ASTROM通信バックナンバー

2018.11.15

【EUの最近の話題】ASTROM通信<158号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

11月も中旬となり、なんとなく気ぜわしくなってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃい
ますか。

さて、今回は、下記2件のテーマを取り上げたいと思います。
1.EUで求められるヒト用医薬品の安全機能
2.最近発行されたEUのノンコンプライアンスレポート(Non-Compliance Report)9件

1つ目のテーマは、先日、ASTROM通信156号(2018年10月15日発信)で米国FDAの製品識別要件
(シリアル番号表示)について取り上げたところ、EUに関するお問合せが何件かあったため
取り上げることにしました。
EUでも、米国同様、シリアル番号を含む製品の識別子の表示対応が必要になります。
これは、海外に医薬品を輸出されている会社様に影響の大きな話なのですが、実は、国内向けの
医薬品を製造されている会社様にも無関係の話ではありません。というのも、医療用医薬品の
偽造品流通防止の観点から、将来的に、国内でもシリアル番号が導入される可能性があるため
です。今後の動向を知るうえで、是非参考にしていただければと思います。

2つ目のテーマであるEUのノンコンプライアンスレポートは、EUによる製造所の査察において
EU GMP不遵守と判断された場合に発行されるレポートです。ウォーニングレターほど指摘の内容
が詳しくはありませんが、どんな点がEU GMPを遵守していないと判断されたかを確認することが
できますので、こちらも是非参考にしていただければと思います。



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1.EUで求められるヒト用医薬品の安全機能
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■概要
EU域内で流通するヒト用医薬品の販売包装単位のパッケージに安全機能を付けることが求められて
います。
安全機能とは、医薬品の個々の包装の認証と識別を可能にする2次元バーコードを使った固有の
識別子(UI: Unique Identifier)と、包装が改ざんされたかどうかを確認するための改ざん防止
デバイス(ATD: Anti-Tampering Device)をさします。
■目的
偽造医薬品がEU域内の合法なサプライチェインに混入するのを防ぐことにあります。
EU域内の異なる国や地域の異なる認証システムによるトレーサビリティの要求は、域内の医薬品の
流通を制限し、サプライチェインに関係する組織のコストを増大させる可能性があるため、安全機能
を付けることは域内で統一した規則となっています。
■根拠
ヒト用医薬品における安全機能を求める根拠として、EC指令2001/83/EC 47a、54(o)、54a、と、
EU指令2011/62/EU、欧州委員会委任規則(EU)2016/161に詳細が記載されています。
・EC指令2001/83/EC
https://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2001:311:0067:0128:en:PDF
・EU指令2011/62/EU
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/files/eudralex/vol-1/dir_2011_62/dir_2011_62_en.pdf
・欧州委員会委任規則(EU)2016/161
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/files/eudralex/vol-1/reg_2016_161/reg_2016_161_en.pdf
■対象
ヒト用の処方箋薬(例外あり)
■対応期限
対応期限は2019年2月9日となっています。
※ベルギー、ギリシア、イタリアは、規則の適用を6年延期する選択肢を持っています。
但しベルギーは、この選択肢を放棄し、2019年2月9日までの対応を発表しました。
■UIについて
UIは以下のデータ要素からなります。
・固有の識別子がついた医薬品の名前、共通の名前、剤形、製剤含量、容量と包装タイプ(製品コード)
・決定性または必決定性ランダムアルゴリズムにより生成された最大20文字の数字または英数字の配列
 (シリアルナンバー)
・医薬品を特定する国番号
・ロット番号
・有効期限
製造業者は、上記データ要素をコード化して、医薬品のパッケージ表面に2次元バーコードを印刷しな
ければいけません。
■Q&A集
2018年9月に、ヒト用医薬品の安全機能に関する最新のQ&A集が発行されています。
Q&A集には、数個の個装の束がまとめて1個として売られている場合、まとめた1個もしくは各個装に
ATDとUIをつける必要があるか?といった具体的な質問が載っているので参考になると思います。
(この質問に対する答えは、商用に売ることのできる単位に関わらず、医薬品販売許可書にいかに記載
されているかにより決まるというものです)
Q&A集
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/files/falsified_medicines/qa_safetyfeature_en.pdf

■補足
EU市場向けの対応期限は2019年2月9日ですが、アメリカ市場向けの製品識別番号対応期限は、ASTROM
通信156号にも記載してある通り、2018年11月27日となっています。


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2.最近発行されたEUのノンコンプライアンスレポート 
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ノンコンプライアンスレポートは、EUによる製造所の査察においてEU GMPに不適合と判断された場合に
発行されるもので、3部構成になっています。Part1に確認した当局の名前、製造業者の名前、製造所の
住所等、Part2にノンコンプライアントな製造オペレーション、Part3に不備の内容、EUの対策等が書か
れていて、査察結果を報告するという点ではウォーニングレターと似ています。ウォーニングレターに
比べて指摘された不備の内容は詳しくありませんが、参考になりますので、いつもの通り、Part3部分
をみていきたいと思います。

■Report No.18MPP020NCR
インドの製薬会社をフランスの当局が2018/3/28に査察し、以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
査察中、ざっと24件の不備がみつかり、そのうちの1件はクリティカル、8件はメジャーと分類された。
クリティカル:多数の汚染のリスク
メジャー1:CAPAの管理の不備、メジャー2:設備の不十分な保全、メジャー3:水質の管理の欠陥、
メジャー4&5:装置の管理及び保全の多数の欠陥、メジャー6:原材料の保管管理の不備、メジャー7:
多数のバリデーションの欠陥、メジャー8:変更管理のマネジメントシステムの不備
●出荷済ロットの回収
クオリティ・リスク・マネジメント(QRM)の原則を使い、製品の回収が検討されるべきである。
●供給禁止
ノンコンプライアンスレポートの発行後、レポートが有効である限り、製造所はいかなる新たな医薬品
販売承認もされてはならないし、医薬品の配合作業にも使用されてはならない。
●適合証明(CEP)の差し止めまたは取り消し(EDQMによりとられたアクション)
CEPの撤回の検討
●追加コメント
QRMの原則を使い、製造所の医薬品販売承認の廃止が検討されるべきである。
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=48584

■Report No. ES/NCR/GMP/1/2018
スペインの製薬会社をスペインの当局が2018/4/27に査察し、以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
最も現実の問題に直結する査察結果は下記の通りである:
・品質保証(QA)とクオリファイド・パーソン(QP)による、製造活動及びの出荷判定の適切な管理の
 不足
 会社は、QPにより先に判定がされてから市場にロットの判定が出荷されることを保証するシステムを
 持つことを怠った。QPの判定なしに、ロットは数カ月間出荷された。
・前回の査察以後、許可された製造エリアと装置の活動、使用、洗浄及び保全の記録の完全な欠如
・製造に使用された出発原料のトレーサビリティの不足
 有効成分の照合において、受入数量と製造に使用された数量の間に大きな不整合があった。
・医薬品の製造に、許可されていないエリアが使用されていた。
 これらのエリアは、医薬品の製造の使用に適さず、製品の交叉汚染のリスクがある。
・最終製品のいくつかの容器の識別ラベルの完全な欠如
・出発原料の隔離保管に関する手順の欠如
全体的に見て、これらの査察結果は、会社がGMPに則って動いていないと結論づけることにつながる。
●製造承認No.0731の全ての差し止め
製造輸入承認(MIA : Manufacturing and Import Authorisation)の一時的な差し止め
●GMP適合証明No. ES/154HV/17の取り消し
GMP不遵守ステートメントの発行
●出荷済ロットの回収
QPにより証明がされていない全てのバッチの回収(品質欠陥アラートVDQ3/2018)
●供給禁止
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=48059

■Report No.IT/NCR/API/1/2018
イタリアの製薬会社をイタリアの当局が2018/5/24に査察し、以下のノンコンプライアンスレポート
を発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
下記の分野でメジャーの不備がみつかった。
建物/装置(9件)
 汚染管理区域のモニタリングで不備がみつかった。
また、建物/装置の状態及び人と原材料のフローに不備がみつかった。
製造(1件)
 製造エリア内で無菌製造作業中に不備がみつかった。
微生物の品質管理試験(2件)
職員(1件)
逸脱管理(1件)
これらのメジャーの不備は、主に、医薬品の無菌保証の欠如により公衆衛生に重大なリスクをもたらす、
無菌製造と品質管理に関するものである。
●出荷済ロットの回収
代わりの供給者があり、保管のリスクがなければ、この製造業者により無菌凍結乾燥された原薬を
使って製造された医薬品の回収は、医薬品市販承認取得者と共に実施される国の所轄官庁(NCA:
National Competent Authority)も含んだアセスメントにより判断されるべきだ。
●供給禁止
この製造業者により無菌凍結乾燥された原薬の供給禁止が推奨される。代わりの供給者や保管の
リスクの欠如はケースバイケースで評価されるべきである。
●適合証明(CEP)の差し止めまたは取り消し(EDQMによりとられたアクション)
この製造業者は、原薬の無菌凍結乾燥を行う別の会社の委託製造業者なので、CEPに関する情報は
現在利用できない。
●その他
会社は無菌原薬の製造許可と非無菌原薬の登録、最終製剤作業(保管、品質管理試験:無菌試験を
除く化学/物理/微生物試験)に関するMIAを持っている。
提案方策1:無菌原薬の製造許可の停止
提案方策2:GMP不遵守ステートメントが、製造所で作られた非無菌原薬に影響がないときは、非無菌
      原薬の製造登録の維持
提案方策3:GMP不遵守ステートメントが非無菌製品に影響がない時、最終製剤のMIA(保管、品質管理
           試験:無菌試験を除く化学/物理/微生物試験)の維持 
無菌凍結乾燥を行うこの委託製造業者は、適切な是正処置がとられ、GMP遵守状態を取り戻すまで、
いかなる新しい/継続的な申請も承認されるべきでない。提出されたCAPAの計画はAIFAにより評価され、
全ての対応は受理できると考えられたが、不備の重大性により、AIFAは、短い時間枠で、CAPAの実施
と適合性の評価をオンサイトで実施するためのフォローアップ査察、結果が問題なければ、無菌原薬
のGMP適合性証明の再発行と共にGMP不遵守ステートメントの取り消しを計画している。現在、AIFAは、
医薬品(保管、無菌試験を除く品質管理試験)と非無菌原薬のGMP証明の発行を計画している。
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=49111

■Report No.OGYEI/28807-5/2018
中国の製薬会社をハンガリーの当局が2018/6/20に査察し、以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
2018/6/20のハンガリーの視察団によるEDQM査察の拒
●製造承認の差し止め
NCAの評価により製造承認が差し止められるものとする。
●出荷済ロットの回収
NCAによるリスク評価に基づいて回収が決定されるものとする。
●適合証明(CEP)の差し止めまたは取り消し(EDQMによりとられたアクション)
EDQMは適合証明の承認を拒絶する予定である。
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=49983

■Report No. ES/NCR/GMP/2/2018
スペインの製薬会社をスペインの当局が2018/8/8に査察し、以下のノンコンプライアンスレポート
を発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
2018/7/31から2018/8/8に実施された製造所のGMP査察による。査察は、発生したいくつかの品質の
不備に関するEU-GMP遵守の確認に重点が置かれた。製造所には、文書のレビュを含み、6日間(製造
エリア、倉庫、ユーティリテイ及び品質管理試験室)、訪問した。合計で38の不備が確認され、15件
はクリティカル、19件はメジャーに分類された。査察中、EU-GMP遵守の欠如がみつかった。クリティ
カルとメジャーの不備は、概して、医薬品品質システム、製造工程、品質管理活動、無菌保証に
関する。無菌保証の不備は、製造された無菌医薬品の品質が保証されていないので、患者に対する
有害な製品のリスクにつながる可能性がある。発見されたクリティカルとメジャーの不備の重大性と、
EU-GMP不遵守のレベルにより、査察チームは、公衆衛生からリスクを取り除くための暫定的な監督
措置を勧告する。
●製造承認No.1015の全ての差し止め
MIAは一時的に差し止められ、GMP適合証明No.ES/152HV/17も撤回された。
●出荷済ロットの回収
ロットK-304は、確認された規格外試験の結果、スペイン国内で回収された。そのロットは、スペイン
外部には出荷されていなかった。この会社で製造された医薬品の回収は国の所轄官庁も含み、判断され
るべきである。
●供給禁止
査察の結果、製造所で製造された製品は隔離される。
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=50622

■Report No.Insp GMP/IMP 41521/16682-0030 NCR
イギリスの製薬会社をイギリスの当局が2018/8/24に査察し、以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
交叉汚染を防ぎ、検知する方法が不完全で、検知されずに製品同士の交叉汚染が発生するリスクが存在
した。製造所は、製品の効き目の強力/非強力を考慮して製造エリアの分離を実施している。特に、交叉
汚染の可能性がある効き目の強い製品は、公衆衛生にリスクをもたらすので、国の所轄官庁は、問題が
十分に解決されるまで、患者の安全のために、すぐに製造を制限することが必要と考える。
●製造承認No.UK MIA 41521の部分的な差し止め
製品の効き目の強さが重大なものに限り、部分的にMIA 41521, MS 41521, MIA(IMP) 41521を差し止める。
●供給禁止
GMP不遵守ステートメントが有効な間は、効き目の強い製品ロットのEU市場への供給はされない。効き目の
強くない製品の供給は許可される。
●臨床試験の延期
GMP不遵守ステートメントは、製造所の全ての効き目の強い治験薬の製造に適用し、これらの治験薬の
製造と供給は停止すべきである。これの例外は、治験のスポンサーが、効果対リスクを比べて効果が
大きく、治験の継続を支持する場合のみである。製造所は、供給の継続を検討するために、治験薬の
スポンサーと共にリスクアセスメントを実施することが求められる
●追加のコメント
是正処置が完了するまで、効き目が強い製品の製造と出荷が自発的に停止されている。しかし、国の所轄
官庁は、効き目の強い製品の製造がGMPの原則を遵守するようになるまで、適合証明の一部を制限する
ことにより、製造と出荷の停止を正式なものにする必要があると考えている。製造所は、GMP遵守状態
に戻るための洗浄のトライアルの一部として、効き目の重大でない製品を製造する必要があるかもしれない
ことが認められている。これは、十分な情報を含む文書化されたリスクアセスメントにより許可される
だろう。しかし、これらの製品は、制限がされている間は市場に出荷されないだろう。
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=50551

■Report No.MT002NCR/2018
インドの製薬会社をマルタの当局が2018/8/26に査察し、以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
査察中、合計で、1件のクリティカルな不備、6件のメジャーな不備と、13件のその他の不備が報告された。
クリティカルな不備は、製造記録と品質のリスクアセスメントの記録を含む、確認できなかった記録の
真正性に関するものである。メジャーの不備は、非常に不完全な製造活動と、医薬品が一貫して規格と
品質特性を満たして製造されたという保証を提供できないプロセスバリデーション、不備のある供給者の
承認システム、品質管理と微生物試験の不備、不適切な医薬品品質システムと文書管理システム、交叉汚染
がないことを保証するための洗浄バリデーションの不十分さに関するものである。
●その他
医薬品の当局は、上記製造所を含む製造承認申請またはさまざまな申請が、検討されるべきでないと勧告
する。
●追加のコメント
これがこの製造所のEU/EEA当局による最初の査察だったため、現在この製造所にはEU GMPの適合証明が
ない。
この製造所は、EU/EEA市場でのいかなるヒト用医薬品の製造承認の申請もないので、EU/EEA市場への影響
はない。
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=50601

■Report No.IT/NCR/API/2/2018 rev.1
中国の製薬会社をイタリアの当局が2018/9/13に査察し、以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
EMA/EDQMの共同査察が、バルサルタンのNDMA/NDEA汚染問題を背景に開始された。9件のメジャーと、
8件のその他の逸脱が確認された。メジャーの不備は次の分野で発見された。
1.バルサルタンのNDMA/NDEA汚染の背景により実施された調査は重大な欠陥を示した。
2.2018年7月/8月に実施された、最適化されたバルサルタン工程の開発/実装において実施された
  会社のリスクアセスメントは十分ではなかった。さらに、会社は、最適化された工程で取り込ま
  れた新しいリスクを減らすための管理戦略を開発する必要性を確認しなかった。
3.2011年/2012年に改訂されたバルサルタンの工程の開発に関し、いくつかのギャップが確認された。
  注:NDMAの不純物の形成につながる、修正された工程と共に導入された変更
4.NDMA汚染問題に焦点を置いた苦情の対応に関する発見
5.規格外試験結果の管理
6.回収管理:汚染されたバルサルタンのロットに関し、アクションを管理した回収が正式に開始
  されなかった。
7.原材料の再処理/混合のトレーサビリティを含む再処理/混合作業
8.QC-FID分析に関するデータインテグリティの問題
9.2018年7月/8月に最適化された新しい工程で製造されたバルサルタンのロットのガスクロマト
  グラフィーの質量分析においてみつかった未知のピークの不十分な調査
●製造承認の要求
製造承認に対するアクションは、査察された会社により製造されたバルサルタン及びバルサルタン
の中間体を含む製造承認を対象とする当局により評価されるべきである。
●出荷済ロットの回収
この会社で製造されたバルサルタンの原薬を含む製品の回収はEU内で既に実施されている。
●供給禁止
この会社は既にEU市場内へのバルサルタンの供給を禁止している
●適合証明(CEP)の差し止めまたは取り消し(EDQMによりとられたアクション)
バルサルタンのCEP 2010-072は既に差し止められた。査察された会社を中間製造業者とするその他
のバルサルタンCEPに関するアクションが検討されることを勧める。
●その他
EU市場へのバルサルタン中間体の供給の禁止を勧める。この査察の評価に基づく2018/9/28付の
GMP不遵守報告No.IT/NCR/API/2/2018の改定版と、アメリカのFDAから提供されたGMP遵守状況も考慮
し、査察された製造所は、EU当局の更なる監督下におかれる。この対応の一部として、MIA取得者は、
この製造所から受け取る原薬の今後入荷する全てのロットについて、完全な試験を実施することが
要求されるだろう。さらに、サルタンの原薬の今後入荷するロットについて、特定の追加試験が要求
されるだろう。
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=50430

■Report No.IT/001NCS/2018
イタリアの製薬会社をイタリアの当局が2018/10/10に査察し、以下のノンコンプライアンスレポートを
発行した。
●ノンコンプライアンスの種類
査察中、17件のメジャー、1件のその他の不備がみつかった。メジャーの不備は、以下の問題を引き起こす
不適切な医薬品品質システムに関するものだった:無菌製造エリアの環境の適格性評価の不足、重要な
装置(例:オートクレーブ、depirogenation tunnel、凍結乾燥機、アンプルの漏れ試験機、
フィルター完全性試験機、目視試験機)の適格性試験の不足、品質管理の装置の適格性を確認していなかった、
データインテグリティが保証されていなかった、出荷判定がロットの記録のレビュの終了をせずに実施
された、無菌製造エリアで使用されるいくつかの原材料に関し、Grade Aの継続性が適切に保証されていな
かった、不十分な逸脱管理と調査。
●製造承認No.aAMM68/2014の全ての差し止め
2016/12/7付製造承認No.aM-212/2016MIAの全ての差し止め、API REG n.aAPI-8/2018の差し止め
●供給禁止
このステートメントがある間は更なる供給は禁止されるべきである
出典:
http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=50640


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まとめ
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いかがでしたでしょうか。

1つ目の、製品識別用にシリアル番号をつける流れは、EUやアメリカに限らず、中国・韓国などの
アジアの国も含め世界的に進んでいます。
日本国内では幸いなことに偽造医薬品が少ないために具体的な検討はされていませんが、いずれは
導入されることになると思いますので、是非参考にしていただければと思います。

2つ目の、ノンコンプライアンスレポートは、FDAが発行するウォーニングレターのように具体的な
指摘内容はわかりませが、おおよそのことは予想がつきますので、こちらも是非参考にしてください。

☆次回は、11/30(金)に配信させていただきます。


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