
コンピュータ化システムは、使用前に、
ならない。(3.3章抜粋)
★苦情、返品、偽造が疑われる薬、回収に関する適切な管理
補足:苦情、返品、偽造が疑われる薬、回収は、
ればならない。(6.1章抜粋)
苦情は、医薬品の品質に関連するものか、
なければならない。(6.2章抜粋)
返品のうち、在庫に戻せる医薬品の条件として、
包装が傷ついていないもの等がある。(6.3章概説)
偽造された医薬品はすぐに当局や医薬品の販売許可等を持つ者に連
他の医薬品とは隔離して保管されなければならない。(6.
回収の手筈の有効性は定期的(少なくも年1回)
い。(6.5章抜粋)
★誤解を防ぐために正しく定義された外部委託活動
補足:GDPガイドに該当する活動を外部委託する場合は、
るような誤解をさけるために、正しく定義され、合意され、
されなければならない。
がなければならない。(7.1章抜粋)
委託者は、監査を通じて、
責任を有する。(7.2章抜粋)
受託者は、委託者に指示された作業を実施するための、
手段、知識、経験、能力を持った人員を有しなければならない。(
★特に、破損、品質の粗悪化、盗難から医薬品を守り、
に維持されることを保証するための輸送の規則
補足:破損、品質の粗悪化、盗難から医薬品を守り、
内に維持されることを保証するのは、卸売業者の責任である。(
医薬品の貯蔵状態は、輸送中、
維持されなければならない。
配送ルートのリスク評価は、
使用されなければならない。
サードパーティにより輸送が行われる場合は、
網羅しなければならない。(9.2章抜粋)
医薬品は、製品品質に悪影響を与えず、
保護するコンテナで輸送されなければならない。(9.3章抜粋)
麻薬や向精神薬のような特殊な条件が要求される医薬品を含む配送
は、卸売業者は、
チェーンを保持しなければいけない。(9.4章抜粋)
★ブローカー(医薬品の販売または購入に関与する人)
補足:ブローカーは登録が必要である。(10.1章抜粋)
ブローカーの品質システムが書面で定義され、承認され、
ければならない。活動に関する責任・手順・
ていなければならない。
品質システムは、
プランを含んでなければならない。
サプライ・
されなければならない。(10.2章抜粋)
ブローカーの活動に関係するメンバは訓練されなければならない。
(10.3章抜粋)
4章の文書化の総則がブローカーにも適用される。
記録は少なくとも5年、
(10.4章抜粋)
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まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
日本では、GDPに関しては、
施工規則・薬局等構造設備規則、
しかし、今回発出されたEU GDPガイドラインは、かなり細かいところまで踏み込んで
GDPを規定しています。
海外に輸出されている製薬会社様はもちろんですが、
も是非、このEU GDPガイドラインをご覧いただき、
と思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、4/15(月)に配信させていただきます。
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