ASTROM通信バックナンバー
2018.02.01
【EU GMPガイドラインAnnex 1改訂案パブコメ募集】ASTROM通信<139号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
春が待ち遠しいこの頃ですが、
さて今回は、EU GMPガイドラインAnnex 1(無菌医薬品の製造)改訂案及びそのパブリックコメント募集
について取り上げたいと思います。
ヨーロッパに輸出していないので直接関係ないと思われる方もおい
ラインはPIC/S GMPガイドラインにも反映されるため、PIC/
うえで参考になります。
特に今回の改訂案は、グローバルな調和のためにWHOやPIC/
が出ればPIC/Sに反映される時期も早いと考えられます。
また、無菌医薬品の製造というタイトルですが、スコープとして、
の製造時、微生物、微粒子、
できるところがあるかと思います。
ということで、最後までお付き合いいただければ幸いです。
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EU GMPガイドラインAnnex 1の改訂について
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EU GMPガイドラインAnnex 1は、1971年に初版が出て以来、
全面的な見直しはされてきませんでした。
そこでECは、明確で、かつ、
より論理的な流れに変更するために、
全面的な見直しを行うこととしました。
主な変更点は下記の通りです。
・新しい章の導入:スコープ、ユーティリティ、
・QRM(Quality Risk Management)の原則の採用
・より論理的な流れにするための再編成
・より一層の明晰さを提供するために、
Annex 1改訂案の全文は下記URLから確認できます。
https://ec.europa.eu/health/
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Annex 1改訂案のポイント
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現在日本で参照されているPIC/S GMPガイドラインAnnex 1と比較して、今回のEU GMPガイドラインAnnex 1
改訂案の変更のポイントをまとめてみました。
1章 スコープ
・新しく追加された章です。
・
・Annex 1無菌医薬品を対象としているが、無菌医薬品だけでなく、
ピロゲンの汚染管理をサポートするために使えるという記述が追加
2章 原則
・記述が大幅に追加になっています。
・ここにも、品質リスクマネジメントの原則に従って工程、装置、
いう記述が登場します。
・汚染管理の戦略の文書の中で、
a)プラントと工程の設計
b)装置と設備
c)人員
d)ユーティリティ
e)原材料の管理-工程内の管理を含む
f)製品の容器と蓋
g)ベンダの承認-例えば、主要成分、成分の滅菌、
h)外部委託サービスに関し、例えば、滅菌の場合、
なエビデンスが委託者に提供されなければならない
i)工程のリスクアセスメント
j)プロセスバリデーション
k)予防保全-汚染の重大なリスクをもたらさない装置や設備(
l)洗浄と消毒
m)モニタリングシステム-環境汚染の発見を最大限に行う、
実現可能性の評価を含む
n)予防-傾向分析、調査、是正処置・予防処置(CAPA)、
のニーズ
o)上記システムからの情報に基づく継続的改善
3章 医薬品品質システム(PQS)
・新しく追加された章です。
・EU GMPガイドライン1章の医薬品品質システムの要件に加え、
いといけないと書かれています。
a)無菌性の保証を含む無菌製造製品の安全性、品質、
ため、
b)
c)手順、工程、装置の不具合の根本原因の分析は、
予防処置が実施されることを保証するために重要であること。
d)汚染を防止するために汚染のリスクを特定・評価・除去(
検知し、
メントが実施されること。
リスクアセスメントは文書化され、リスクを軽減し、
にとられる判断のための論理的根拠を含むべきである。
として、変更管理や定期的な製品品質レビュの間に、
e)無菌製品の仕上げと輸送に関わるプロセスは、
を損なってはならない。また、
保証しなければならない。
f)無菌医薬品の品質の判定に責任を負う人員は、
・効能に従って製造されたことを確認するために、
製造と重要な品質特性に関する適切な知識を持っていること。
4章 人員
・記述が増えています。
・4.1章、4.4章~4.6章あたりに、
ならないという記述や、
5章 建物
・記述が増えています。
・特にバリア技術の詳細な記述が追加されています。
6章 設備
・冒頭に、
されています。
・それ以外にも、例えば下記の記述が増えています。
*
*洗浄工程がバリデートされていなければならない(6.5章)
7章 ユーティリティ
・新しく追加された章です。
・水、空気、真空に関する要件がまとめられています。
8章 製造と特別な記述
・
・凍結乾燥技術の詳細な記述が追加されています。
9章 生存環境(Viable Environment)及び非生存環境(Non-viable Environment)と工程のモニタリング
・新しく追加された章です。
・環境モニタリング、生存環境(Viable Environment)のモニタリング、非生存環境(Non-
のモニタリング、無菌工程シミュレーション(Aseptic Process Simulation)について詳細に書かれています。
10章 品質管理
・具体的な品質管理の要件が追加されています。
11章 用語集
・5ページにわたる用語集が追加になりました。
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Annex 1改訂案に対するパブリックコメントの募集
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ECは、
協力して準備し、
●パブリックコメントの提出方法●
ECのパブリックコメント募集サイト(https://ec.
からダウンロードしたテンプレートにコメントを記入し、SANT
してください。
コメントは、ブリュッセルの健康・食品安全総局(Unit SANTE B/4, BE-1049 Brussels)に送ることもでき
ます。
コメントには、名前、e-mailアドレス、
であれば、組織と分類(企業/ビジネス、国家の諸機関(支部、
も記載してください。もし、あなたが企業の代表であれば、
未満、従業員が250人未満)
もし、あなたの組織が透明性登録(Transparency Register)をしていれば、
を記載してください。
パブリックコメントはインターネット上に公開される予定です。
なお、ISPEのメンバまたはグループは、
その場合は、
までに、ISPEのコメント送付先(regulatorycom
コメントはISPEの専門家チームによって吟味されたうえで提出
また、ISPEに提出されたコメントは、
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まとめ
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EU GMPガイドラインAnnex 1改訂案は、以前に比べて章立てがすっきりし、かつ、
やすくなっているように思います。また、
なる部分が多いと思います。
ところで、
“monitoring”
ます。
是非、ご一読ください。
☆次回は、2/15(木)に配信させていただきます。
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おしらせ
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きたる2月21日(水)~2月23日(金)に開催される医薬品・
フェックス大阪(会場:インテックス大阪)に出展します。
ブースは、【8-19】となります。
お時間がおありの方は、
よろしくお願いいたします。
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『ASTROM通信』担当 橋本奈央子