ASTROM通信バックナンバー

2018.08.15

【最近の話題&ウォーニングレター】ASTROM通信<152号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~ 

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

お盆の真っ只中ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

今回は、医薬品の規制に関するグローバル化が一層進んでいることを実感する2つの話題と、 
これまでも何回か取り上げているFDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から最近出たウォーニング
レター (3件)について見ていきたいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
1.ICH(医薬品規制調和国際会議)のメンバ拡大と調和活動の前進について 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
ICH(医薬品規制調和国際会議)は2018年6月2日~7日に神戸で開催された会合にて、中国のCFDA、 
シンガポールのHAS、韓国のMFDS、中華民国台北のTFDA、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品 
協会(IGBA)、バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)をメンバに、また、モルドバのMMDA、 
マレーシアのNPTA、アルメニア、トルコのTiTCKをオブザーバとして加えることを決定しました。 
さらに、ICHは、今後、次の3つの新しいトピックスについて作業を進めていくことを合意しました。 
・ICH Q2(R1)分析法の開発と改訂、分析法バリデーション(ICH Q2(R2)/Q14) 
・連続生産(ICH Q13) 
・臨床電子構造化調和手順(‘CeSHarP’)(ICH M11) 
出典: 
http://www.ich.org/fileadmin/Public_Web_Site/News_room/B-Press_Releases/ICH_Press_Releases/ICH36Kobe_PressRelease_Final_2018_0621.pdf
<コメント> 
1990年に日本・米国・ヨーロッパの三極の医薬品規制当局と業界団体から発足したICHが、グローバル化 
していること、また、バイオ医薬品が浸透してきていることを感じる話題です。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
2.医薬品製造業者の査察におけるEUと日本の協力の強化について 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
2018年7月18日、欧州連合(EU)と日本は、お互いの製造所の査察を受け入れる医薬品の範囲を広げること 
で合意しました。 
現在のEUと日本の間の相互承認協定(MRA)は、2004年5月29日から運用されていて、監視官がお互いの 
担当地域内のGMP査察を信頼し、査察や品質の不具合の情報を共有することを認めています。この協定の 
おかげで、EU及び日本の規制当局は、双方の担当地域を重複して査察することを減らすことによって 
査察リソースをより有効に活用することができます。 
今回、このMRAが14年間ではじめて改訂され、その範囲は下記をカバーするように広げられました。 
・化学医薬品 
・ホメオパシー医薬品(日本で医薬品として、GMP要件の対象とみなされる限り) 
・ビタミン・ミネラル・植物薬(両当局が医薬品とみなす場合) 
・ワクチン及び免疫医薬品を含むある種の生物学的医薬品 
・上のカテゴリに関する原薬 
・上のカテゴリに属する無菌製剤 
これは、EUと日本の当局が、医薬品製造業者の査察に関し同等の規制と手順のフレームワークを持って 
いると同意したことを意味します。
出典: 
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Press_release/2018/07/WC500252183.pdf
<コメント> 
日本がPIC/Sに加盟して4年がたち、EUと日本のGMPの整合性がますます取れてきていることを感じます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
3.最近のウォーニングレターの概要   
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
■WL:320-18-57 フランスの製造所の査察(2017/9/18~2017/9/22)でみつかった医薬品製造における 
重大なCGMP違反に関する2018/6/8付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、出荷前に、医薬品の各バッチについて、各有効成分の同一性、力価を含む規格を十分に 
  満たすかどうか、試験室の判断を行うことを怠った。 
貴社は、有効成分XXとXXの同一性や力価の試験を実施せずに、貴社のOTC医薬品XXを出荷した。この 
テストを実施せずに、貴社の医薬品が規格に従うことを判断することはできない。 
貴社は、今後のバッチについて、有効成分の試験をすると回答した。貴社は、貴社が第三者を使用する 
つもりかどうかも含め、今後のバッチの試験に関する十分な情報を提供しなかったので、貴社の回答は 
不十分である。貴社はまた、バッチの同一性、力価、その他の品質特性の試験が欠けていて、現在 
アメリカ市場にあるかもしれない貴社のOTC医薬品に関する回顧的な評価の実施も怠った。 
この文書への回答の中で、下記の情報を提供せよ。 
・バッチの引き渡し判断の前に、貴社の各OTC医薬品の分析をするために用いられる全ての化学及び 
 微生物試験の方法と規格 
・米国薬局方(USP)<61>、<62>に従った、修正された微生物試験の方法(すなわち、微生物の総数、 
 好ましくない微生物) 
 これらの方法は、製品の意図した使用を考慮して、バイオバーデン内に好ましくないものがあるかを 
 判断するために、全ての微生物の確認に有効でなければならない。 
・アメリカに出荷された有効期限内の、全てのOTC医薬品の保管サンプルの試験から得られた試験結果の 
 概要 
これらの試験結果には、有効成分の同一性、力価、その他の品質特性を含むべきである。 
2.製品の各成分の同一性を確認するために少なくとも1つの試験を実施することを怠った。貴社は、 
  適切な間隔で供給者の試験結果のバリデーションを通じた試験を実施せず、貴社が頼っている成分 
  の供給者の分析の信頼性の証明を怠った。 
貴社は、XXを含む入荷した原材料について、同一性、純度、力価、その他の品質特性に関する試験を 
実施することを怠った。代わりに、貴社は、適格性が評価されていない供給者の分析証明書(COA)を 
信頼した。貴社がOTC医薬品に使用するXXは、有効成分XXを含む。 
貴社は、“在庫している原材料は、分析のためにサンプリングされ、10月27日より前に特性評価の 
ために送られるだろう”と述べた。貴社は、試験に関して第三者を使用するかどうかを含む、これら 
の原材料の十分な情報を提供しなかったので、貴社の回答は不十分である。 
この文書への回答の中で下記の情報を提供せよ。 
・全ての入荷した成分の品質管理のリリース規格と、各ロットに関して貴社が実施する試験 
・各原材料の製造者から得た分析証明書が正当であることを確認するために、全ての入荷した成分の 
 全ての試験から得られた試験結果のサマリ 
・貴社が製造したOTC医薬品を試験する契約試験機関の適格性を評価し、適切さを監督するための 
 貴社の手順のサマリ 
・各供給者から得た容器、蓋、原料が適切に確認され、適切な有効期限または再試験の日付が割り 
 当てられ、不適切な容器・蓋・成分の使用を防ぐために、入荷した原材料のロット管理が適切か 
 どうかを判断するための、貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュ 
3.貴社は品質管理部門に適用可能な文書化された責任と手順を制定することを怠った。 
貴社は、品質部門の多数の機能に関する文書化された手順を制定することを怠った。例えば、以下の 
製造作業に関する手順がなかった。 
・逸脱の調査 
・年次製品品質照査の実施 
・OOSの結果の調査 
・返品製品の対応 
・再加工及び再処理 
・ラベルの照合 
・製造記録の作成と、製造記録原本の発行 
・製造記録の承認とバッチのリリース 
貴社は、“品質サービスの責任を記述した手順は11月の終わりまでに起草される予定である“と回答 
したが、貴社の回答は不適切である。貴社は、堅固な品質システムを制定し維持することをいかに 
保証するかを記述することを怠った。 
この文書への回答の中で、貴社が適切な権限、責任及びリソースを持った効果的な品質部門を制定する 
ことを保証するための包括的な評価と、是正処置・予防処置の計画を提出せよ。貴社の回答には、 
修正された品質部門の責任を述べた詳細手順も含むべきである。 
4.貴社は、製品の安定性を評価するための文書化された試験プログラムを制定しそれに従うこと、 
  適切な保管条件と使用有効期限を決定するために安定性試験の結果を使用することを怠った。 
貴社は、貴社製品の化学及び微生物的属性がラベルに印字された使用期限を通して許容可能であること 
を示すための適切な安定性のデータを持っていなかった。例えば、貴社は、XXのロットXXの加速度 
安定性試験を実施したが、この試験中に分析や不純物に関する試験をしなかった。 
貴社は、安定性試験を再スタートさせることを約束したが、貴社は、どの試験を実施するか、試験に 
第三者を使うか、試験中どこに製品が保管されるかを含む貴社の安定性試験プログラムに関する詳細 
情報を提供しなかったので、貴社の回答は不十分である。 
この文書への回答の中で、貴社の継続的な安定性プログラムを述べた標準操作手順書(SOP)を提供せよ。 
また、貴社からアメリカに出荷された各OTC医薬品が、その使用期間を通して全ての規格を満たすことを 
示す安定性データを提出せよ。 
5.貴社は、貴社が製造した製品が、それが有するとされている同一性、力価、品質、純度を持つこと 
  を保証するための、製造と工程管理に関する文書化された手順を制定しなかった。 
貴社は、貴社の製品を製造するために使用する工程をバリデートしていなかった。例えば、貴社は、工程 
の性能適格性評価を実施せず、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するため工程管理の 
モニタリングに関する継続的なプログラムも欠けていた。 
貴社の回答の中で、貴社はXXシステムの適格性評価、洗浄および製造のバリデーション手順のタイム 
テーブルを提供したが、適格性評価とバリデーションを記述した詳細を提供しなかったので、貴社の回答 
は不十分である。 
この文書への回答の中で、貴社のバリデーション及び適格性評価の活動の手順を提出せよ。また 
バッチのばらつきを最小化し、一貫した製品品質を保証するために、医薬品のライフサイクルを通じて、 
貴社がいかに作業のばらつきの原因をモニタするかを述べよ。顧客への通知や、市場からの撤退も含め、 
販売中のOTC医薬品に関する製品品質と、患者の安全性のリスクに取り組む計画を提出せよ。 
●品質部門の権限 
この文書での重大な指摘は貴社の品質部門がその権限と責任を完全に果たすことができないことを示して 
いる。貴社は、品質部門がその責任を果たし、一貫して製品品質を保証するための適切な権限と十分な 
リソースを品質部門に提供しなければならない。 
●CGMPコンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル 
タントを雇うことを強く勧める。また、我々は、適格な第三者が、品質保証システム、原材料システム、 
設備及び装置のシステム、試験システム、製造システム、包装及びラベル貼付システムを含むCGMP順守 
のための全ての作業の包括的な監査を実施することを勧める。システムの改善を確実に行うことを助ける 
ために、貴社のコンプライアンス状態の解決をする前に、貴社のCAPA(是正処置・予防処置)は第三者に 
よって評価されるべきである。 
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の 
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。 
●結論 
FDAは2018年1月17日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm610849.htm

■WL:320-18-58 中国の製造所の査察(2017/12/11~2017/12/14)でみつかった原薬製造における重大な 
CGMP違反に関する2018/6/12付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社の品質部門は、品質関連文書のレビュと承認を怠った。 
我々の査察官は、貴社の製造作業のオフィスのオープンキャビネットの中に、多数のブランクの製造記録 
を発見した。それらの中には、“工場出荷許可”という赤い品質保証のリリーススタンプがついた製品の 
リリース文書の複数のブランク用紙があった。査察官は、オープンキャビネットに、バッチとページ数に 
関する2つの記録発行スタンプも発見した。 
貴社の標準操作手順書は、貴社の品質部門がブランクのCGMPの記録のリリースに関する責任を負うと述べ 
ているのに、これらのブランクの記録とスタンプは管理されていなかった。貴社の品質部門は、これら 
のフォームに入力された情報が正確で信頼できることを保証するために、これらの記録を管理することを 
怠った。品質部門のレビュと承認もない管理されていない記録の使用は、データ・インテグリティや製品 
品質の適切な保証に対するリスクをもたらす。もしブランクフォームを使用するのであれば、FDAは、 
品質部門または別の文書管理の方法により管理されることを勧める。 
貴社は回答の中で貴社の製品のリリースフォームは、貴社製造所から“リリースと製品保管の便利のため 
に先にスタンプされていた”と述べた。また、貴社は、品質部門の記録管理者は、記録やスタンプを入れ 
ているキャビネットの“壊れた鍵のリスクを理解していなかった”と述べた。 
我々は、貴社がSOPを改訂し、品質部門の職員の再教育をしたことに気づいている。しかし、貴社の 
従業員が、業務を実施するのに適格で、訓練されているという保証を提出していないので、貴社の回答は 
不十分である。 
2.貴社の原薬が制定された規格や基準に従うことを保証するために実施された全ての試験から得られた 
データを完全に保持することを怠った。 
貴社はXXの機器(FK030111)をXXとXXを含む複数の原薬の安定性試験に使用した。その後、貴社は工程内 
の分析試験を行うために同じ機器とソフトウエアを使用した。我々査察官は、この機器の監査証跡を 
レビュし、ソフトウエアが“プレビュー実行”機能の連続使用と、前回の実行結果の繰り返しの上書きを 
許すために設定されていることを発見した。各プロジェクトフォルダには、最後の“プレビュー実行” 
だけが保持されていた。 
監査証跡のレビュで、複数の異なるXXが実施され、それぞれのXXの長さは、何も記録されていない時間、 
サンプルの時間、標準的XXに必要な時間と一致していることを示していた。CGMPの作業を再現できる 
ことを保証し、必要に応じてレビュするために、ローデータの保持は不可欠である。 
貴社は回答の中で、ソフトウエアが“データ以外のXXの収集結果”の検索を許さないし、プレビュー 
実行データの保持が必要であると理解していなかったと述べた。我々は、貴社が影響のあるXXの機器を 
交換しようとしていることに気づいた。しかし、新しい機器の調達、新しいアップグレードされたデータ 
収集ソフトウエアの設置、ソフトウエアの様々な機能を有効にすることだけでは十分ではない。もし貴社 
が、貴社の品質部門が、原薬が制定された工程試験及び安定性試験の基準に従っているかどうか評価 
するために製造管理データ及び関連する監査証跡をレビュできるよう要求通りにデータを保持している 
ことを保証する目的で適切な手順とシステムを実行しているのであれば、これらのステップは、効果的で 
ある。 
●データ・インテグリティの改善 
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を 
適切に保証していない。我々は、貴社がFDAの要件を満たすことを手伝うためのコンサルタントを使用する 
ことを約束したと認識している。この文書への回答において、次の情報を提供せよ。 
A.データの記録と報告における不正確さの範囲に対する包括的な調査 
調査には下記を含めよ。 
・調査手順と方法論の詳細:アセスメントの対象となる全ての試験室・製造作業・システムの概要、 
 貴社が除外を検討している作業の正当性を示す理由 
・データの不完全性の性質・範囲・根本原因を特定するための現在及びかつての従業員の面接 
 我々は、これらの面接が適格な第三者により実施されることを推奨する。 
・貴社の設備におけるデータ・インテグリティの欠陥の範囲のアセスメント 
 データの省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、その他の欠陥の特定をせよ。 
 貴社が発見したデータ・インテグリティの欠落箇所について、全ての設備の操作を述べよ。 
・試験及び製造のデータのインテグリティの欠陥の性質についての包括的な回顧的評価 
 我々は、違反の可能性のある分野の特別な専門知識をもった適格な第三者が、すべてのデータ・インテ 
 グリティの欠陥について評価することを推奨する。 
B.貴社の薬の品質で発見された問題に関する影響の可能性についての現在のリスクアセスメント 
アセスメントにはデータ・インテグリティの欠落の影響を受けた薬の出荷により引き起こされた患者 
のリスクと、継続的な操作によるリスクの分析を含めるべきである。 
C.全体的な是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の管理の戦略 
貴社の戦略には下記のことを含めよ。 
・分析データ、製造記録、FDAに提出した全てのデータを含む貴社が生成した全てのデータの信頼性と 
 網羅性を保証するために貴社がどのようにするつもりかを述べた是正処置計画の詳細 
・現在の行動計画の範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったことに釣り合うことを示 
 すエビデンスを含んだ、データ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述 
 データ・インテグリティの欠落に責任のある個人が、貴社のCGMP関連または薬の申請データに依然 
 影響を与えるかどうかを示すこと。 
・顧客への通知、製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するための安定性プログラムへの 
 ロットの追加、薬の申請の活動、苦情のモニタリングの強化のような、患者を保護し、貴社の薬の 
 品質を保証するためにとられた処置、及び、これから取ろうとしている処置を述べた暫定的な手段 
・貴社のデータの完全性を保証するための、全ての改善の努力と、手順、工程、方法、管理、システム、 
 経営者の管理、人的資源(例:訓練、職員の改善)の強化を述べた長期的手段 
・上記活動が既に進行中または完了といったステイタスの報告 
●結論 
FDAは2018年3月29日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm611369.htm

■WL:320-18-59 中国の製造所の査察(2017/10/23~2017/10/27)でみつかった原薬製造における重大な 
CGMP違反に関する2018/6/22付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社の原薬が、制定された品質と純度の基準に従うことを確実にするために、全ての規格と試験手順 
  が科学的に合理的で適切であると保証することを怠った。 
貴社は、アメリカ向けに販売される原薬の残留溶媒の試験の実施を怠った。 
たとえば貴社は、試験結果が合格レベル内にあるかどうかを判断するための、中間体または最終原薬の 
残留溶媒の試験をしなかった。 
貴社は、この原薬を共有設備で製造する。複数の原薬がこの設備で製造され、Class 2の溶媒であるXX 
を含む、他の溶媒を使用する。Class 2の溶媒は、固有の属性により制限され、副作用の可能性から患者 
を保護するために管理されている。 
貴社は回答の中で、ICHのガイドラインのとおりに、残留溶媒の分析方法を制定しバリデートすること、 
アメリカ国内に販売されたXXの全てのバッチの残留溶媒を試験すること、その結果をFDAに提出すること 
を約束した。この文書の日付時点では、貴社はアメリカ向けに販売された医薬品の残留溶媒の試験結果 
をまだ提出していない。 
この文書への回答の中で下記の情報を提供せよ。 
・アメリカ国内に販売された、残留溶媒の試験を受けていない全てのXXの包括的なリスクアセスメント 
 アメリカに販売されたバッチに関する保管サンプルの試験結果をまとめよ。適切な規格を越えて残留 
 溶媒を含むバッチが見つかった場合、顧客への通知や回収の実施を含めた、貴社がとるつもりの行動を 
 詳細に述べよ。 
・完了した分析方法のバリデーション、貴社のXXに関するUSP(アメリカ薬局方)に一致するアップデート 
 された試験方法と規格 
・貴社の設備で使用された全ての残留溶媒のリストと、Class 1及び2の溶媒を厳しく制限するため 
 (または使用の打ち切り)のリスクベースの計画 
 製造及び清掃作業で原薬に使用される全ての残留溶媒に関する規格を含めよ。 
2.設備の洗浄および保全に関する文書化された手順を適切にバリデートすることを怠った。 
貴社は、非専用の製造設備の洗浄手順が交叉汚染を防ぐために適切であることを示すための洗浄バリデー 
ションの検証の実施を怠った。 
貴社は、洗浄バリデーションにおけるチャレンジ生産として、貴社の製造所で製造される原薬の1つで 
あるXXのみ選んだ。 
原薬XXは、XX機の製造設備のうちの11機でだけ製造されていた。貴社は、洗浄手順が異なる中間体や 
原薬の交叉汚染を再現性よく防ぐことを保証するために残りの共有設備XXの洗浄バリデーションを実施 
しなかった。 
また、貴社は、製造工程の中で、Class 2及び3の複数の溶媒を使ったが、貴社の洗浄バリデーションは、 
1つの薬から別の薬へ残留溶媒がキャリーオーバされる可能性に対応しなかった。 
貴社は回答の中で、洗浄手順を改訂し、洗浄バリデーションプログラムを再バリデートし、追加の検証を 
実施すると約束したが、貴社は、アメリカ向けに販売した原薬に対して、さまざまな原薬、中間体、溶媒 
の交叉汚染の可能性を判断するための包括的なリスクアセスメントを含めなかったので、貴社の回答は 
適切ではない。 
この文書への回答の中で、次の情報を提出せよ。 
・貴社の製造所内の、全ての重複使用設備用のアップデートされた洗浄バリデーション 
 薬のキャリーオーバの量、検知された残留溶媒またはその他の不純物、各不純物の許容限界、検証に 
 おいてワーストケースとして選んだ薬の正当性、洗浄剤の選択の論理的根拠、貴社の洗浄手順の効果を 
 添付して、洗浄バリデーションの報告の概要を含めよ。 
・不適切な洗浄の、アメリカ向けに販売された使用期限内のXXのバッチに対する影響を判断するための 
 包括的なリスクアセスメント 
3.原薬の安定性をモニタし、適切な保管条件やリテスト期限または使用期限を確認するために使用する 
  ための、文書化した継続的な安定性試験プログラムの作成を怠った。 
査察中、貴社は原薬XXの使用有効期限を裏付けるデータを提供できなかった。 
貴社は回答の中で、異なる局方を使って保管サンプルの試験をし、そのデータは薬が安定していること 
を示していると述べた。しかし、貴社は、貴社の方法がUSPと異なっているかもしれないので、 
“おそらく試験結果は同じでない”と述べた。貴社は、USPモノグラフに従い、原薬がXX以上の保管後も 
規格を満たすことを確認するために、XXの保管サンプルを試験すると約束した。 
貴社は、貴社の原薬の安定性試験プログラムを開発すること、または、貴社の方法がUSPの表示を満たす 
と示すことを約束せず、貴社の試験方法の確実性も示さなかった。 
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。 
・アップデートされた安定性プログラム 
 確実な方法で、品質の低下をひき起こす可能性のある原薬の外見の変化を検知する方法 
・アメリカ市場に販売された使用期限内にあるXXの全てのバッチ保管サンプルの試験データ 
4.不正アクセスやデータの変更を防ぎ、データの削除を防ぐ適切な管理機能を持ったコンピュータ化 
  システムの十分な管理の実施を怠った。 
製品のリリースや安定性試験に関するXXの分析結果を計算するために、貴社はバリデートされていない 
エクセルのスプレッドシートを使った。我々の査察官は、このスプレッドシートはパスワードによる 
保護が不足し、ロックされていない間違った計算式を含んでいることを発見した。 
査察中、貴社のQCマネージャは、分析結果を計算するために使用されるスプレッドシードの計算式が 
正しくないことを認めた。これらの間違った計算式により、複数の分析証明書(COA)に不正確なデータ 
が含まれていた。 
貴社は回答の中で、スプレッドシートが計算した安定性試験結果が実際にOOSであった事例を含む、 
間違って計算されたリリース用分析結果を持つ複数のバッチを確認した。 
貴社は、これらのOOSの結果に適切に取り組まず、貴社の品質部門による不完全なデータのレビュ手順 
に取り組むことを怠ったので、貴社の回答は不十分である。貴社は、貴社のエクセルのスプレッド 
シートをバリデートすると約束したが、どのスプレッドシートの管理が、データへの不正なアクセスや 
修正、削除を防げるのか特定することを怠った。貴社の回答には、CGMP作業で使用されている全ての 
コンピュータ化された試験システムで生成された全てのデータの包括的なアセスメントや回顧的な 
レビュが欠けていた。 
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。 
・他に不完全な箇所がないかを判断するための、貴社の製造及び試験作業で使用されるデータレビュ 
 システムの包括的な評価 
 品質部門の監督を含む、不完全なデータレビュに取り組むためのシステム的な修正と一緒に、是正 
 処置・予防処置(CAPA)の詳細な計画を含めよ。CAPAには、これに限定されないが、改訂された手順、 
 教育、全てのCGMPの記録の完全性を保証するために実施されたシステム的な措置を含むべきである。 
・不正確な式やその他の不備等の間違いの確認と調査のための、CGMP作業を支えるために使用される 
 全てのエクセルのスプレッドシートの評価 
 気づいた不備への対応や再発防止のための詳細なCAPAの計画を含めよ。 
・修正や削除を防ぐための十分な管理が不足したコンピュータ化システムを使ってアメリカに販売された 
 使用期限内の原薬の全ての試験データの回顧的レビュとリスクアセスメント 
 もし、このアセスメンに基づいてOOSの結果をみつけたら、顧客への通知・回収の開始を含む貴社の 
 アクションプランを示せ。 
・逸脱の調査、標準に合致しない出来事、苦情、OOSの結果、不具合に関する、貴社の総合的なシステム 
 の包括的で独立したアセスメント 
 貴社のCAPAは、これに限定されないが、調査能力の向上、根本原因の分析、文書化された手順、 
 品質部門の監督を含むべきである。 
●CGMPコンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した逸脱の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル 
タントを雇うことを強く勧める。また、我々は、適格なコンサルタントが、CGMP順守に関する貴社の 
全ての作業の包括的な監査を実施することと、貴社がコンプライアンス状態の解決をする前に、貴社が 
実施した是正処置・予防処置の完了と効果の評価をすることを進める。 
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の 
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。 
●結論 
FDAは2018年3月22日、貴社に輸入警告措置をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm612389.htm


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
まとめ 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
いかがでしたでしょうか。 
ウォーニングレターの3件目に、バリデートされていないエクセルのスプレッドシートに関する指摘 
が含まれていました。 
査察する箇所はたくさんあるはずなのに、FDAはよくエクセルシートまで見るものだと感心すると 
同時に、エクセルシートのバリデーションは大丈夫だろうかと気になりました。

皆様がGMP/GQP業務で使用しているエクセルシートは、バリデートされているでしょうか?また、 
パスワードの設定等によって不正アクセスを防止する対策は取られているでしょうか。

コンピュータ化システム適正管理ガイドラインが施行された当時は、エクセルシートのバリデーション 
にも相当気を使いましたが、あれからかなり時間がたちました。 
作業効率UPのために作ったエクセルシートを、ついついバリデートしない状態で使ってしまっていると
いうことはないで しょうか。

この機会に、今一度エクセルシートのバリデーション状況を確認してみるのもよいかもしれません。

☆次回は、8/31(金)に配信させていただきます。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 
★弊社サービスのご案内 
https://drmarketing.jp/cch/73/185/3/426/118541/2402c3

★ブログ毎日更新中! 
◆ PROS.社長の滋養強壮ブログ 
https://drmarketing.jp/cch/73/185/1/426/118541/379c92 
◆ 営業ウーマンの営業報告ブログ 
https://drmarketing.jp/cch/73/185/2/426/118541/4cdd53 
※URLクリック数の統計をとらせていただいております。

本メルマガは、名刺交換させていただいた方に、毎月1日、15日(土日祝日に重なった場合 は前日)に 
配信いたしております。 
今後このような情報が必要ない方は、お手数ですが、こちらに配信停止依頼のメールをお願いいたします。 
hashimoto@e-pros.co.jp

【発行責任者】 
株式会社プロス 
ASTROM通信』担当 橋本奈央子