ASTROM通信バックナンバー

2018.10.15

【最近の話題】ASTROM通信<156号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

日暮れが早くなってきたことを実感するこの頃ですが、いかがお過ごしでいらっしゃい
ますか。

さて、今回は、下記の3つの話題を取り上げたいと思います。
1.      FDAが求める新しい製品識別要件について(シリアライゼーション)
2.      日本における医療用医薬品のバーコード表示の取り組み状況につい
3.      FDAの医療機器の品質システムに関する規制動向について

1は、アメリカにヒト用処方箋医薬品を輸出されている製薬会社様に関係のある話題です。
2は、医療用医薬品を製造されている日本の全ての製薬会社様に関係ある話題です。
3は、海外、特にアメリカに医療機器を輸出されている医療機器メーカ様に関係のある話題
です。

参考にしていただければ幸いです。


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1.FDAが求める新しい製品識別要件について(シリアライゼーション)
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FDA(米国食品医薬品局)は、医薬品サプライチェインセキュリティ法(DSCSA : 
Drug Supply Chain Security Act)のもとで、アメリカ市場で取引されるヒト用処方箋医薬品
の製造業者、包装業者、再包装業者に対して、医薬品の製品識別番号を、個々の箱(package) 
とケース(homogenous case)に押印するか印刷する対応を求めています。
これに関連し、医薬品の製造業者、包装業者、再包装業者は、FDAに対して、製品識別番号の
ついた表示の新しいサンプルを提出する必要があります。

■製品識別とは
貿易相手国がサプライチェインを通して医薬品のトレースを容易に行えるようにするために、
個々の医薬品の箱とケースに付ける固有の識別子のことで、製品のロット番号、有効期限、
全米医薬品コード(NDC : National Drug Code)とシリアル番号を含み、人及び機械が読む
ことのできるフォーマットである必要があります。

■製品識別のメリット
製品の箱やケースに個別のシリアル番号をつけることで、完全なトレーサビリティが実現でき
ます。これにより、医薬品の偽造、盗難を防ぎ、汚染、その他の有害な事象から消費者を守り、
危険のある医薬品を検知してサプライチェインから取り除く能力を向上させることができます。

■対応期限
対応期限は、2018年11月27日となっています。

■適用除外
2018年11月27日より前に製造業者に包装されたか、再包装業者に再包装された製品識別番号の
ない箱やケースに本要件の適用は除外されます。

出典:
https://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/UCM565272.pdf
https://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/DrugIntegrityandSupplyChainSecurity/DrugSupplyChainSecurityAct/ucm565358.htm
https://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/DrugIntegrityandSupplyChainSecurity/DrugSupplyChainSecurityAct/
https://www.fda.gov/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/DrugRegistrationandListing/ucm622477.htm


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2.日本における医療用医薬品のバーコード表示の取り組み状況について
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厚生労働省より、2018年9月28日付で「医療用医薬品における情報化進捗状況調査」の結果公表が
ありました。

医療用医薬品における情報化とは、医薬品の取り違え事故防止、市販後のトレーサビリティの
確保、流通の効率化の目的から、厚労省が通知「医療用医薬品へのバーコード表示の実施について」
(平成18年9月15日付薬食安発第0915001号、平成19年3月1日付薬食安発第0301001号、平成24年6月
29日付医政経発0629第1号・薬食安発0629第1号一部改正、平成28年8月30日付医政経発0830第1号・
薬生安発0830第1号・薬生監麻発0830第1号一部改正)を発出し、製造販売業者に求めている医療用医
薬品へのバーコード表示を意味します。

<各表示項目の表示対応状況>
●必須表示項目:100%
●原則平成 33 年4月以降に製造販売業者から出荷されるものから必須表示となる項目
・内用薬、注射薬、外用薬の販売包装単位への有効期限、製造番号 又は製造記号
  :約 15~50%(前年度約5~36%)
・内用薬、注射薬、外用薬の元梱包装単位への商品コード、有効期限、製造番号又は製造記号、数量
  :約 67~88%(前年度約 59~83%)
●任意表示項目
・調剤包装単位の有効期限、製造番号又は製造記号
  :約0~19% (前年度約0~22%) 

平成33年から必須となる項目については、前年度調査結果より表示率が上がっていますが、
任意項目については、前年度より若干ではありますが表示率が下がっていることがわかります。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000361164.pdf


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3.FDAの医療機器の品質システムに関する規制動向について
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FDA(米国食品医薬品局)のCDRH(医療機器・放射線保健センタ:Center for Devices and 
Radiological Health)は、医療機器製造業者の品質システムに関する規制要件(21 CFR Part 820)を、
医療機器・体外診断用医薬品の国際規格であるISO 13485に融合させようと計画しています。

CDRHが2つのシステムの違いと類似点を調査しているところですが、CDRHによると、現時点で
医療機器品質マネジメントシステムの監査への取り組みのうち約95%は部分的に一致している
ものの、残りの5%は、いかに対処するか確認して判断する必要があるとのことです。

一致していないものの具体的な例として、以下の3点があります。
・医療機器レポート
・医療機器単一調査プログラム(MDSAP)
・個々の機器の識別

CDRHは、2019年4月までに、改訂された規制要件を公開することを予定していますが、実現に
向けてより大きな調整の必要性を懸念している人もいるようです。

■補足
医療機器単一調査プログラム(MDSAP)
MDSAP参加国がQMS調査機関(MDSAP調査機関)を共同で評価・認定 し、その質を一定程度に
担保するとともに、MDSAP調査機関が実施した QMS調査結果(MDSAP調査報告書)の各国での
活用を目指すもので、日本もこのプログラムに参加しています。
医療機器単一調査プログラムは、様々な規制要件に対応するための時間とコストの削減に
つながるものとして、各製造業者も期待をしています。

出典
https://www.gmp-publishing.com/en/gmp-news/gmp-aktuell/cdrh-iso-13485-21-cfr-820-blending-quality-system-april-2019.html
https://www.raps.org/news-and-articles/news-articles/2018/9/fda-reveals-vision-for-the-transition-to-iso-13485?utm_source=MagnetMail&utm_medium=Email%20&utm_campaign=RF%20Today%20%7C%2027%20September
https://www.pmda.go.jp/files/000223724.pdf


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まとめ
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いかがでしたでしょうか。

1つ目の製品識別(シリアライゼーション)は、医薬品だけでなく医療機器や化粧品についても、
世界的に導入が進んでいます。
日本国内は、偽造や盗難がない(少ない)ということもあり、検討が遅れていますが、海外に輸出
をされたり輸出を検討されたりしている会社様には避けて通れない話ですので、是非、参考にして
いただければと思います。

これを読んでから2つ目の日本のバーコード表示の話題を読むと、日本はまだ、商品コード、有効期限、
製造番号(又は製造記号)の対応中で、シリアル番号まで到達していないため、海外に比べて対応が
遅れていることを感じます。
ただ、グローバル化の流れの中で、今後、日本国内の規制要件も変化すると思われますので、その
動向には注意が必要だと思います。

話は変わりますが、下記の日程で開催される今年の秋の日本製薬団体連合会主催の第38回医薬品
GQP・GMP研究会では、「GDPガイドライン素案(2016年度版)に対する製造販売業者の実施状況概要」
の講演もあるようですので、興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか。
<開催日程>
  東京:10月30日(火)
  大阪:11月2日(金)
  富山:11月15日(木)

☆次回は、11/1(木)に配信させていただきます。


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