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2019.10.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<177号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

さしもの暑さも収まってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製薬会社向けに出されたウォーニングレター(2件)
について見ていきたいと思います。
ウォーニングレターに挙げられている指摘内容には、どこの会社様にも起こりうることが含まれていますので、
アメリカへの輸出があるなしに関わらず、是非参考にして頂ければと思います。


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最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-28 インドの製造所の査察(2019/1/28~2019/2/5)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP
 違反に関する2019/7/1付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、すべての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合格/不合格を判断する
  ための責任と権限を持った適切な品質管理部門を制定することを怠った。
貴社の品質部門には、適切な責任と医薬品の製造作業の管理が不足していた。査察中、我々査察官は、捨てられた
CGMP文書と、管理されていない切り刻まれた文書のエビデンスを発見した。例えば、製造、品質、試験作業から
きたことを示している色分けのされた管理されていないCGMP文書の複数の袋がシュレッダーを待っていた。
ある査察官は、貴社の廃棄物置き場で、55ガロンのドラムの中に他の記録と一緒に捨てられているアメリカ向け
医薬品に関する製造記録を含むCGMPの記録を含んだ青いバインダを発見した。バインダの中のCGMP文書は、我々の
査察の7日前である2019年1月21日の日付だった。貴社の品質部門は、廃棄の前にこれらの文書のレビュとチェック
をしなかった。
貴社の品質部門は、製造された医薬品の各ロットの完全に同時の記録を保証するために、文書のレビュと承認及び
文書管理を含む医薬品の製造作業の監督の責任がある。その記録は、年次照査を含むCGMPの目的のために保持
されるものである。さらに、貴社の品質部門には、貴社の製造エリアが適切にモニタされ、従業員たちは手順と
割り当てられた作業を理解していることを保証する責任がある。
CGMPの記録の管理されていない破棄や、適切な文書管理手順の欠如は、貴社の品質部門の有効性や、貴社のCGMP
記録の完全性や正確性について疑問を起こさせる。
貴社は回答の中で、廃棄物置き場にあったCGMP文書のバインダは、うっかり廃棄物置き場にきたもので、貴社は
その問題を調査していると述べた。また、貴社は、管理されていない文書を減らすために、製本されたログブック
を使い、印刷を禁止すると約束した。さらに、正しい文書管理の手順に適合させるためにインストラクタ主導の
授業を盛り込んだ教育プログラムを強化すると約束した。
貴社は、廃棄物置き場のCGMPの記録のバインダを認めたが、廃棄物置き場でみつかった他の文書を評価せず、
販売された医薬品に貧弱な文書管理手順がいかに影響するか、また、貴社の品質部門の監督をいかに強化するか
を評価しなかったので、貴社の回答は不十分である。
貴社の品質システムは不十分である。21 CFR のPart210,211のCGMP要件を満たすための品質システムとリスク
マネジメントのアプローチを実装するための手助けとして、
FDAのガイダンス文書“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
2.貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさないロットまたは
  その成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
貴社のOOS(Out-of-Specification)の結果の調査は、適切で科学的に正当な理由がなく完了された。
例えば、貴社は、貴社の規格を超える未確認の不純物について、米薬局方原薬XXのOOSの調査を開始した。貴社は
未確認の不純物を再生する能力がないにもかかわらず、貴社の調査では、”古い試薬“を根本原因として特定
した。貴社は、その後、新しい試薬を使って新しいサンプルのリテストを行い、その原薬を貴社の米薬局方医薬
品XXの製造に使用するために、合格の結果を使用した。貴社は、不合格になったもともとの原薬のサンプルを
評価しなかった。貴社の根本原因の判断と調査は科学的な正当性がない。
貴社は回答の中で、根本原因を特定するための調査の一環として、もともとのサンプルはテストされるべきで、
根本原因は最終的に断定されていないことを認めた。貴社は、その原薬を使って製造された製品のロットの保管
サンプルを分析し、それらが規格を満たしていることに気付いた。貴社は、また、2017年1月から2019年3月の間
に製造された製品の、以前に“無効とされた”全てのOOSの結果の回顧的レビュも提供した。
貴社の回答は不十分である。貴社は、OOSの調査で確認された原薬のロットを含む製造ロットの保管サンプルの
テストのデータを含めることを怠った。さらに、貴社は、根本原因の判断と調査が科学的に正当でないOOSの
調査の中で、さらに9つのOOSの調査を発見した。貴社は、OOSの材料を使って製造されたかもしれないロットの
保管サンプルを含めた調査まで拡大しなかった。
この文書への回答の中で
・結論が出ていない、または、試験室の中で根本原因が特定されなかったOOSの結果について、製造の徹底的な
 レビュを含めよ。(例:ロットの製造記録、製造手順の適切性、原材料、工程の能力、逸脱の履歴、ロット
 の不合格の履歴)
 根本原因を特定し、意味のある改善を明記した是正処置と予防処置(CAPA)の計画を提出せよ。
・全ての保管サンプルの試験結果を提出せよ。結論が出ていない、または、根本原因が特定さていない
 OOSの結果に関連する原薬を使用して製造されたロットを含む、全ての原薬と製品のロットに関する分析データ
 を含めよ。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切に
保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するためのガイダンスとして、
FDAのガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書への回答において、
次の情報を提供せよ。
A.貴社の設備におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
  省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。
  データ・インテグリティの欠落がみつかった貴社の設備の作業の全てについて述べよ。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
  貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に引き
  起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
  詳細な是正処置の計画では、微生物及び分析のデータ、製造記録、及びFDAに提出される全てのデータを
  含む、貴社で生成される全てのデータの信頼性と完全性を貴社がいかに保証しようとしているかを述べる
  べきである。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これらの違反を
調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者としての
いかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/strides-pharma-science-limited-576722-07012019

■WL:320-19-29 インドの製造所の査察(2019/1/17~2019/1/25)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP
違反に関する2019/7/9付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は製造された医薬品の各ロットの製造と管理に関する完全な情報を含む製造指図記録を作成することを
  怠った。
アメリカ市場向けのXXmgの錠剤の製造中の圧縮機の工程管理値が製造記録に適切に報告されていなかった。貴社
の品質部門はこの医薬品のリリースの判断のために、これらの不完全な記録を使用した。
XXmgの錠剤の複数の製造記録は、定期的に手書きされるプロセスパラメータを含んでいるのだが、圧縮機の
PLC(Programmable Logic Controller)で記録される値は、しばしば貴社の定めたプロセスパラメータとは別に
なっていた。例えばXXmgのロットXXは、圧縮力値が指図でXX以上の範囲で、手書きでXX となっていた。(貴社の
限界値はXX)
しかし、PLCのデータは、同じ時期に、XX以上の値を記録していた。さらに、圧縮力値に関する注入の深さと
自動重量制御(AWC)に関する手書きの値は、PLCデータの中の値を正確に反映していなかった。
2018年3月にXXにより実施された査察では、圧縮力値の製造記録とPLCデータの間に同様の食い違いがみつかって
いた。
貴社は回答で、製造記録の中の、行方不明のデータを含むデータの食い違い、“ミスマッチのデータ”、非同時
の入力、その他の不一致を認めた。また、圧縮機のセットアップ及び工程管理を維持するための製造作業中の
調整の不適切な手順と、これらの重大な活動の文書化の不足を認めた。
貴社の回答は不十分である。圧縮作業を含む貴社の従業員の作業により、貴社の製造記録内の全てのデータの
完全性に疑問を投げかける。貴社は、製造作業を通じてデータの完全性の包括的で回顧的な評価を実施すること
を明言していなかった。また、貴社は、セットアップや1ロットの製造中のパラメータの変更に関する詳細の
手順を提供することにより、圧縮作業中にAWCが一貫して維持され記録されることをいかに保証するか、また、
関連する全てのパラメータをいかに管理するかということに適切に対処しなかった。
工程の変化に迅速に対処するために適切で継続的な工程管理を行うことと、作業中の散発的な管理の喪失を
防ぐことは不可欠である。更に、貴社は、製造記録に錠剤XXの含量の変化を詳細に記述していなかった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・貴社の圧縮作業において制定したAWC及びその他の管理手順
 そこには、これに限定されないが、AWCのセットアップ及びその後の調整の詳細の手順、圧縮の一貫性に
  影響を与えうるすべてのパラメータの特定、全てのロットの製造活動の完全な文書管理が含まれる。
・各製造作業を完全に文書化した、貴社の改訂された製造指図記録書原本
 いちばん最近に製造された錠剤医薬品XXの各含量の全ての印刷物を含む製造指図記録も提出せよ。
・範囲、セットアップパラメータ、貴社の工程の変化を検出するための工程内のモニタリングの正確性を
  保証するための、調剤XXの製造に関する全てのプロセスパラメータの独立したレビュ
・製造と包装工程が適切な製造の基準とパラメータを一貫して満たしていることを保証するための、変化を
  特定し管理するデータ主導の科学的に合理的なプログラム
 そこには、これに限定されないが、装置の使用目的への適合性、投入する原材料の品質の保証、各製造
  工程の手順と管理の能力と信頼性の判断が含まれる。
・この文書の下の“データ・インテグリティの改善”の章で要求された貴社の是正処置・予防処置(CAPA)
  の計画
 包括的なCAPAの一つの観点として、独立したレビュ者は、2016年2月1日以降の製造データの正当性の
  徹底的な回顧的アセスメントを提出すべきであり、製造スタッフ(作業者と監督者の両方)の徹底的な
  インタビュを実施すべきである。
  このアセスメントは、貴社が実施した内部調査に拡大すべきであり、これに限定されないが、XXとXXの
  工程内チェックXXの完全性の独立したレビュと、行方不明の圧縮作業のデータの評価を含めるべきである。
  回顧的アセスメントでは、この工程内試験のデータの情報のギャップの度合い(データの省略または喪失
  によるものか)、スタッフがいない時間の職員の署名、この製品及び他の製品に関し、どの範囲のデータ
  が信頼できるかを判断すべきである。
2.貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさないロット
    またはその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
XXmgの錠剤の製造記録でみつかった食い違いについての貴社の調査は不十分である。
特に、文書DEV-G1-18-033は、XXmgの製造記録に書かれた圧縮力値と、圧縮装置のPLC内に電子的に記録された
データの食い違いに関する複数のロットの製造記録の調査の詳細情報を提供していたが、以下の情報が不足
しているので、貴社の調査は不十分である:
・その他の食い違いが発生していたかどうかを判断するための、手書き記録と、錠剤XXの製造中にPLCによって
  記録された全ての工程管理値の電子データの比較によるデータの完全性のレビュ
・貴社の設備で製造されたXXの他のロットと他の製品までの、調査の十分な拡大
・錠剤XXの製造中の圧縮機の工程管理値の著しいばらつきに関する実質的な根本原因
・このばらつきの根本原因を解決するためのCAPAの計画
貴社は回答の中で、逸脱は、値が圧縮作業を継続する許容範囲にあるという職員の考えと、錠剤の全ての重要
な特性が規格内にある場合の異常な装置の管理値(例:圧縮値、注入の深さ、AWC)の見落としの結果であると
述べた。
貴社の回答は、貴社の元々の調査は、限定的で全体的でなかったので、その結果として、データ・インテグリ
ティの問題の範囲と、その原因を十分に判断しなかったことを認めた。貴社は、注入の深さ、圧力値などの
工程パラメータの大きなばらつきの根本原因と、なぜこれらの値が貴社のバリデーションロットの圧縮の間に
示されたより厳しい管理と不一致だったかの理由を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。貴社は
ロットの品質において、普通でない値の影響について適切に対処しなかった。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・アメリカ市場向けに製造されたXXロットについて、製造記録内にマニュアルで記録された工程管理値と、
  PLC内に電子的に記録された値を比較する回顧的で独立した評価
 例えば、この評価では、AWCが“OFF”の位置にセットされていた時の錠剤の圧縮の時間を特定し、これらの
  期間に製造された錠剤の品質について対応すべきである。
・これらの不完全な製造状態の記録のもとで圧縮された、アメリカ市場にある使用期限内の医薬品の詳細リスク
  アセスメント
 リスクアセスメントに基づき、適切な是正処置を実施せよ。
・逸脱、異常な出来事、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関する貴社の総合的なシステムの包括的で独立した
  アセスメント
 貴社のCAPAには、これに限定されないが、調査能力の向上、根本原因の分析、文書化された手順、品質部門
  の監督を含むべきである。また、CAPAの効果を評価する手順も含めよ。
3.貴社は、試験室の記録が、制定した規格や基準に一致することを保証するのに必要な全ての試験から得ら
    れる完全なデータを含むことを確実にすることを怠った。
いくつかのケースにおいて、貴社は、最初のOOSの試験結果を得た後に、新しい分析を実施した。これらの分析
は、カール・フィッシャー滴定装置による水分量の試験と、自動滴定装置による分析試験を含んでいた。我々は
これらの装置の電子データをレビュし、分析記録の報告されていないOOSの試験結果を発見した。最終的に、
合格の結果のみが、ロットのレビュと処理の判断のために提出されるデータに含まれていた。
更に、貴社の試験室は、多くの場合、基本的な試験のローデータ(例:オリジナルのローデータのシート、
オリジナルのクロマトグラム、機器の使用ログ、オリジナルの重量の印刷物)を保持することを怠った。
例えば、原薬XXロットXXに関する自動滴定装置を使った最初の分析試験が2018年12月29日13:50に実施された。
その最初の結果はXX%でOOSだった (規格はXX%)。公式なリリース判定に使用された分析試験のデータは2018年
12月29日15:00のXX%で規格内として報告された。この公式なリリースのデータに最初のXX%のOOSの結果は含んで
いなかった。調査は実施されなかった。
貴社は回答の中で、査察中に見つかった9件に加え、報告されていな10の追加のOOSの結果がみつかったことを
示した。また、貴社は、最初の結果がOOSではないが、追加の分析の正当な理由がなく試験を繰り返していた
23の事例を発見した。
査察中に見つかったこれらのOOSの結果により影響を受けたロットの処理について対処していないので、貴社の
回答は不十分である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・2016年6月1日以降の全ての製品に関する全ての無効とされたOOS(工程及び最終試験)の結果の回顧的で独立
  したレビュ
 無効とされたOOSの各結果の科学的な正当性とエビデンスは決定的かどうか評価せよ。試験が根本原因と
  された調査に関し、貴社が、改善のために、同じ根本原因に対して脆弱な他の試験方法を確実に特定せよ。
・結論が出ていない、または、試験室の中で根本原因が特定されなかったOOSの結果についての製造の徹底的
  なレビュ(例:ロットの製造記録、製造手順の適切性、原材料、工程の能力、逸脱の履歴、ロットの不合格
  の履歴)
  根本原因を特定し、意味のある改善を明記した是正処置と予防処置(CAPA)の計画を提出せよ。
・OOSの結果が得られた、使用期限内にあるアメリカ市場の全ての医薬品のリスクアセスメント
 もし薬の品質に影響がありうるなら、顧客への通知や回収を含む適切なアクションをとること。
・OOSの結果の調査に関する貴社のシステムのレビュと改善
 OOSの対処を改善するためのCAPA計画を提出せよ。貴社のCAPAの計画には、貴社の改訂されたOOSの調査手順
  に以下のことを含むことを保証すべきである:
 ○試験の調査に関して改善された品質部門の監督
 ○試験管理における有害な傾向の特定
 ○試験のばらつきの原因の解決
 ○試験の原因が最終的に特定できなかった場合の、製造の原因の可能性の調査
・品管の訓練、手順、方法、装置、分析者の能力の包括的で独立したレビュ
 このレビュに基づき、貴社の試験システムを改善するための詳細なCAPAの計画を提出せよ。貴社の計画には、
  実施されたCAPAの計画の効果を評価するために貴社が使用する予定の手順を含めるべきである。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切に
保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するためのガイダンスとして、
FDAのガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書への回答に
おいて、次の情報を提供せよ。
A.データの記録と報告の不正確性の範囲の包括的な調査
   貴社の調査には、以下のことを含めるべきである。
   ・調査の手順と方法論の詳細
   アセスメントでカバーされる全ての試験室・製造作業・システムの概要と、貴社が評価から除外しよう
      としている作業の正当性
    ・データの不正確さの性質、範囲、根本原因を特定するための、現在とかつての従業員のインタビュ
   我々はこれらのインタビュが、適格性のあるサードパーティによって実施されることを推奨する。
  ・貴社の製造所におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
   省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。貴社が発見した
      データ・インテグリティの欠落している貴社の製造所の全ての作業を述べよ。
  ・試験に関するデータ・インテグリティの欠落の性質の包括的で回顧的な評価
   我々は、潜在的な不履行が確認された分野の専門知識を持った適格性のあるサードパーティが全て
      のデータ・インテグリティの欠落を評価することを勧める。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
  貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に
    引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
  貴社の戦略には以下のことを含めるべきである。
  ・分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む貴社が生成する全てのデータの信頼
      性と網羅性を、貴社がどのように保証するかを述べた詳細な是正処置の計画
  ・現在のアクション・プランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントの結果に釣り合うという
      エビデンスを含むデータ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
   データ・インテグリティの欠落の責任がある個人が、貴社でCGMP関連または医薬品の申請のデータ
      に影響を与えることができる状態のままかどうかを示せ。
  ・顧客への通知や製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するために安定性プログラムへのロット
      の追加、製品の申請アクション、強化した苦情モニタリングなど、患者を守り、貴社の医薬品の品質
      を保証するために、貴社がとった、または、とろうとしているアクションを述べた暫定的な手段
  ・貴社のデータの完全性を保証するための、手順、工程、方法、管理、システム、監督、人的資源
      (例:教育、職員の改善)に対する改善努力と強化を述べた長期の手段
  ・既に進行中または完了した上記の全ての活動に関する状況報告
●工程管理
貴社は、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するための工程管理のモニタリングに関する適切
な継続的プログラムを持っていない。FDAが考える一般的な原則とアプローチに関するFDAのガイダンス文書
“Process Validation : General Principles and Practices”を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社が21 CFR 211.34に規定されているCGMP要件
を満たす手伝いをするために、21 CFR 211.34章に規定されているデータ・インテグリティに非常に適格な
コンサルタントを雇うことを強く勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣
には、全ての不備と不具合を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●品質システム
貴社の品質システムは不十分である。21 CFR のPart210,211のCGMP要件を満たすための品質システムとリスク
マネジメントアプローチを実装するための手助けとして、
FDAのガイダンス文書“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、再発
を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者として
のいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/indoco-remedies-limited-575313-07162019


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まとめ
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いかがでしたでしょうか。

今回は2件とも、データ・インテグリティの欠如と、OOS(Out-of-Specification)等の問題の不十分な調査
に対する指摘が含まれていました。

GMP文書をゴミ箱に捨ててしまうのは論外ですが、
・書き間違いによる手書きの記録と電子記録の食い違い
・OOSの結果が出て、あれっ、何か間違えたかな?と再度試験を行ってみたら合格が出て、つい最初の試験
  結果を無効にしてしまうこと
は、結構、身近で起きやすいことなのではないでしょうか。

今回の指摘内容を参考に、自社の記録や手順をチェックしてみるのもよいのではないでしょうか。

☆次回は、9/15(日)に配信させていただきます。


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【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子


2019.09.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<178号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

朝晩はかなり涼しくなってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製薬会社向けに出されたウォーニング
レター(2件)について見ていきたいと思います。
今回は、FDAの査察に備えて品質文書を偽造したことで話題になっている中国の製造所に対する
レターが含まれています。
最後までお読みいただければ幸いです。


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最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-31 中国の製造所の査察(2019/3/18~2019/3/22)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2019/8/2付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、すべての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合格/不合格
  を判断するための責任と権限を持った品質管理部門を制定することを怠った。
貴社の施設の査察中、貴社の品質スタッフが我々査察官に多数の品質文書を提供した。提供された
文書に対する懸念に基づいて我々査察官がこれらの文書の正当性について貴社の品質マネージャに
質問した。貴社のジェネラルマネージャと品質マネージャは、提供された多数の文書は、実のところ、
“この査察のために”偽造されたものだと述べた。
偽造文書としては、洗浄バリデーション報告、多数の製品のバッチレコード、年次製品照査がある。
更に貴社はこれに限定されないが以下のものを含む製品の製造に関しCGMP要件を裏付ける基本的な
記録を提供できなかった。
・装置の適格性評価(21 CFR 211.63)
・原材料の適格性評価 及び 原薬の試験(21 CFR 211.84)
・最終製品と原材料の試験の適格性評価(21 CFR 211.165)
・製品の安定性プログラム(21 CFR 211.166)
・バッチレコード(21 CFR 211.188)
・プロセスバリデーション(21 CFR 211.100)
貴社は回答の中で、いくつかの手書きのCGMP文書を提出した。しかし、貴社の過去の偽造文書を考え
ればFDAはそれらの正当性について懸念する。
貴社は不備の範囲を完全にレビュし、貴社のシステムを包括的に修正したというエビデンスを提供し、
貴社の医薬品の製造作業の継続的な管理を保証する手順とプログラムを実装することを怠ったので、
貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で、以下のものを提供せよ。
・貴社の品質部門が効果的に機能するための権限とリソースを与えられていることを保証するための
 包括的なアセスメントと修正の計画
 アセスメントには、これに限定されないが、以下のことを含むべきである。
 ○貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断
 ○適切な手順の遵守を評価するための品質部門による貴社の作業全体の監督に関する対策
 〇品質部門の出荷判定前の、各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ
 〇調査の監督と承認、及び、すべての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための他の
  あらゆる品質部門の職務の実行
・逸脱、食い違い、苦情、規格外(OOS : Out-of-Specification)の結果、不具合の調査に関する貴社
 の総合的なシステムの包括的で独立したアセスメント
 このシステムを修正するための是正処置・予防処置(CAPA)を含めよ。貴社のCAPAの計画には、これ
 に限定されないが、調査能力の大幅な向上、調査範囲の決定、根本原因の評価、品質部門の監督、
 文書化された手順を含むべきである。CAPAの計画には、調査の全ての段階が適切に実施され、CAPA
 が効果的であることをいかに保証するかについても取り組むべきである。
・成分、容器、蓋の全ての供給業者に適格性があり、原材料に適切な使用期限とリテスト日が指定
 されているかどうかを判断するための、貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュ
 レビュは、入荷した原材料の管理が、不適合の成分、容器、蓋の使用を防ぐために適切であるか
 どうかの判断も含むべきである。
・文書化手順のどこが不十分かを判断するための貴社の製造及び試験の作業で使用されている文書化
 システムの完全で独立したアセスメント
 作業全体を通じて、帰属可能で判読可能で完全で原本性があり正確で同時性のある記録を保持して
 いることを保証するために、貴社の文書化手順を包括的に修正する詳細なCAPAの計画を含めよ。
・サードパーティのコンサルタントにより実施されたデータ・インテグリティのアセスメントの概要
 アセスメントには、独立した評価の対象である貴社の作業の全ての局面の詳細な記述と、アセス
 メントの深さと範囲を含む手順のコピーを含めよ。
完全な修正の要望に関し、以下の、”データ・インテグリティの修正“を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために、
21 CFR 211.34章に規定された適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社
がFDAの求める状態を遵守しようとする前に、適格なコンサルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守
について包括的な監査を実施し、貴社が実施してきた全ての是正処置・予防処置の完了と効果を評価
することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の
経営陣には、全ての不備と不具合を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
コンサルタントは、貴社の修正された品質システムが要件を満たしていて、FDAに提出された全ての
文書が正当であるという証明を提出せよ。
●品質システム
貴社の品質システムは不十分である。21 CFR のPart210,211のCGMP要件を満たすための品質システム
とリスクマネジメントアプローチを実装するための手助けとして、FDAのガイダンス文書
“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性
を適切に保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するための
ガイダンスとして、FDAのガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書への
回答において、次の情報を提供せよ。
A.データの記録と報告の不正確性の範囲の包括的な調査
   貴社の調査には、以下のことを含めるべきである。
   ・調査の手順と方法論の詳細
   アセスメントでカバーされる全ての試験室・製造作業・システムの概要と、貴社が評価から除外
   しようとしている作業の正当性
  ・データの不正確さの性質、範囲、根本原因を特定するための、現在とかつての従業員のインタビュ
   我々はこれらのインタビュが、適格性のあるサードパーティによって実施されることを推奨する。
  ・貴社の製造所におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
   省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。貴社が発見した
   データ・インテグリティの欠落している貴社の製造所の全ての作業を述べよ。
  ・試験と製造に関するデータ・インテグリティの不備の性質の包括的で回顧的な評価
   我々は、潜在的な不履行が確認された分野の専門知識を持った適格性のあるサードパーティが全て
   のデータ・インテグリティの欠落を評価することを勧める。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
  貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に
  引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきで
  ある。
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
  貴社の戦略には以下のことを含めるべきである。
  ・分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む貴社が生成する全てのデータの
   信頼性と網羅性を、貴社がどのように保証するかを述べた詳細な是正処置の計画
  ・現在のアクション・プランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントの結果に釣り合うエビ
   デンスを含むデータ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
   データ・インテグリティの欠落の責任がある個人が、貴社でCGMP関連または医薬品の申請の
   データに影響を与得ることができる状態のままかどうかを示せ。
  ・顧客への通知や製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するために安定性プログラムへの
   ロットの追加、製品の申請アクション、強化した苦情モニタリングなど、患者を守り、貴社の
   医薬品の品質を保証するために、貴社がとった、または、とろうとしているアクションを述べ
   た暫定的な手段
  ・貴社のデータの完全性を保証するための、手順、工程、方法、管理、システム、監督、人的
   資源(例:教育、職員の改善)に対する改善努力と強化を述べた長期の手段
  ・既に進行中または完了した上記の全ての活動に関する状況報告
●不正商標表示の医薬品に関する違反
貴社の日焼け止めローションは、病気の診断・治療・緩和・手当・予防を目的とし、また/かつ、
身体の構造や機能に影響を与えることを目的としているので、医薬品であるが、製品のラベルに用法
や注意や適切な使用指示が含まれていない。
●医薬品の回収
我々は、FDAの査察で見つけたものに基づき、アメリカ市場に出荷された使用期限内の医薬品の回収に
同意したと認識している。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断
し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年6月13日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者
としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ningbo-huize-commodity-co-ltd-581345-08022019

■WL:320-19-32 インドの製造所の査察(2019/2/11~2019/2/20)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2019/8/2付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさない
 ロットまたはその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
貴社は定められたロットのリリース試験中に得られた以下の無菌の不具合の適切な調査を怠った。
・2018年6月4日に実施されたXXmg, XXmLの注射剤XX、ロットXXの無菌試験で、セレウス菌の成長が
 報告された。
・2017年11月24日に実施されたXXmg, XXmL, XXの注射剤XX、ロットXXの無菌試験で、Lysinbacillus
  fusiformisの成長が報告された。
貴社の無菌の不具合の調査によれば、両事象に関する最も可能性の高い根本原因は試験の間違い
だった。
貴社の調査は、無菌試験中の微生物の汚染の可能性には十分に対処したが、製造の原因の可能性は
重視しなかった。
貴社の無菌の不具合の調査は、その結論を裏付ける十分なデータが不足していた。例えば、
・無菌試験は、ISOのクラス5の層流の環境内の密閉された試験システムを使って実施された。
 これらの状態は、無菌試験中の偶発的な汚染の取り込みの可能性を最小化する。調査は、その
 ような密閉された試験システムの中で発生したかもしれない特別な欠陥に適切に対処しなかった。
・負の制御において、微生物汚染は発見されなかった。
・ISOのクラス5の環境内の環境モニタリングデータは、無菌試験の実施中の微生物汚染を示さな
 かった。
・貴社の調査は、無菌試験中の無菌の欠陥を確認できなかった。
・貴社の調査は、無菌試験の実施の際に使用された試験手順、原材料、または技術における不具合
 を確認できなかった。
・製造の不具合の可能性は、適切に対処されなかった。
貴社は、製造の根本原因の可能性について十分に調査しなかった。
例えば、不合格の無菌試験中、隔離されていた微生物が、過去に試験設備の中で回収されていた
のだが、同じ微生物が無菌の不具合の6ヶ月前に製造エリアでも回収されていた。2017年11月24日
にXXgm,XXmlのUSP注射剤XX、ロットXXの無菌試験で回収されたLysinbacillus fusiformisは、
XXエリアの充填ラインで2017年9月1日に回収されていた。同様に、2018年6月4日にXXgm,XXmlの
USP注射剤XX、ロットXXの無菌試験で回収されたセレウス菌は、2017年12月2日にバイアルの
充填室で回収されていた。
試験室での発見にあまりに頼りすぎていた点で、環境データの貴社のレビュは不十分だった。
貴社は、データが、試験設備内の汚染の管理のリスクの可能性を示していると結論づけたが、
製造の不具合に十分に対処しなかった。特に、貴社の調査は、これに限定されないが、バイアル
の密閉工程のロバスト性を含む容器の密閉の完全性の危険に十分に対処することを怠った。貴社
の回答文書は、容器の密閉の完全性の試験(CCIT:Container Closure Integrity Test)の
結果の回顧的レビュの表を提出したが、それは、容器の密閉の完全性の不具合の可能性に関する
食い違い、逸脱、苦情、調査の包括的な評価が欠けていた。
とりわけ、貴社は、過去に、CCITの試験にもともと合格した製品のロットで、容器の密閉の完全性
の不具合により製品の回収を行っていた。容器の密閉システムの完全性は、製品の無菌を保証する
ために重要である。
貴社は、ロットの一部(サブロット)を不合格にし、残りのサブロットのアメリカ向け出荷を許可
した。
我々は、FDAとの話し合い後の、貴社の、出荷したサブロットの回収の判断と、無菌試験のアイソ
レータの設置の判断を認識している。また、我々は、貴社がこれらの不具合の更なるレビュを
実施し、文書内の根本原因の適切な詳細を提出するだけでなく、影響を受けたかもしれない他の
ロット(またはサブロット)に関する影響のアセスメントを実施するために微生物のOOSの調査の
手順を評価するという貴社の約束を認識している。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・逸脱、普通でない事象、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関する総合的なシステムのアセスメント
 貴社の是正処置・予防処置(CAPA)の計画には、これに限定されないが、逸脱、不具合、その他
 の欠陥の原因になりうる作業のばらつきの原因のレビュの厳格化を含めるべきである。
 また、CAPAの効果の評価に関する貴社の手順を含めよ。
・食い違い、逸脱、苦情、メンテナンス、ロットの欠陥の履歴の詳細、密閉作業のばらつきの可能性
 に関する調査と、容器の密閉の完全性の問題に関する記録の、包括的なサードパーティによる評価
 2016年7月以降の全てのレビュを含めよ。この評価に基づき、貴社の密閉工程と容器の密閉システム
 のロバスト性を評価するための最新の回顧的レビュを提出せよ。
・今後の無菌の不具合の調査に、これに限定されないが、特に、貴社の殺菌装置内の微生物の致死率
 の一様性のレビュや、容器の密閉システムの完全性等、製造作業の脆弱性の可能性の包括的な評価
 を含めることを保証する貴社の計画と手順
・この文書で話し合われた件以外で、2017年以降の複数の追加の無菌試験中の貴社による不透明な
 サンプルの発見に起因する、貴社の無菌試験の方法の包括的なサードパーティによるレビュ結果を
 提出せよ。明らかに誤りの不透明の測定値につながるばらつきの根本原因を除外するために改善
 された方法のロバスト性に重点をおくべきである。
・貴社の殺菌装置全体の熱分布と致死率の一様性に重点を置いた、殺菌装置の信頼性に関するサード
 パーティのレビュ
 このレビュでは、物理及び生物的なデータの完全な評価をすべきであり現在のF-valueとZ-value
 のデータの分析と、貴社の殺菌サイクルの正当性に関するいかなる前提も含めよ。
 温度マッピング/負荷実験、各ロットの微生物の指標に関するD-valueの判断、陽性の微生物指標
 の原因に関する詳細な分析を含めよ。2017年以降のバリデーション研究において確認された
 XX(または最も広いばらつきの位置)を明記せよ。
●繰り返しの違反
2017年8月7日~17日の前回の査察で、貴社が不十分に実施した微生物の調査において、FDAは同様の
CGMP違反の所見をあげた。繰り返しの不具合は、医薬品の製造の経営陣の監督と管理が不十分である
ことを示している。
貴社の経営陣は、全ての欠陥を完全に解決し、継続的なCGMP遵守の保証に責任がある。貴社は、
システムと工程と、最終的に製造された製品がCGMP要件に従うことを保証するために、貴社の製造
作業をすぐに包括的に評価すべきである。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断
し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造
業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/emcure-pharmaceuticals-limited-576961-08022019


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
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いかがでしたでしょうか。

1件目の査察対策のために品質文書を偽造した件。
レター内の“文書化手順のどこが不十分かを判断するための貴社の製造及び試験の作業で使用され
ている文書化システムの完全で独立したアセスメント”に関するパラグラフの中に、
ALCOAの原則((Attributable(帰属性)、Legible(判読性)、Contemporaneous(同時性)、
Original(原本性)、Accurate(正確性))の記述がありました。
データ・インテグリティの改善を求めるレターはたくさん見てきましたが、ALCOAの原則そのもの
が書かれたレターを見た記憶がなかったので新鮮でした。
文書化作業の中でALCOAの1つ1つの要素を確実にしていかなければ、データ・インテグリティは
実現できないということあらためて実感しました。

☆次回は、10/1(火)に配信させていただきます。


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【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2019.08.15

20 / 多数 【EU GMP/GDPノンコンプライアンスレポート】ASTROM通信<176号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

お盆休み真っ只中ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回は、EUのGMP及びGDPのノンコンプライアンスレポート(Non-Compliance Report)を取り上げたいと
思います。

EUの規制当局がどんな点を指摘しているのか、参考にしてみていただければと思います。


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1.EU GMPノンコンプライアンスレポート  
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EU GMPノンコンプライアンスレポートは、EUの当局による製造所の査察において、EU GMPに不適合と判断される
不備が見つかった場合に発行されるもので、3部構成になっています。
Part1に確認した当局の名前、製造業者の名前、製造所の住所等、Part2にノンコンプライアントな製造オペレー
ション、Part3に不備の内容、EUの対策等が書かれています
査察結果を報告するという点ではウォーニングレターと似ていますが、ウォーニングレターに比べて、指摘の
内容があまり詳しくありません。また、不備を、クリティカル(Critical)、メジャー(Major)、
その他(Others)に分類して、クリティカルとメジャーが何件あったかを明記しているという特徴があります。
Part3の不備の内容をみていきたいと思います。
■Report No.CH19-0209
スイスの当局が2019/3/9にインドの製薬会社を査察し、2019/7/10付で以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの性質
スイスとEDQM(医薬品の品質の欧州理事会)の査察が、アメリカFDAの査察官と一緒に、並行して実施された。
この査察では10件のメジャーと2件のその他の不備が、品質管理、職員、建物と設備、文書と記録、原材料の
管理、試験室の管理、バリデーションの部分で確認された。ニトロソアミンの汚染のリスクと、回収溶媒及び
回収された中間体が、会社により適切に対処されていなかった。これは、原材料のトレーサビリティを保証する
ことと、汚染のリスクを軽減することに関する重大な不具合により証明された。洗浄バリデーションが不適切で
あることがみつかった。品質管理部分では、装置及び試薬の管理と、データインテグリティにおいて問題がみつ
かった。文書の管理と保管が不適切であることがわかった。
●当局によりとられた/提案された行動
この査察の結果に基づき、CEPの申請が差し止められた。

■Report No.IT/GMP/NCR/1-2019
イタリアの当局が2019/3/22にイタリアの製薬会社を査察し、2019/5/13付で以下のノンコンプライアンスレポ
ートを発行した。
●ノンコンプライアンスの性質
査察中、メジャー19件、その他9件の不備がみつかった。メジャーの不備は、(包括的ではないが)以下の問題に
つながる不十分な品質システムに関するものだった:不十分は逸脱管理と調査、出荷の文書の不足、洗浄バリ
デーションの不足、プロセスバリデーションの不足、分析のレビュと方法のバリデーションの不足、コンピュ
ータシステムバリデーションの不足。
●とられた/提案された行動
・医薬品の製造承認の差し止め
・GMP証明の撤回

■Report No.INS/GMP/2018/111;INS/GMP/2018/112;INS/GMP/2019/063;INS/GMP/2019/064
スペインの当局が2019/3/26に中国の製薬会社を査察し、2019/7/30付で以下のノンコンプライアンスレポート
を発行した。
●ノンコンプライアンスの性質
査察中、クリティカル2件、メジャー5件を含む25件の不備が報告された。クリティカルの不備は、多品種を扱う
施設内での非細胞毒性、細胞毒性、有害性、強力な作用の物質の取扱いの不備によるものだった。これらの施設
内での交叉汚染のリスクは、適切に特定・軽減されていなかった。みつかったメジャーの不備は、洗浄バリデー
ション、精製水のモニタリング、中間体の保持時間のバリデーション、回収溶媒プロセスで確認された。
●とられた/提案された行動
〇販売承認の変更要求
1.この製造業者は、ノンコンプライアンスな状態のもとで、いかなる新しい/継続の販売承認または医薬品の
    有効成分に関する変更申請を許可されるべきではい。
2.当該有効成分の別の製造業者の変更申請の提出が推奨される。
〇出荷されたロットの回収
2016年のノンコンプライアンスな状態の結果として、EU市場での活動は既に差し止められ、重要な有効成分のみ
製造されEUに輸入されているので、この製造所で製造された有効成分の回収は現在のところ推奨されていない。
しかしながら、万が一、暫定手段として推奨された試験の結果として、OOSの結果が得られた場合は、
MAH(医薬品市販承認取得者)からNCA(国の当局)に伝達されなければならない。NCAとMAHの間の評価後、特定の
製品のバッチを回収するかどうかについてNCAにより下される決定は、リスクアセスメント及び製品の重要性に
基づくべきではない。評価は、代替供給者がいるかと、製品の不足の潜在的なリスクがあるかを考慮すべきで
ある。
〇供給禁止
代替供給者がおらず、不足のリスクがあるのでなければ、原薬の供給禁止が推奨される。
〇その他
みつかったものの数と重要性により、以下の追加の手段が推奨される:上記の有効成分と、問題の建物で製造
された有効成分に関し、GMPのノンコンプライアンス状態が公表されるべきである。
全ての細胞毒性/有害性のある製品の製造、上記の建物で製造された細胞毒性/有害性のある製品以外の製品の
製造、新しい建物内での製造は、フォローアップの査察が実行された後も実施されるはずである。問題の製造所
で製造された有効成分の全てのロットについて、不純物、残留溶媒、微生物を含む分析試験をEU及び第三国の
医薬品製造業者に義務付けること。加盟国は、強化された分析試験の結果として集められた情報を受け取り
モニタすべきである。これは、現在市場にあるロットには適用されない。
●追加コメント
販売承認取得者には、ノンコンプライアンス状態の範囲を超えて、上記に挙げられた原薬が重要と考えられるか
どうか、代替供給者がいないかどうか、域内で不足のリスクがあるかどうかを確認するために、国の当局に連絡
をとることが求められる。

■Report No.DEC-NCF19-95c
スペインの当局が2019/6/4にスペインの製薬会社を査察し、2019/7/1付で以下のノンコンプライアンスレポート
を発行した。
●ノンコンプライアンスの性質
a)技術的な監督者がいない、もしくは、ふさわしい技術的な監督者がいない
b)技術的な監督者が病気休暇中、彼女によってサインされたと推察される、署名の偽造された書類がある
c)彼らが実施している医薬品の品質管理の中で発生した逸脱やOOSの結果を記録することをやめてしまったため、
  2019年1月以来、品質保証システムが停止している
d)品質管理の試験室で彼らが行っている手順は、医薬品の分析においてGMPの遵守を確実にするのに十分では
  ない
●当局によりとられた/提案された行動
〇販売承認の差し止め
販売承認が一時的に差し止められた。全ての医薬品に品質管理活動の停止を命じる。
〇GMP証明の取り消し
GMP証明が取り消される。

■Report No.PE010-2625
スペインの当局が2019/6/27にスペインの製薬会社を査察し、2019/8/7付で以下のノンコンプライアンスレポ
ートを発行した。
●ノンコンプライアンスの性質
2019年6月に実施された査察中にEU-GMPの遵守が欠けていることがわかった。31件の不備がみつかった。それら
のうちの3件はクリティカル、20件はメジャーと特定された。3件のクリティカルな不備は
以下の通りである。
1.この会社は、2016年6月4日にノンコンプライアンスと証明された製造所により製造されたイベルメクチン
    を2バッチ、2019年に受け取った。このノンコンプライアンスの証明は、この製造所で製造された全ての
    原薬を含む。しかし、この原薬は、当局により重要とみなされ、全てのロットに対してヨーロッパの薬局方
  の要求に基づいた試験が実施されれば輸入が許可された。この点で、この要求は満たされていなかった。
2.高度な薬理作用または毒性を持つ原薬の製造(再包装)の活動に関し、彼らは、この活動に関し、不完全な
  文書を作成した。(洗浄バリデーションは完了されていなかった。ワーストケースの基準の原薬の選択が
  容認できるものとみなされなかった。残留物の限界の計算に使用される基準が容認できるものとみなされな
  かった)
3.品質システムは、適切で効果的とみなされない。埋め込まれたシステムは、リスクを防ぐための適切な手段
  の適用をするためのリスクの特定ができない。更に、品質システムの管理の積極的な参加がない。更に、
  査察官は、品質システムと品質管理活動に関するメジャーな不備を発見した。発見されたクリティカルと
  メジャーな不備の重大性と、EU GMPのノンコンプライアンスのレベルは、査察官チームが、公衆衛生の
  潜在的なリスクを取り除くために、暫定的な管理手法がとられることを勧めるほどである。さらに会社は、
  異なる原薬同士の取り違え/ラベルの貼り間違えが起きないことを保証することができない。
●当局によりとられた/提案された行動
〇出荷済ロットの回収
〇供給の禁止
供給の禁止に加え、原薬の受け取り、再包装、出荷に関する製造所の活動が差し止められた。
〇販売承認の差し止め
販売承認が一時的に差し止められた。全ての医薬品に品質管理活動の停止を命じる。
〇GMP証明の取り消し
GMP証明が取り消される。

出典:
 http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
EU GDPノンコンプライアンスレポート 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
EU GDPノンコンプライアンスレポートは、EUの当局による卸売販売業者の査察において、EU GDPに不適合と判断
される不備がみつかった場合に発行されるもので、3部構成になっています。
Part1に確認した当局の名前、卸売販売業者の名前、卸売販売業者の住所等、Part2にノンコンプライアントな
作業、Part3に不備の内容、当局の対策等が書かれています。
Part3の不備の内容をみていきたいと思います。
■Report No.UK WDA(H)18799 Insp GDP 18799/303632-0035 NCR
イギリスの当局が2019/5/21にイギリスの卸売販売業者を査察し、2019/6/27付で以下のノンコンプライアンス
レポートを発行した。
●1.ノンコンプライアンスの性質
会社のシステムは、適法なサプライチェインに偽造医薬品が再び入ってくることを検知または防止することを
せず、偽造医薬品を保持しているのがみつかった。
●2.当局によりとられた/提案されたアクション
卸売販売業許可ライセンスの即時停止が2019年6月20日に実施された。

■Report No.UK WDA(H)39307 Insp GDP 39307/303632-0036 NCR
イギリスの当局が2019/5/21にイギリスの卸売販売業者を査察し、2019/6/27付で以下のノンコンプライアンス
レポートを発行した。
●1.ノンコンプライアンスの性質
会社のシステムは、適法なサプライチェインに偽造医薬品が再び入ってくることを検知または防止することを
せず、偽造医薬品を保持しているのがみつかった。
●2.当局によりとられた/提案されたアクション
製品並行輸入許可品に関し、EEA(European Economic Area:欧州経済領域)の加盟国からイギリスへの医薬品の
調達を2019年9月19日まで部分的に停止

■Report No.NC-NVN/01/2019
キプロスの当局が2019/1/31にキプロスの卸売販売業者を査察し、2019/7/2付で以下のノンコンプライアンス
レポートを発行した。
●1.ノンコンプライアンスの性質
a.卸売販売業者は、卸売販売業の許可、または、製造承認の持っていない人物から医薬品の供給を受けていた。
b.卸売販売業者は、供給者の適性、能力、信頼性を評価するための適性評価を実施しなかった。
c.責任のある職員が職務を適切に遂行していなかった。
●2.当局によりとられた/提案された行動
法律およびGDPガイドラインの重大な違反により3ヶ月間、2015/2/17に発行された卸売販売業の許可が差し止め
られた。

■Report No.7/2/2019/I/DGMUH
ポルトガルの当局が2019/3/7にポルトガルの卸売販売業者を査察し、2019/7/3付で以下のノンコンプライアンス
レポートを発行した。
●1.ノンコンプライアンスの性質
卸売販売業者は、いくつかの点でGDPの原則に従っていない。クリティカルな指摘事項5件は、品質システムに
関するものである。すなわち:満足できる適格性評価のない状態での輸送に関する契約業者の使用、不十分な
温度と環境の管理、記録に関する問題、品質システムの管理、レビュとモニタリングである。
それ以外に、複数のGDPの内容に及ぶ15件のメジャーと、その他の5件の不備が査察中にみつかった。
●2.当局によりとられた/提案されたアクション
卸売販売業の許可の差し止め
●追加コメント
現時点で、追加の方策が必要と考えない。(この卸売販売業者により販売された医薬品の回収は不要)

■Report No.DE GAALG 41403/053
ドイツの当局が2019/6/27にドイツの卸売販売業者を査察し、2019/7/5付で以下のノンコンプライアンスレポー
トを発行した。
●1.ノンコンプライアンスの性質
GDP要件へのクリティカルな違反:
a.品質システムは、配送される製品がその品質を維持し、保管中及び輸送中に適法なサプライチェインの中に
 とどまっていることを保証しなかった。
b.責任のある職員が職務を適切に遂行していなかった。
c.供給者及び顧客の適格性評価が部分的に不十分だった。
●2.当局によりとられた/提案されたアクション
卸売販売業の許可の停止が2019年6月27日に実施された。
●追加コメント
イラン・イスラム共和国のみに販売

■Report No.sukls132322/2019
チェコ共和国の当局が2019/7/15にチェコ共和国の卸売販売業者を査察し、2019/7/24付で以下のノンコンプライ
アンスレポートを発行した。
●1.ノンコンプライアンスの性質
会社は活動の許可に関する条件において重大な違反をし、医薬品の法令の76項にある義務を果たしていない。
●当局によりとられた/提案されたアクション
2018/9/21付で卸売販売免許の差し止め
●追加コメント
販売活動は実施されていなかった。会社が適格性のある職員の業務を保証せず、倉庫が利用できなかったこと
から、卸売販売業のライセンスは停止された。

出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/view/gdp/viewGDPCertificate.xhtml


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まとめ
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いかがでしたでしょうか。

EUのノンコンプライアンスレポートは、FDAのウォーニングレターに比べて詳細が書かれていないのでわかりづ
らい部分はあるのですが、おおよその指摘内容を知ることができるため、是非、参考にしていただければと思い
ます。

ところで、イギリスがEUを離脱した後、イギリス当局の査察情報が共有されなくなってしまう点や、受入試験の
条件の変更が気になるところです。

このノンコンプライアンスレポートとは関係ないのですが、2019年6月27日に
MHRA(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency:英国医薬品庁)が発表した情報によると、
イタリアからイギリスに医薬品が輸入される際、その一部が配送中に規定された医薬品のサプライチェインから
持ち出され、後でラベルが貼り直されたうえで流通に戻るというGDP関連の問題が発生し、医薬品に異物が混入
したか、また、これらの医薬品が安定した室温の状態に置かれていたかを証明するエビデンスがないために回収
が発生したそうです。
今後、ますますGDPの強化が求められるのではないでしょうか。

☆次回は、9/1(日)に配信させていただきます。


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【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2019.08.01

【EU-米国MRAの話題&最近のウォーニングレター】ASTROM通信<175号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

ついに梅雨が明け、猛烈な暑さになってきましたがいかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて今回は、以下の2つのテーマについて取り上げたいと思います
1.EU-米国 ヒト用医薬品製造所査察のMRA完全施行について
2.FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から製薬会社向けに出た最近のウォーニングレター(2件)
是非、皆様の業務の参考にして頂ければと思います。


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1.EU-米国 ヒト用医薬品製造所査察のMRA完全施行について
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2019年7月12日付のEMAの報道発表(EMA/392883/2019)によると、EUと米国が数年前から準備
を進めてきた査察情報の共有が完全に開始されたようです。
以下に、報道発表内容をまとめました。

スロバキアのFDA(米国食品医薬品局)の認証により、EU(欧州連合)と米国は、それぞれのテリトリー
のヒト用医薬品の製造所の査察について、相互認証協定(MRA)を完全に施行しました。
EMA事務局長のGuido Rasiは“私たちは、大西洋の両側の当局がお互いの査察結果を頼りにすること
が出来ることを意味するこの協定の実施を歓迎します。このマイルストーンは 米国との戦略的な
パートナシップの重要性の証明です。このことは、我々の査察の処理能力を最大限に利用すること
を支え、患者は、それらがどこで製造されたとしても、全ての薬の品質、安全性、効果を信頼する
ことができます。”と述べました。
毎年、EU各国の当局とFDAは、EU、米国及び世界中の医薬品の製造所がGMPに従って稼働していること
を保証するために、これらの製造所を査察しています。MRAのもとで、EUと米国の取締官は、それぞれ
のテリトリー内のヒト用医薬品に関するお互いの査察を信頼し、今後、重複した仕事を防げるで
しょう。MRAの結果、EUと米国は、他の国の製造所の査察をするためにリソースを使うことができるで
しょう。
MRAは、大西洋の両側にあるEUとUSがヒト用医薬品に関するGMP査察を実行するために同等な手順を
持っているというしっかりしたエビデンスにより支えられています。2014年5月以来、欧州委員会(EC)、
EU各国の当局、欧州医薬品庁(EMA)、FDAからなるチームは、それぞれの監督システムを監査し評価し
てきました。スロバキアの肯定的な評価により、ヒト用医薬品を取り扱うGMP査察当局はこの作業を
完了しました。
今後、ロット試験の免除の適用も開始するでしょう。これは、EUの製薬会社のクオリファイドパーソン
は、米国で管理が既に実施されている場合、米国で製造され、米国から輸入された製品に関する品質
管理はもはや実行しないということを意味しています。
MRAの実施検討は、動物用医薬品、ヒト用ワクチン、血漿由来の医薬品に運用範囲を拡大することを
目的として続くでしょう。

<MRA協定への背景>
1998年、EUと米国は広範囲のMRAに署名しました。それは、お互いのGMP査察の限定された依存が期待
される、医薬品に関する付属文書を含んでいました。しかし、この協定は決して完全に実施されません
でした。EUとFDAは、2014年に会話を始め、2017年の付属文書の改訂につながりました。
2017年11月1日、それぞれのテリトリーで実施されるヒト用医薬品の製造所の査察を認証するための
EU-FDA間の協定の施行の開始を示しました。この協定は、お互いの査察の専門知識とリソースの信頼
を強化します。協定は最初、FDAとFDAが評価したEU加盟国の間で適用されました。これは徐々に全ての
EU加盟国に広げられ、同様に、EUは米国内で評価し、2017年6月1日にFDAはEUと同等のレベルでヒト用
医薬品のGMP査察を実施するための能力、処理能力、手順を持っているという結論を下しました。
EUでは、製造所の査察は、EU加盟国の当局により実施されます。EMAは、特に承認された製品を中心に、
EU加盟国と連携してこれらの活動を調整する重要な役目を果たします。

出典:https://www.ema.europa.eu/en/documents/press-release/eu-us-reach-milestone-mutual-recognition-inspections-medicines-manufacturers_en.pdf


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2.最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-26 インドの製造所の査察(2019/1/28~2019/2/1)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反等に関し、2019/6/13付ウォーニングレターに下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、同一性及び純度、含量、品質に関する文書化された規格に一致するかについて、各成分
  のサンプルの試験をすることを怠った。また、貴社は、適切な間隔で、成分の供給者の分析試験
  の信頼性をバリデートして確認することを怠った。
貴社は、バルクのホメオパシー薬品XXの成分、容器、蓋を外部の供給者から購入したが、これらの
入荷した原材料の同一性や、その他の品質特性について試験をせず、分析証明書(COA)の正確さを
確認していなかった。
貴社は、ホメオパシー薬品XXの成分を受入れているが、もし、それが不適切な濃度であれば有毒に
なり、特にXXはよく研究された高度の毒性を持ち、殺鼠剤として使われる。貴社は、貴社の供給者の
適格性評価の手順によってホメオパシー薬品XXの供給者の信頼性を確認することを怠った。貴社は、
医薬品の製造のためにこれらの有害な原材料のホメオパシー薬品XXを、COAもなく、成分が有害な濃度
であるXXのレベルを含んでいないことを保証するための試験もせず、利用した。
貴社は回答で試験のための原材料のサンプルの収集を含む改訂された手順を提供し、原材料の受入れ、
保管、ラベリングと原材料の包装に関する新しい手順を作ったが、使用期限内で、市場にある製品に
ついて、成分試験の不足の影響に対処していないので、貴社の回答は不十分である。
また、貴社は、ホメオパシーの原薬のバルクと医薬品XXを外部の供給者から購入するのを中止する
計画をしていて、代わりにホメオパシーの出発原料を使って自分で製造するつもりであると述べた。
しかし、貴社はホメオパシーの原薬、医薬品XXの製造工程、バリデーションプランの詳細を提出しな
かった。
注意喚起として、貴社の原薬製造工程もまた、21 U.S.C.351(a)(2)(B)に従わなければならないし
Q7原薬GMPのガイドラインを参照することが期待される。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・各成分、容器、蓋が、同一性、純度、含量、品質に関する文書化された規格に一致することを試験
 するために貴社がいかに計画しているかの詳細の説明
 もし貴社が成分の試験をする代わりに供給者のCOAを受け取るのであれば、貴社が定期的なバリデー
 ションを通じて、供給者の試験結果の信頼性確認するために貴社がいかに計画しているかの詳細を
 述べよ。
・不適切に試験され管理された成分から製造され、使用期限内にあり、アメリカ国内にある全ての製品
 のリスクアセスメント
 医薬品が、その毒性の効果により患者がさらされるリスクを増すかもしれない有効成分のレベルを
 含んでいないことを保証するために貴社の保管サンプルを試験するための計画を含めよ。
・もし、貴社が自身で原薬を製造することを計画するなら、貴社が原薬をいかに製造し試験するかの
 包括的なプラン
・貴社のさまざまな製品に使用される工程のプロセスバリデーションの記述
 採用する工程内試験と管理の詳細を含めよ。
2.貴社は、製造された医薬品の各ロットの製造及び管理に関する完全な情報を含んだロット製造指図
  記録を作成することを怠った。
貴社のロットの記録は、これに限定されないが次のことの詳細が不足している:ラインクリアランスの
情報、製造に使用される主要な装置とラインの同一性、使用された成分のロット固有の情報、使用され
た成分の重さと測定値、工程試験の結果、生産量の記述、ラベルの管理記録、最終容器の密閉、実施
されたサンプリング、各重要工程を実施識別かつ/または各工程を直接監督した職員の識別、ロットに
関する全ての調査、待機時間または装置の管理設定の限度。
さらに、XX件を超える貴社のホメオパシー医薬品は、単一の製造指図記録書原本を共同で使用している。
単一の製造指図記録書は、ホメオパシー医薬品を製造するために使用される成分の重さや測定値に関す
る予め決められた記述もなく、大きな自由形式の空欄を持っていた
不完全な記録を持つことは、調査の目的で必要な活動のトレーサビリティを貴社から奪うことになる。
さらに、製造の特別な指示・情報・計算もなく製造指図記録を持つことは、医薬品製造において取り
違えや間違いにつながりかねない。
貴社は回答の中で、製造記録の改訂手順を提出した。しかし、新しい製造記録もまだ装置の設定限度、
生産量、成分の規格、ラベルの規格を含む詳細を含んでいないので、貴社の回答は不十分である。また、
貴社の回答からは、貴社が全製品に関する製造指図記録の原本を、製品固有のものにするつもりかどう
かがわからない。
この文書への回答の中で、貴社の全ての製品の製造工程の包括的なレビュを実施し、各医薬品の全ての
重要な製造工程を記録し、取り違えや間違えを防ぐためのバリデートされた計算式を含んだ詳細な製造
指図書原本を制定せよ。
3.貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに従い、制定された同一性、含量、品質、純度に
  関する規格を満たすことを保証する責任を果たすことを怠った。
貴社の品質部門は、貴社の製造工程の適切な管理を怠った。貴社の品質保証手順QA-004-00は、品質部門
の体制、機能、責任について定義・記述していない。
さらに、貴社の製造作業者達は、品質部門に所属していた。貴社のホメオパシー医薬品を製造する製造
作業者達が成分のレビュと使用許可を行っている。CGMPに従った品質システムのもとで、製造部門と
品質部門は独立していることが期待される。
貴社の品質部門は、ラベルの使用許可、ラベルへのアクセスの管理、供給者の適格性評価も怠った。
貴社はXXを超える異なるホメオパシー医薬品を製造しているので、適切はラベルの管理は、取り違えを
防ぐために重要である。
貴社はまた、これに限定されないが、次のことを含む多数の重要な品質と製造の作業に関する手順の
制定を怠った。
・医薬品の成分の受入れ
・入荷した原材料のサンプリングとリリース
・規格外試験(OOS)結果の調査と不合格判定
・プロセスバリデーションと洗浄バリデーション
・ロットの製造指図記録
・年次製品照査
・装置の適格性評価
貴社は回答の中で、上で言及した作業に関する新しい文書化された手順を提出した。貴社は、独立した
品質部門と手順の不足が使用期限内にある販売された医薬品へ与えうる影響について評価しなかった
ので貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で
・貴社の品質部門が効果的に独立して機能するための権限とリソースを与えられていることを保証する
 ために是正処置・予防処置(CAPA)を含む包括的なアセスメントを提供せよ。アセスメントには、
 これに限定されないが以下の情報を含めるべきである。
 ○貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断
 ○適切な手順の遵守を評価するために、貴社の作業全体を監督する品質部門の規定
 ○品質部門の判定の前の、各ロットとそれにかかわる情報の完全で最終のレビュ
 ○調査の監督と承認 及び 全ての製品の同一性、含量、品質、純度を保証するための、品質部門の
  その他の職務の解放
・適切な品質部門の監督なしに製造され市場に出荷された使用期限内にある貴社製品のロットのリスク
 アセスメントを実施せよ。
・新しい手順の遵守の測定基準を含む、新しい手順の実施に関するタイムライン
CGMPの規制21 CFR 210,211の要求を満たすための品質システムとリスクマネジメントのアプローチを
実施する助けとして、FDAのガイダンス“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”
を参照せよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし貴社がアメリカ市場向けの医薬品の製造を
再開するつもりなら、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34章に示す適格なコン
サルタントを雇うことを強く勧める。また我々は、貴社がFDAの求める状態を遵守しようとする前に、
適格なコンサルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守について包括的な監査を実施し、貴社が実施
してきた全ての是正処置・予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これら
の違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年5月22日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者
としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留とする。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/rxhomeo-private-limited-575889-06132019

■WL:320-19-27 インドの製造所の査察(2019/2/4~2019/2/9)でみつかった原薬製造における重大な
CGMP違反等に関し、2019/6/20付ウォーニングレターに下記の指摘事項があげられています。
●CGMPの逸脱
1.特定の不具合または逸脱に関連した可能性のある他のロットへの調査拡大の不履行
貴社の原薬XXとXXの中のXXのような不純物XXの根本原因の調査が不完全だった。貴社の初期のアセス
メントでは、原薬XXの製造に関する合成過程はXXやXXのような不純物XXを生成する可能性はなかった
と判断した。このアセスメントは、重要出発原料、その他の原材料、溶媒について、XXとXXが存在
する結果になった可能性の評価を含んでいなかった。
貴社は、医薬品品質の欧州総局(EDQM)から、試験結果は貴社の原薬XXがXXを含むことを示している
と知らされた後に、原薬XXのロット以外も試験をして、XXのロットは、許容限度を超えたレベルで
およそXX%の汚染物質XXを含んでいると判断し、その後、これらのロットを回収した。
2019年1月29日付の貴社のリスクアセスメントは、原薬XXの中の汚染物質XXは溶媒XXとXXの回収から
生じたと記録していた。貴社は、回収されたXXは、貴社の委託製造業者XXで回収されたXXから生じた
と報告した。貴社の調査は、汚染物質XXは、XXにより供給された回収品XXの使用によると結論づけた。
貴社は、汚染物質XXは、XXの不十分な洗浄手順のせいにした。
貴社は回答の中で、今後XXを製造するのに回収された溶媒は使用しないつもりであると述べたが貴社
の回答は不十分である。貴社は、FDAの査察の開始時に、XXの製造に、回収された溶媒XXの供給者と
してXXを使っていなかったとはいえ、医薬品の品質に影響を与える役割を果たしている全ての委託
業者の作業の適切な品質管理を保証するための是正処置を割り出していなかった。
我々は、貴社が追加の工程管理を開始したことと、貴社が現在、ロットのリリース基準として、XXを
含むXXに関する原薬XXの製造された全てのロットを試験していることを知っている。
この文書への回答の中で、
・改訂されたいかなる適格性評価の手順を含む、医薬品の品質に影響を与えうる役割を果たしている
 委託
 製造業者の作業の適切な品質管理を保証するための是正処置の割り出しを実施せよ。
・貴社の製造所で製造された全ての原薬の不純物XX及び他の潜在的な不純物XXの存在に取り組む
 ために開始された調査及び是正処置・予防処置(CAPA)の計画の最新情報を提出せよ。
・不純物XX及び他の潜在的な不純物XXの存在に関する全てのXXと中間体の試験結果を提出せよ。
・クロマトグラムにおける不純物XXに関するロットXXの回顧的レビュを実施せよ。
 不純物XXに関する適切にバリデートされた方法を使ったクロマトグラムの未知のピークを特定
 するための是正処置を提出せよ。
・変異原性不純物の存在の可能性に関し、貴社の製造所で製造された全ての原薬及び中間体のリスク
 アセスメントを提出せよ。
 潜在的な変異原性不純物の管理に関するFDAの現在の考えについて、FDAのガイダンスを見よ。
2.原薬に接触する装置表面が、公式の規格または制定された規格を越えて原薬の品質を変えない
  ことを保証することの不履行
不十分な装置のメンテナンスに関する調査が不十分である。我々査察官は、原薬XXの製造に使用され
るSRJ014 XXのXX%以上がさびているように見えることを発見した。貴社は、この発見に関する調査を、
同様に適切にメンテナンスされていない可能性のある他の医薬品製造装置まで十分に拡大しなかった。
回答の中で、貴社は洗浄後、XXの内部の表面の乾燥度をチェックしていなかったこと、そのため、
水分がXXに残り、変色の原因となったことを認めた。貴社は、しみはXX内部の鉄のさびの形成による
ものであると判断した。貴社は回答の中でSRJ014 XXをさびの形成の影響を受けにくいXXに交換する
つもりであると説明した。しかし、貴社は、医薬品を製造するために使用されるその他の装置も適切
な材料で作られた接触表面を持つことを確実にするための是正処置の割り出しを行わなかったので、
回答は不十分である。
この文書への回答の中で、
・アメリカ向けの医薬品の製造に使用される可能性のある全ての装置のメンテナンスの状態に関する
 包括的なアセスメントを提出せよ。
・装置の表面が貴社の医薬品に対して反応性が高い/付加的であるかどうか、また、接触表面が使用
 目的に適しているかどうかを判断するために、全ての装置の表面の完全なレビュを含むCAPAの計画
 を提出せよ。
・もし原材料、中間体、もしくは原薬の接触表面に不備があった場合、ロットに与える可能性のある
 影響を含むリスクアセスメントと、再発を防ぐためにとるアクションの情報を提出せよ。
●補完のために提出された要求および承認されたXXへの変更の遵守の不履行
1.承認されたXXに対する補完の実施中、FDAに方法や管理の変更が報告されなかった。
査察官は、原薬XXのロットの残留溶媒のテストの中で貴社の原薬XXの中に、それぞれ、XX%とXX%に
達するレベルのXXとXXの非発がん性の不純物を発見した。これらの不純物は、その他の個々の不純物
に関するアメリカ薬局方の規格の限度XX(即ち、NMT XX%)を超えてレベルで製剤原料に存在している。
また、これらの不純物は、ICH Q3A(R2)で公表されている製剤原料の不純物の閾値を超えている。
貴社の品質部門は、XX%未満という貴社の内部の閾値も超えたこれらの不純物をFDAに報告することを
怠った。貴社は、FDAの査察官が査察中に閾値を超えて発見された全ての不純物は報告されるべきで
あると伝えた後にドラッグマスタファイル(DMF)の情報を更新した、
貴社は回答の中で、“計画された規制の改訂で我々(FDA)の指摘を抜かした”と説明した。さらに、
貴社は残留溶媒の管理のために追加のCAPAを始めるつもりであると述べた。貴社は、閾値を越えた
原薬でみつかった全ての不純物の完全なレビュを実施することと、それに応じて貴社のDMFとXXが
改訂されていることを保証することを怠ったので、貴社の回答は不適当である。
XXとXXの申請者として、貴社は、補完XXと承認されたXXの変更の提出に関し、314.708(c)(6)(i)の
要件に従わなければならない。当局は、その提出の目的のために変更のカテゴリを指定するかも
しれないが、そのようなカテゴリの変更の場合、承認されたXXの所有者は、当局が変更の補完を受け
取り次第、医薬品の販売を開始することができる。これらの変更には、これに限定されないが、
医薬品の成分または医薬品が、同一性、含量、品質、純度、それが持つとされる効能を持っている
という更なる保証を提出するための方法や管理に対する規格の追加または変更を含む。
原薬XX、DMF XXのDMF所有者として、我々は、貴社のDMFへのいかなる追加、削除、変更も、
21CFR314.420に基づき、FDAに提出することが求められていることを申し上げたい。更に、貴社は、
貴社のDMFの中の関連のある変更の情報を参照する権限を与えられた各職員を通知することが求めら
れている。
この文書への回答の中で、
・未知の不純物が閾値を超えたことを示しているA製造所で製造された原薬の全てのロットの徹底的
 なレビュを実施せよ。
 ICH Q3A(R2)の閾値を超えるレベルで存在している不純物を確認し、貴社のDMFとXXを要求されて
 いる通りに改訂せよ。
 いかなるDMFの改訂も、DMFに関する権限を持った全ての職員に通知されなければならない。これらの
 通知はFDAに提出せよ。
・未知のピーク、逸脱、食い違い、規格外試験(OOS)の結果、苦情、その他の不具合に関する貴社の
 全体的なシステムの徹底的で独立したアセスメントを提出せよ。さらに、貴社が制定した規格、
 公的な医薬品集、または、適切な製造の標準に従っていないロットを貴社が出荷したかどうかを
 判断するために使用期限内にある販売されたすべてのロットの回顧的レビュを提出せよ。
●追加の原薬CGMPガイダンス
FDAは、原薬がCGMPに従って製造されているかを判断する時にICH Q7で概説されている期待を考慮
する。原薬の製造のためのCGMP関連のガイダンスとして、FDAのガイダンス
”Q7 Good Manufacturing Practice Guidance for Active Pharmaceutical Ingredients”
を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、貴社がCGMP要件を満たすことを手伝うためにコンサルタントを雇ったことを知っている。
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社の作業を評価するために、適格性のある
コンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための
貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全て
の不備とシステムの欠陥を完全に解決し、責任が残る。
●複数製造所での繰り返しの所見と規制会議
FDAは同様のCGMPの所見を貴社の組織内の他の製造所でも挙げている。A製造所のUnitIとUnitIXも
査察され、原薬XXと中間体の製造に関するCGMPの不備について指摘された。これらの製造所も、CGMP
のコンプライアンス状態は受け入れられないと考えられている。これらの複数製造所での繰り返され
る不備は、医薬品製造における経営陣の監督と管理が不十分であることを示している。A製造所の
CGMPのコンプライアンスを議論するための規制会議を計画するために5営業日以内に連絡せよ。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、
これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造
業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留とする。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/aurobindo-pharma-limited-577033-06202019


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。

1.EU-米国 ヒト用医薬品製造所査察のMRA完全施行について
・EUも米国も査察のリソースを有効に使うことができるようになったということは、問題のない
 製造所は何度も査察を受けなくて済むようになる反面、問題のある製造所は、今後頻繁に査察を
 受けなければならなくなるということでしょう。
・今後開始されるという、ロット試験免除の適用の話題は興味深いです。
 しっかり管理されていれば、米国で製造された製品を輸入したEUの製薬会社のクオリファイド
 パーソンは、本当に試験を実施しなくてよくなるのでしょうか。輸送中のリスクはどう評価する
 のか気になるところです。

2.ウォーニングレターについて
1件目の、ロットの製造指図記録に関する話題が気になりました。
今回の指摘は、複数製品について、単一の製造指図記録書を使用し、製品毎に異なる管理項目に
ついて項目別の記述欄を作らず大きな空欄を設けていたという極端な話なのですが、FDAとしては
ミスを防ぐためには製品別に製造指図記録原本を作成することを期待しているようにもとれます。
汎用的なレイアウトを使って製品別に使用項目を使い分けている場合、ミスなく使い分けができる
ことを証明できるようにしておく必要が出てくるかもしれません。

☆次回は、8/15(木)に配信させていただきます。


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2019.07.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<174号>

 こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

うっとうしい梅雨空が続いていますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて今回もFDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製薬会社向けに出されたウォーニングレター(2件)
について見ていきたいと思います。
ウォーニングレターに挙げられている指摘内容には、どこの会社様にも起こりうることが含まれています
ので、アメリカへの輸出があるなしに関わらず、是非参考にして頂ければと思います。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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なCGMP違反等に関し、2019/5/31付ウォーニングレターに下記の指摘事項があげられています。
●CGMP違反
1.貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに従い、制定された同一性、含量、品質、純度に
  関する規格を満たすことを保証するための責任を果たすことを怠った。
査察中、我々の査察官は、貴社の品質部門が、貴社のOTC医薬品の製造に関して適切な管理をしなかった
ことを発見した。例えば、貴社の品質部門は、以下のことを保証することを怠った:
・ロットのリリースの前に全ての試験が実施されレビュされていること
・契約試験機関が適切に評価されていること
・不合格品及び原材料の保管に関し適切な管理が行われていること
・安定性プログラムが制定されていること
貴社は、貴社の作業を監査するためのコンサルタントを雇ったと回答した。しかし、既に市場にある
医薬品の製造に関して不十分な品質部門の監督による影響に適切に対処していなかった。
この文書への回答の中で、貴社の品質部門が効果的に機能するために権限とリソースを与えられている
ことを保証するための是正処置・予防処置(CAPA)の包括的なアセスメントを提出せよ。アセスメント
には、これに限定されないが、以下のことを含めよ。
・貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断
・貴社の業務全体を通して、適切な手順の遵守を評価するための品質部門の監督についての準備
・品質部門が出荷判定をする前の、各ロット及びそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ
・貴社の業務に関するコンサルタントの評価
2.貴社は、公式の、もしくは、その他の制定された条件を越えて医薬品の安全性、同一性、品質、
  純度を変える可能性のある誤動作や汚染を防ぐために、装置や器具を適切な間隔で洗浄し、メンテ
  ナンスし、医薬品の性質に応じて消毒/滅菌することを怠った。
貴社は、製品同士の交叉汚染を防ぐための製品の切り替えに関するバリデートされた洗浄作業もなく、
多数の局所用OTC医薬品を製造するために非専用装置を使用している。
我々の査察官は、器具、調剤室のドア、調剤やサンプリングに使用される層流保護ブースXXを含む製造
設備で、乾いた白いXXを発見した。
また、我々の査察官は、貴社の従業員が洗浄のログブックに事前に記入してサインし、装置の洗浄期間
の記録を偽造していることを発見した。例えば、2つのスクープ(ひしゃく)の洗浄が、まったく同じ
時間に記録され、設備が閉じていたにもかかわらず2018年の9月から12月の洗浄期間となっていた。
貴社は回答で、専用のスクープを使用し、層流ブースの洗浄の頻度を示した“AFワークステーションの
XXの使用と洗浄に関するSOP”に含めるつもりであると述べた。しかし貴社は、異なるOTC医薬品同士の
交叉汚染を防ぐために洗浄について十分に取り組んでいないかったので、貴社の回答は不十分である。
非専用装置の不十分な洗浄は製品同士の交叉汚染を招く可能性がある。
この文書への回答の中で、下記の内容を提出せよ。
・2製品以上の製造に使用される各製造装置の洗浄手順と訓練とバリデーションを評価するための包括的
 な計画
・新しい製品や工程、装置に関する洗浄手順の検証とバリデーションに関する適切なプログラムが実施
 されていることを保証する標準操作手順のサマリ
3.貴社は、権限のある職員だけが製造指図記録原本またはその他の記録の変更を行うことを保証する
  ために、コンピュータ及び関連システムの適切な管理を実施することを怠った。
我々の査察官は、品質管理の試験室内の試験装置とコンピュータにアクセス制限が欠けていることを発見
した。例えば、貴社のラボの職員はHPLCの装置にアクセスするために品質管理マネージャのログインID
とパスワードを共有している。
更に、分析証明書(COA)を含む電子書類及びスプレッドシートは試験室のコンピュータから操作されたり
削除されたりできた。OTC製品XX(ロットNo:XX)の分析証明書は、変更の記録なしに修正できる保護されて
いない電子文書の中にあった。
貴社は回答で、ユーザはユニークなログインIDを割り当てられ、変更はアクセスの制限されたフォルダに
対して行われ、ユーザがファイルを削除するのを防いでいることを示した。また、貴社は、一般的な
“セキュリティアクセスとデータの管理に関するSOP”を制定したと回答した。しかし、貴社の回答は、
コンピュータのセキュリティ管理がデータや文書の操作を防ぐのに効果的であることを裏付けるための
エビデンスを含む、裏付けの文書に欠けていた。また、貴社は、貴社におけるCGMPデータが不適切に修正
されたり削除されたりしたかどうかの評価を含む、不十分なシステム管理の影響と範囲の回顧的なリスク
アセスメントを実施しなかった。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適
切に保証していない。FDAのガイドラインを見よ。
我々は、貴社が、貴社の作業を監査し、FDAの要件を満たすことを手助けするコンサルタントを使用して
いることを認識している。
この文書への回答において、以下の情報を提供せよ。
A.データの記録及び報告の不正確さの範囲の包括的な調査
  貴社の調査には以下のことを含むべきである:
  ・調査手順と方法の詳細、全ての試験室、製造作業、アセスメントでカバーされるシステムの概要;
   貴社が除外を提案している作業の正当化の理由
  ・データの不正確さの性質、範囲、根本原因を特定するための、現在とかつての従業員のインタビュ
   我々はこれらのインタビュが、適格性のあるサードパーティによって実施されることを推奨する。
  ・貴社の製造所におけるデータ・インテグリティの欠落の範囲のアセスメント
   省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。貴社が発見した
   データ・インテグリティの欠落している貴社の製造所の全ての作業を述べよ。
  ・試験と製造に関するデータ・インテグリティの欠落の性質の包括的で回顧的な評価
   我々は、潜在的な不履行が確認された分野の専門知識を持った適格性のあるサードパーティが全て
   のデータ・インテグリティの欠落を評価することを勧める。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
  貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に
  引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
  貴社の戦略には、以下のことを含めるべきである。
  ・分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む貴社が生成する全てのデータの信頼性
   と網羅性を、貴社がどのように保証するかを述べた詳細な是正処置の計画
  ・現在のアクション・プランの範囲と深さが、調査で発見されたものとリスクアセスメントの結果に
   釣り合うエビデンスを含むデータ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
   データ・インテグリティの欠落の責任がある個人が、貴社でCGMP関連または医薬品の申請のデータ
   に影響を与えることができる状態のままかどうかを示せ。
  ・顧客への通知や製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するために安定性プログラムへのロット
   の追加、製品の申請アクション、強化した苦情モニタリングなど、患者を守り、貴社の医薬品の品質
   を保証するために、貴社がとった、または、とろうとしているアクションを述べた暫定的な方策
  ・貴社のデータの完全性を保証するための、手順、工程、方法、管理、システム、監督、人的資源
   (例:教育、職員の改善)に対する改善努力と強化を述べた長期の方策
  ・既に進行中または完了した上記の全ての活動に関する状況報告
●未承認の新薬の製造、不正商標表示の医薬品
未承認の新薬の製造、不正商標表示の医薬品の製造に関する指摘がされています。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これらの
違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年4月17日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留とする。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/glint-cosmetics-pvt-ltd-573468-05312019

■WL:320-19-25 中国の製造所の査察(2019/1/7~2019/1/10)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2019/6/10付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、製品の各ロットについて、出荷前に各有効成分の同一性、含量を含む最終規格に一致するか
どうかについて試験室の判断を怠った。また貴社は、好ましくない微生物がないことが求められる医薬品
の各ロットについて、適切な試験室の試験を実施することを怠った
貴社は、XXを製造し、アメリカ市場向けに出荷した。我々の査察で、貴社がアメリカ市場向けに製品を
出荷する前に、各ロットが、同一性と含量の規格を満たすかどうか判断するためにOTC医薬品の最終製品
の試験をしなかったことを発見した。
さらに貴社は、微生物の特性に関する信頼性のある試験が不足していた。例えば、貴社は、微生物試験に
関する培地の成長促進試験の適切なプログラムを持っていなかった
各ロットの完全な試験は、貴社が製造した医薬品が化学及び微生物的特性に関する適切な規格を満たすか
どうか判断するために不可欠である。
回答の中で、貴社は、出荷前に有効成分の同一性と含量に関する試験をするために、サードパーティに製品
の各ロットを送るつもりであると述べた。また貴社はクロマトグラフの分析装置を購入する計画をしている
と述べた。
われわれは、貴社が微生物試験の結果を保証するために各ロットの培地の成長促進試験を実施すると約束
したと認識している。
既に市場にある製品に関し、是正処置をとり、サードパーティの試験についての情報を含めるか、また
は、追加試験に使用される手順を提供するという約束をしなかったので、貴社の回答は不十分である。
貴社は、出荷前に貴社の製品の各ロットが全ての化学及び微生物の規格を満たすことを保証しなければなら
ない。
この文書への回答の中で、下記の情報を提供せよ。
・ロットの出荷判定前に製品の各ロットを分析するために使用される全ての化学及び微生物の試験方法と
 規格のリストと、関連する文書化された手順
・アメリカ市場に販売された全ての製品のロットの保管サンプルの回顧的試験から得られた試験結果の
 サマリ
 有効成分の同一性と含量に関する試験結果、及び、その他全ての化学及び微生物の品質特性を含めよ。
 もし、規格外でロットを出荷していたら、顧客への通知や製品の回収といった貴社がとるつもりの是正
 処置を示せ。
・貴社の試験室の訓練、手順、方法、装置と分析者の能力の包括的で独立したレビュ
 このレビュに基づき、貴社の試験室のシステムを完全に修正するための詳細な是正処置・予防処置
 (CAPA)を提出せよ。貴社の計画には、実施されたCAPAの有効性を評価するために使用するつもりの
 手順も含めるべきである。
・貴社の代わりに契約試験設備により実施される全ての試験方法が適切に伝達され、使用前にバリデート
 されていることを保証するための貴社の手順を提出せよ。
2.医薬品の各成分の同一性を確認するために少なくとも1つの試験を実施することを怠った。また貴社
  は、適切な間隔で、成分の供給者の分析試験の信頼性をバリデートして証明することを怠った。
貴社は、貴社の医薬品を製造するために使用する入荷した原薬、及び、その他の成分について、それらの
同一性、純度、含量及びその他の適切な品質特性を判断するための試験を怠った。かわりに貴社は、適切
なバリデーションを通じて供給者の分析の信頼性を証明せずに、単に成分の供給者の分析レポートを信頼
した。
貴社は回答の中で、適切な会社から原薬を購入するつもりであると述べた。また貴社は、原薬の供給者に
詳細な試験データと共に分析レポートを提出するよう要求することを約束した。さらに、貴社は文書化
された規格に従うかどうか判断するために、今後購入される包装材及びその他の原材料の包括的な分析を
実施すると約束した。
貴社は、医薬品の製造に使用する前に、原材料の各ロットの試験(即ち、同一性試験とバリデートされて
いない分析証明書の全ての特性の試験)をすることを約束しなかったので、貴社の回答は不十分である。
さらに、貴社は、いかに貴社の供給者の分析の信頼性を証明するつもりか詳細に述べなかった。また、
貴社は既に市場にある製品に関するいかなるアクションもとらなかった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・入荷した成分を製造に使用する前に各ロットのリリースを判断するために使用する化学及び微生物の
 品質管理の規格
・各成分が同一性、含量、品質、純度に関する全ての適切な規格に一致することをいかに試験するかの
 記述
もし貴社が、各成分のロットの純度、含量、品質を試験する代わりに、供給者の分析証明書(COA)の
試験結果を受け入れるもりであれば、初期のバリデーション(その後に定期的な再バリデーションが続く)
を通じて、これらの特性に関する供給者の試験結果の信頼性と整合性を、最初にいかに証明するかを記述
せよ。更に、入荷した成分の各ロットについて、少なくとも1つの同一性試験を常に実施する約束を含めよ。
・各成分の製造業者から得られる分析証明書の信頼性を評価するために、全ての成分の完全な試験から
 得られる試験結果のサマリ
 分析証明書のバリデーションプログラムについて記述した貴社の標準操作手順を含めよ。
・各供給者から得た全ての容器、蓋、成分が適切に適格性を評価され、適切な使用期限及びリテスト日が
 付与され、不適切な容器、蓋、成分の使用を防ぐための入荷した原材料の管理をしていることを判断
 するための原材料システムの包括的で独立したレビュ
3.貴社は、貴社が製造した医薬品が、それが持つとされる同一性、含量、品質、純度を持つことを保証
  するための文書化された製造の手順と工程管理を制定することを怠った。
貴社には、安定した製造作業を保証するための工程管理のモニタリングの継続的なプログラムが欠けて
いる。貴社は、貴社の製造工程が同一の性質と品質の医薬品を一貫して製造する能力と示していなかった。
〇製造工程の不十分な管理
貴社は、貴社のOTC医薬品を製造するために使用される工程をバリデートしていなかった。貴社は、貴社の
XXの重要工程パラメータの定義もしくは特定をしていなかった。さらに、貴社は、安定した製造作業と一貫
した医薬品の品質を保証するための工程管理のモニタリングの継続的なプログラムを持っていない、
貴社は回答の中で、XXのための製造工程をバリデートするつもりであると述べた。
貴社は詳細の工程の性能適格性評価の手順と、製品のライフサイクルを通じてバリデートされた工程を維持
することを保証するための全体的なプログラムを提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。さらに、
貴社はアメリカ市場に既に出荷された医薬品のリスクアセスメントを実施することを怠った。
この文書への回答の中で、製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するためのバリデーション計画を
提出せよ。貴社の医薬品の工程の性能適格性評価の実施に関するタイムラインを含めよ。
〇XXシステムの不十分な管理
貴社の医薬品を製造し、製造装置を洗浄するためのXXをバリデートしていなかった。貴社のXXシステムは、
XXの米国局方モノグラフと微生物の規格に一致する、製薬の使用に適したXXを一貫して製造するという
保証が不足していた。
貴社は回答の中で、XXシステムを改良するための変更を実施するつもりであると述べた。
貴社は、XXシステムの包括的な設計レビュとバリデーションプランを提出していないので、貴社の回答は
不十分である。
この文書への回答の中で、以下の情報を提出せよ。
・XXシステムの設計、管理、メンテナンスに関する包括的で独立したアセスメント
・XXシステムの設計、管理、メンテナンスを修正するための包括的なCAPAの計画
・貴社のXXシステムのバリデーションレポート
 また、システムの設計の改良と、継続的な管理とメンテナンスのプログラムを要約せよ。
・このシステムが貴社の各製品の使用にあったXXを製造することを保証するための適切な総数の上限
 総数の上限は、貴社のアクション及びアラートの上限より厳しい上限は、貴社の製品XXにとって適切で
 あることに注意せよ。
4.貴社は、全ての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合否を判断する責任
  と権限を持った適切な品質管理部門の制定を怠った。
貴社には、適切な品質部門が欠けている。例えば、貴社の品質部門は、CGMP教育、年次製品照査(APR)、
安定性プログラムのような様々な責任に関する文書化された手順を制定することを怠った。
貴社は回答の中で、試験室の管理手順を改善するつもりで、CGMP要件の従業員の訓練を完了するだろうと
述べた。
貴社は、実施しようとしている手順の適格性を含む情報やAPRに関する情報を提供しなかったので、貴社
の回答は不十分である。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・品質部門の役割と責任を述べた新しい改訂された手順と、これらの手順が適切に実施されたことを示す
 エビデンス
・完全な医薬品の安定性プログラムを開発し実施するための、タイムライン付きの貴社の計画
 この計画には、現在アメリカ市場にある医薬品の安定性のアセスメントも含めるべきである。
・貴社の品質部門が、その機能を効果的に果たすために必要な権限とリソースが与えられていることを
 保証するための是正処置・予防処置(CAPA)の包括的なアセスメント
・貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断
・適切な手順の遵守を評価するための品質部門による作業全体の監督のための準備
・品質部門が出荷判定をする前の、各ロットの完全で最終的なレビュとそれに関連する情報
・全ての製品の同一性、含量、品質、純度を保証するための調査の監督と承認、その他の品質部門の責務
 の実施
●品質システム
貴社の品質システムは不十分である。CGMP要件を満たすよう、品質システム及びリスクマネジメントの
アプローチの実施を助けるために、FDAのガイダンスを見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために
21 CFR 211.34章に示す適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また我々は、貴社がFDAの求める
状態を遵守しようとする前に、適格なコンサルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守について包括的な
監査を実施し、貴社が実施してきた全ての是正処置・予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●不正商標表示の医薬品の違反
不正商標表示の医薬品の製造に関する指摘がされています。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これら
の違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年4月12日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留とする。
出典: https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/xian-livingbond-nonwoven-products-corp-ltd-574591-06102019


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。

1件目のレターのデータ・インテグリティの指摘。
当然のことではありますが、
・システムにアクセスする際のログインID・パスワードの使い回
・製造記録や分析の記録にアクセス制限をせず、変更の記録なしに修正・削除できる状態
はデータ・インテグリティの観点から認められないということを、今一度しっかり認識しておく必要が
あります。

2件目のレターの供給者の分析試験の信頼性の定期的なバリデートの不履行に関する指摘。
ウォーニングレター上でよく見かける指摘ですが、身近なところでも、供給者の分析試験の信頼性を
定期的にバリデートしていないことが結構あると思われます。
定期的に供給者監査を実施していても、分析試験の信頼性がバリデートできているとは言いきれない
ので、注意が必要なのではないでしょうか。

☆次回は、8/1(木)に配信させていただきます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お礼
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2019年7月3日~7月5日のインターフェックスジャパンでは、多数のメールマガジン読者様に弊社ブースに
お立ち寄りいただきまして、誠にありがとうございました。
十分にご挨拶が出来なかった方、大変申し訳ありません。

今後とも本メールマガジンをどうぞよろしくお願いいたします。

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